牧野容也/Masaya Makino

1984年生まれ。 20代よりギタリストとして音楽活動を開始、 2021年よりシンガーソングライターとしての活動を始め、3年続けてオリジナルアルバムをリリース。 バリエーション豊かなギターと、穏やかな歌声から映し出す世界は 暮らしに溶け込みながら、短い旅へと連れ出してくれる。

牧野容也/Masaya Makino

1984年生まれ。 20代よりギタリストとして音楽活動を開始、 2021年よりシンガーソングライターとしての活動を始め、3年続けてオリジナルアルバムをリリース。 バリエーション豊かなギターと、穏やかな歌声から映し出す世界は 暮らしに溶け込みながら、短い旅へと連れ出してくれる。

マガジン

  • the Odyssey制作プロセス

    2022年7月にリリースした1stアルバム「the Odyssey」の制作過程を 克明に記録したマガジン。 アルバムを作るって何をしてるの? 友人の素朴な疑問から始まった、 できる限り主観で綴ったアルバム完成ロードマップ。

  • 「Familiar」全曲解説マガジン

    2024年7月17日にリリースした3rdアルバム「Familiar」に収録されている楽曲の 作られた経緯や、見えていた心象風景、自分の曲の最初のリスナーとしての解釈 などなどを一曲ずつ解説しています。 アルバムを聴きながら読むと、また違った楽しみ方をしていただけます。

最近の記事

沖縄ツアー後記

あー楽しかったー!!と一言で言い切れずに終わるのが、 旅行ではなく旅だった証なのだと思うのですが、 嬉しい、楽しい、大好きとか、驚きや別れの寂しさ、 喜怒哀楽からこぼれ落ちた気持ちも、 全部ひっくるめて楽しんだという意味でなら、楽しかったと、 旅を反芻しながら言い切ることができそうです。 日本各地を巡っていると、各地にそれぞれ代替不可能な個性があるので、 沖縄だけが特別と言い切るのは難しいですが、 歴史や状況を鑑みると、沖縄は確かに特殊な立場にあると言わざるを得ません。

    • 缶コーヒーと庭師

      夏休み前の7月上旬、小学校に子供を向けに行った帰り際(山間部なので) 近所のおじさんから、「お父さんにもほい、やるわ」と微糖の缶コーヒーをもらった。 基本的に缶コーヒーは飲まないんだけど・・と頭をよぎったけれど、 頂けるものはありがたく頂く、という姿勢を人生の基盤としているので ほとんど条件反射的に「わあ!ありがとうございます!」と受け取った。 もらったは良いものの、自分では飲まないし・・・とりあえず冷蔵庫にしまっておいた。 自慢ではないけど我が家は物持ちが良く、冷蔵庫

      • 「Familiar」全曲解説8曲目

         なんだか夏に戻ったみたいですね。 いよいよ最後の曲、「雷」です。  まずはじめに、この曲の読み方ですが僕は「いかずち」と読んでいます。もちろん「かみなり」でも間違いではありません。製作者としては、より脅威を強く感じるようにしたいんです。  ライブ中にこの曲を歌う前、時間があるときは少し触れていますが、沖縄や横須賀の軍事施設、北海道の興部からオホーツク海に浮かぶ北方領土を見て、実際にその土地に住む人の暮らしを脅かしうるものがこんなに身近にあるのかと驚きました。毎日脅威にさ

        • 「Familiar」全曲解説その7

          いよいよ佳境に入ってまいりました。7曲目、「ことば」です。  単刀直入に申し上げますと、この曲は夫婦喧嘩の曲です。  結婚して12年になるんですが、去年くらいまで夫婦喧嘩のやり方がわからなくって。相手の言い分を受け止めることこそが愛情だと思ってたんですが、違うんですね。こっちの思ってることも言わないと、自分がどう言う人間か伝わらないし、飲み込んだ言葉が溜まっちゃう。そう言うわけなので、思ってること、言ってこ。という曲です。  気分ってほんと天気みたいなものだと思うんです

        マガジン

        • the Odyssey制作プロセス
          11本
        • 「Familiar」全曲解説マガジン
          8本

        記事

          「Familiar」全曲解説その6

          こんにちは、今年は秋が来るのが早いですね。ホッとします。 それでは6曲目、「駆けるwith浮」です。  僕はツアー中、なるべくそのまちに住む人のように振る舞うようにしています。スーパーでお惣菜を買ったり、本屋で雑誌を買ったり、ファミレスに入ったり。そうやってそのまちに暮らし人たちの気分を味わうことで、世の中を見る視点が増えることで、今の世の中にあって欲しいものがわかるような気がします。 「駆ける」は旅の曲です。歌詞の最後、「駆け続けること ただそれこそが景色を変える」を書

          「Familiar」全曲解説その6

          「Familiar」全曲解説その5

          折り返しましたね、それでは5曲目「偏西風」です。  今回のアルバムを作るにあたって、ずいぶん助けられた漫画がありまして、入江亜季先生の「北北西に雲と往け」という作品です。  僕の場合、行き詰まる時って大抵焦ってる時で、この曲のメロディーも作らなきゃだし、別の曲の歌詞もまだできてないし、メールの返事もしなきゃいけないし、もうすぐ子供達帰ってくるし。そういう時にページを開くと、一コマ一コマ丁寧に描かれた絵に励まされていました。そうか一歩ずつしか進めないんだよな。  創作の姿

          「Familiar」全曲解説その5

          「Familiar」全曲解説その4

           では行ってみましょう4曲目、 「キッチン」です。  あれは去年か一昨年、インスタにギターのミニフレーズたくさんアップしていた中の一つ。その頃から「料理番組で流れそう」と思っていたので、掘り起こして料理の曲にしようと作り始めました。作るにあたって、いくつか決めたキーワードは、「料理」「簡単」「孤独」。    僕も料理は好きですが、凝ったものは全然作る気になれなくて、火元が一つでできるものばかり作っています。おむすび、目玉焼き、炒飯、餃子、肉まん、パンケーキ、そうめんなどなど

          「Familiar」全曲解説その4

          「Familiar」全曲解説その3

          それでは3曲目行ってみましょう。 3曲目は「線」です。  なるべく専門用語は使わないように解説していきたいんですが、この曲はちょっと難しいかも。  「クリシェ」という音楽用語があって、音階が半音ずつ上がっていったり下がっていったりすることを指すんですが、ドリカムの「LOVE LOVE LOVE」とかわかりやすい例ですね、その進行が大好きで、この曲はそのクリシェが主役の曲です。  クリシェのいいところは安心感があるところ。次にどうなるか予測しやすいわけです。この曲はクリシェ

          「Familiar」全曲解説その3

          「Familiar」全曲解説その2

          2曲目は「パレードwithわがつま」です。  大学時代はジャズ部に所属して、カウントベイシーや、デュークエリントンなど40年代前後のスウィングジャズを弾いていました。あの頃音楽の楽しさと哀しさの混ざった雰囲気が好きで、憧れも織り交ぜつつ、そんな雰囲気を出せたらと思って作り始めました。  コード進行も特別凝ったことはせず、古いスタンダード曲でよくあるもので、メロディも狙ったり驚かせようとせず、割と素直に作りました。   先に曲ができたので、曲を頭の中で流しながら、脳内A

          「Familiar」全曲解説その2

          「Familiar」全曲解説 その1

           これから「Familiar」に収録されている楽曲の、作られた経緯や見えていた風景、僕なりのメタファーの解釈を一曲ずつ解説していこうと思います。週一くらいの更新を目指します。あぁ夏休み・・。  ただあくまでも、僕と曲との関係性の話なので、これが正解、という話ではないです。聴いてくれた人それぞれの受け取り方があるし、それはその人のとても大事な感性なので、楽曲は自由に受け取ってもらえたら嬉しいです。ここでは、へぇーそんなこと考えて作ってたのね、くらいに読んでもらえたら。では一曲

          「Familiar」全曲解説 その1

          Radio Magazine #1

          購入後に全編(25:20)を視聴することができます。

          ¥200

          Radio Magazine #1

          ¥200
          Radio Magazine #1

          「view」をリリースしました。

          本日、4曲入りインスト(歌ではなく楽器のみ)ミニアルバム「view」をデジタルリリースしました。  7月上旬に、フルアルバム「the Odyssey」を発売する予定で、そちらは全曲歌が入っています。なのにどうして その前に楽器のみの曲をリリースするのか?理由はいくつかあるんですが、それは自分のギター弾きとしての立ち位置を知っておきたかったからなんです。  14歳からギターを始めて、ギタリストとして15年以上活動してきて、僕が生きる支えとして抱えてきたギターという楽器を通し

          「view」をリリースしました。

          the Odyssey その10

          2022年3月~4月  ミックスダウン、とは非常に説明しにくい作業である。  たくさんの楽器を同時に鳴らして、うるさい部分を小さくしたり、目立たせたい部分を大きくしたり、不要な部分は思い切ってカットしたりもする。この作業で曲の印象が全く変わってしまうので、取り組む前にはっきりイメージを持っておかないと、いろんな方向性を試すだけですぐにお腹いっぱいになってします。つまみ食いで満足してしまい、夕食時に食べられない状態である。ただ、世界で一番美味しいもの、それはつまみ食いであり、

          the Odyssey その10

          the Odyssey その9

          2022年3月  前作に入れた曲で、再録した曲は2曲ある。一つは前回の記事に書いたyoru(仮)で、前回一番だけで完成させていたが、歌詞の締め方に今一つ心残りがあり、今回2番を作って収録した。何ていうか、あの終わらせ方では、歌の中に生きる誰かが不満を漏らしている気がしたから。あれではあまりに寂しすぎる、暖かい希望を抱かせて終わらせてあげたかった。  もう一曲、グッド・バイ再録のきっかけはじらちゃん。前作のテーマは一人で完結、だったので、時間や予算的な都合もあり、基本的にギ

          the Odyssey その8

          2022年1月〜2月  僕の人生には、この人の言うことはとりあえず聞いておこうかなと思わせる人が何人かいる。そのうちのひとりから「一曲か二曲、牧野さんがギター弾かずに歌に専念する曲があったらええと思うわ」と言われて、そういえば人に弾いてほしい曲あるな、と思い出した。  初めまして、の気持ちでギターに触るところから始めて、雰囲気のいい和音を作ったり並べたり、曲の長さやポップスのセオリーのことはなるべく考えないようにして、ゆっくりゆっくり作った曲があって、それが半年ぐらいかけて

          the Odyssey その8

          the Odyssey その7

          2022年1月  1月20日に、ケイタロくんとあだちさんと、3人でベーシックの録音をした。起こった出来事全てを書き起こすことはできないが、この日は可能な限りそうしたいと思う。  前回の記事に書いたように年末、家族が先に地元に戻り、自宅に一人で過ごしていた時に、まだ録音スタジオの予約をしていない事に気がついた。もともとがそそっかしい性格なので、多少のうっかりは気にしなくなったのだが、この時はさすがに肝が冷えた。年始の営業開始は8日から。公共施設の音楽室なので開館日も遅い。予約は