見出し画像

古びたビルの奥に蠢く男女の欲望は人を現実社会に戻さない妖力を発生させていた

新宿お一人さまツアー回顧録 第五話

第一話へ行く 第二話へ行く 第三話へ行く 第四話へ行く ココは第五話です

FAプロの女は実在しましたね。確実に・・・。
巨匠ヘンリー塚本監督作品に出てくる

昭和感溢れる崩れた熟女がいました

もう戻れないかも知れない現実に躊躇すら許されず…。
「し、しつれいしますぅ」と、どもりながら女の部屋に踏み入れた。
部屋は3畳程の狭さだった、右側に白いシーツの細いベッドがあり…左側は棚になっていてグラスと酒瓶や化粧道具らしきものとテレビが乱雑に置いてあった。
入って来た正面には窓があり向かいのビルのネオンが見えた。
「座って」…タバコの煙を吐きながら、女の居る左のベッドのスペースに視線を落として言った。
腰掛けろという事か…。
もう片方の手には缶ビールが握られていた。
私は「あ・ハイ」とベッドに浅く座った。
女は半裸だった。
歳は35か…40か…。
伸ばしっ放しの黒髪を一つにまとめ…顔には化粧っ気が無かった。
素足にベージュのショーツをはいていて、白いキャミソールを着ていた。
キャミといえば聞こえはいいが、あれはシミーズと呼ばれる肌着なのではないのか…綿っぽいし。
恐らくブラは着けていないのだろう黒い乳頭が透けて見えていた。
決して小さくない胸が存在感を示している。
数少ない地元での風俗体験はあるが、これほど「素」な状態の、このての女性と相対したのは初めてだった。
ここはこの女の住居なのか…それにしても物が少ないにも程がある。
テレビに至ってはブラウン管だ…置いてあるだけというか片づけていないだけという感じだ。
住まいや待機場所は他にあり、私のようなカモを捕まえた時にだけ移動してきて

プレイルームとして使用しているのかも知れない


ついにここまで来てしまったが…どうしたものかと逡巡していると。
「飲む?」と女は自分の持っている缶ビールを私に差し出した…、「イヤ…大丈夫です」。
女はニヤリと笑い自分で一口飲んで煙草を吸い、煙を吐き出すと缶に煙草を入れた、ジュ!と音がした」
「あなた、なんて言われて来たの?確率は半分よ…」
「半分は気味悪がって2階にすら上がって来れないの…」と、女がニヤリとしながら言う。

どうやら私は馬鹿なのかも知れない…どんな事が起きるかもわからないのにこんなところまで来てしまった」
半数は逃げ帰るのに、自分のスケベ心とカラ度胸に心の中で苦笑いした。
口の中が乾ききってうまく言葉が発せられなかったが…。
「最高の女性と個室で最後まで出来ると言われて…」
「…ッふ…当たってるじゃないか、フフフ」女は左の眉毛をあげて言った。
そしてこう続けた「ならば2万だね…」と。
なるほど…そういうことか…、ま、1階のドアを入った時からなんとなくは思ってたけど…そういう事だよね…。
正解は解らんが騙されている事は当たってそうだ」
「あ・?うん・と…じゃぁ、あと5000円ですか?」と私。
「アン?2万って言っただろ…ああ…そういう事か…」と笑いながら…「あんたもう1万5000円払っちゃったのかい?」と呆れ顔の女…。
あんたを連れて来た男って歯、無かったろ…?」と女はもう一度…ニヤリ。
私はこう言った「ハイ・2本無かったです」と。
ククク…人の事は言えないが相変わらず悪いヤツだねと女。
その後、何の行為もせず隣同士で座り、女の素性と、どういう仕組みの「インチキな”パツ屋”」なのかという事を聞いた、新品のぬるいビールも貰った。
人間、色々あるんだなぁと思わされ、とてもじゃないがエロい気持ちは無くなっていた。
女は2本目のビールを飲みながら、自虐を含んだわざとハスッパな口調でこう言った…。
「ここは世界一の歓楽街、新宿歌舞伎町だよ…一日に新しい観光客が何十万人も来るんだよ。
ウソだろうが、ぼったくりだろうがやっていけるんだよ。
インチキだと罵られてもそれは今日だけの事。
明日になればまた何にも知らないカモが、ごっそり来るんだよあんたみたいなね…」。
女はそう一気に吐き捨てると私の顔を覗きこんで来た…その目は泣いているようだった。
愁いを帯びた女の瞳の奥を見た。
「・・・・」
気付くとキスをしていた。

次回に続く

第一話へ行く 第二話へ行く 第三話へ行く 第四話へ行く ココは第五話 第六話へ行く

こんな出来事があってもその後も何回も歌舞伎町には遊びに行っています。
というか色々な繁華街に行っています笑

そうすると昔では考えられなかった程、治安も良くて親切な、案内所なるものがどの土地にも見受けられるようになりました。
SNSの普及でインチキなサービスは一瞬で晒されるのでだいぶ淘汰されてきたのですかね。
多少ヒヤヒヤした経験もしましたが何事も経験です。
そんな話しをしたり聞いたりするのが大好きです。
世界中の歓楽街を楽しんだ強者や現役のお嬢などの生きた話しを聞けるサイトをご案内してこの章を〆ようと思います。
お話し相手同士を結び付けるサービス 電電ちゃん
色々な経験を積んだ話し相手が登録されています。
そんなキャスト達とお話ししてみませんか
今すぐ話せるキャスト


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?