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日記

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記事一覧

2024年3月の日記

別に僕の一生懸命書いた文章より綺麗なラテとかスイーツの写真とかの方がバンバンいいねくるけどそんなんしかいいねしない人と関わりたくないので僕が一生懸命書いた文章はいいねしなくていいのです。文学読む人やアートがわかる人としか友達にならないと決めた春先。感受性が死んでる人と関わるととても傷つきます。消費社会においてモノだけでなく人やコミュニケーションや自分自身すらも消費しつくされる時代が始まっている。う

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2023年11月の日記

2023.11.12
わけもなく泣きたくなる1番最初の冬の夜。姉の婚姻届に証人のサインをした。久々に目にした旧姓。これで姉も妹も私もみんな嫌な思い出の姓とさよなら。日本の婚姻制度に疑問を持ちながらも姉のおだやかに笑う丸い頬をただ祝福して眺める。

いつぞやの

誰かに友愛を感じることと他者に向かって貢献することとひとりの人を愛することがいかに違うのか。私に押し付けられる大きな取り皿が私の胃を圧迫する。小さく美しい椅子の背が引かれ、私がそこに収まり背骨をいためつづける。笑いながら。

2023年9月の日記

2023年9月の日記

2023.9.27わたしはその美しい夕日に立ち尽くした。潮の香りがただよう美しいすみれいろの夕日に。前を歩く陰がひとかたまりに少しずつ遠ざかる。夏の最後の日のぬるい風がおでこを通り過ぎて、わたしはもう少しここに居たいと思った。ヘリコプターの黒いシルエットだけが過ぎ去ってわたしはあわてて駆け出した。

2023.10月日記まとめ

2023.10.3
窓を二つ開けて部屋の空気を換気していた。空気が乾いている。その日の午後には加湿器の水がなくなった。補充を促す赤いチカチカした点滅を床に横たわりながら斜めに見る。秒針があまりに緩慢に1秒を刻む。遠くを走る自動車の音とモーツァルトのピアノだけがただしく時を刻んでいる。

秋風にすさぶれてこのまま遠く草原の上で眠りながら空気に溶けたい。友達ができると自分の孤独が強く浮かび上がる。わた

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7月の散文、思考の整理

7月の散文、思考の整理

上質で厚みのある高い絨毯の上に質量のあるボールが落ちるような声。

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月を見上げるのは、そこにあるようで何億光年もの距離があるからなのかな。月そのものではなく我々はその途方もない距離を見ているのかも。何かと自分の距離を測る、その距離を認識するっていうのは、自分の現在地を知る上でとても意味がある。
私が他者にに興味をつのも、私が今生きている位置を知る上で重要な意味がある。
帰属する位置が明

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赤信号

赤信号

短い信号に引っかかる。あまりに車が来ないものだからと赤信号を無視して歩いて行く人を横目にぐっと踏みとどまった。そういえばわたし急いでない。急がなくても生きていられるんだった、と桜の香りをはらんだ雨の空気を胸いっぱい吸い込む。

旅

裸の木が日差しを待ち侘びるように寄り添い合っている。合間を縫うように細い桜が数本ずつ咲いている。遠くの山の稜線を覆う雲海はトンネルを抜ける度に少しずつ解け、その山肌と空を顕にしていった。目まぐるしく変化する景色は私を飽きさせず、眠る間も与えず運んで行った。

2022.3.30
京都行きの列車にて

休日

数日ぶりの快晴で、街行く人は前のめりでゴールデンウィークを楽しもうとしているようだ。そんな空気に背中を押されているようで、駅の改札を抜ける足取りが早くなる。イヤホンから流れるBGMの音量を普段より数クリック分大きくする。それでもすれ違う人々の笑い声が微かに耳朶を打つ。

少年の手を引いた女性が持つヘリウムで浮かんだ風船が、すれ違い様にチリと音をたてて髪を掠めた。メリーゴーランドの白馬を模したような

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ロマンスカー

間近に迫る蛍光灯とヘッドライトの光を受けて、車体を包むアルミのボディが確かな質量を持ってつるりと光っている。時速110キロにも耐えうる無機質な存在感から放つ光は、いかにもこれから旅がはじまるといった確固たる期待感を抱かせる。

スイッチバック

小田原から強羅にかけて箱根登山電車は3度のスイッチバックをする。約500mの急な勾配を登るため、進行方向を変えながらジグザグに走るのだ。体が傾くような傾斜を感じながら降っていた電車が反対側に動き出し、不思議な浮遊感に包まれる。成程、山を登る時は急がずに、時に立ち戻ることも必要なのだ。

2020.5.11