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裸の木が日差しを待ち侘びるように寄り添い合っている。合間を縫うように細い桜が数本ずつ咲いている。遠くの山の稜線を覆う雲海はトンネルを抜ける度に少しずつ解け、その山肌と空を顕にしていった。目まぐるしく変化する景色は私を飽きさせず、眠る間も与えず運んで行った。

2022.3.30
京都行きの列車にて

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