見出し画像

入社10年目にうつ病で休職した話【後半】

前半の話はこちらから

心療内科のクリニックに通って3週目、主治医の先生からうつ病の診断をもらい、休職の診断書が手元にやってきました。僕自身は診断書が欲しいとは一言も言っていませんでした。むしろ変わらず仕事を続けたいのでどうにかして欲しいという感じでした。

先生はそんな僕の話をしっかり聞いてくれました。その上で色々判断したいからということで、心理テストの厚い冊子をいくつも持ってきて、待合所で記入してくるように言いました。それは種類も質問の量もかなりあり、全部回答するまで30分ほどはかかったでしょうか。診察室に戻った時には23時を示していました。

そのような時間にも関わらず先生は心理テストの結果を丁寧に説明してくださり、その上で仕事をお休みしましょうと言ってくださいました。それでも僕はまだ、休むわけにはいかないと考えていたのでした。心は休みを欲していたにもかかわらず。

診断書を渡された翌日、仕事の昼休みに会社の医務室にいる産業医を尋ねました。これまでの身体の変化と心療内科にかかっていること、その経過と前日診断書が出た旨を正直に話したうえで産業医の先生がどう判断するのかを聞きたかったのです。

『あなたは今すぐ休んだ方がいいね。この状態で仕事を続けても決して能率や成果は向上しません。』

このように産業医の先生からも仕事を休むように諭されたのでした。諭されたのはいいものの、結局僕は上司にそれをどのように伝えればいいのか、それに頭を悩ませていました。

上司には心療内科に通い始めたころ雑談レベルで「食欲を出す薬を飲んでいる」という話をしていたので、その話の延長で切り出すことにしました。医務室から戻った僕は勇気を振り絞って上司に時間をもらい、個室で心療内科に通っていて診断書をもらったことや産業医からも休むように言われたことを伝えました。

上司は理解を示してくれました。そして翌日から休もうと言ってくれました。その時まで僕の頭は休むことに抵抗を示していましたが、最後『はい、申し訳ございませんが明日からお休みさせてください。』と口にすることで、その思考を断ち切ることができたように思います。

その日は翌日の会議資料を最後までまとめて終わりました。その会議の主な提案者は僕だった訳ですが、会議の冒頭で僕がしばらくお休みすることになったことをチームに告げることと併せて全部上司が代わってくれることになりました。

正直、先生を変えて受診するより先にあの会議を乗り越えていたら、またしばらく頑張ることができてしまって、さらに症状が悪化していたことでしょう。仕事をお休みしている今だからこそ振り返るとそのように感じました。

心療内科の先生を変える決断が僕にとっては転機になりました。これは誰にでも当てはまる話ではないでしょう。ただ僕は、最初の先生との相性は良くなかったように感じました。何がというわけではないのですが、肌感覚でちょっと違和感がありました。それは話しぶりや受け答えの所作、その他細かいことの積み重ねであったと思います。

ここまで、前後半に分けて僕が入社10年目にしてうつ病になって休職入りするまでのことを書かせていただきました。これからはその後の過ごし方やその日々その時々の思いなどを綴らせていただきたいと思います。

この記事が参加している募集

いただいたサポートは静養期間中にカフェで1杯の温かいコーヒーを購入することに使わせていただきます。