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日本は世界最下位という現実?!退職続出の職場のエンゲージメントはどうやったら上がるのか?

年度末、あなたの周りでも優秀な従業員の退職が目立ちませんでしたか?

特に自治体周りだとここ数年、「今までにないくらい若手・中堅の退職者が増えた」という話がよく聞こえてきます。要するに体感的にも毎年状況が悪化を更新しているんですね。(私自身も衝撃的な「知人の退職」をいくつか身近で味わいました!)

実数としても明確に増加しており、最近はいよいよ報道ネタにもなるくらいに状況は深刻化しています。バブル崩壊以降の「あなたの代わりはいくらでもいる」という恐ろしい時代は終わり、高度経済成長期以来の「マジで代わりがいない」という別の意味で恐ろしいパラダイムの再来です。

こうすると「バケツの穴」を塞ぐためにも、従業員エンゲージメントの向上は必須の取り組みになってきます。とはいえ、では一体何をすればエンゲージメントは向上するんだろう・・・?

今回はそんな問いへの答えを書いてみたいと思います!


日本のエンゲージメント率は世界最下位の5%?!

エンゲージメント率の調査はいくつかありますが、その中でもよく引用されるギャラップの最新データによると、日本の従業員エンゲージメント率は5%という衝撃的な数字になっています。バッチリ世界最下位なんですね!

ただ、日本のサラリーマンで熱意にあふれて働いている人は、よくよく見渡すと確かに5%くらいな気もしなくもないです。笑

一方で世界のエンゲージメント率は(人口の多いインドがけん引していることもあって)ここ10数年で10%以上改善しており、グローバルな流れで見ても取り残されてしまっている日本の現状があります。

もはや所属組織へのロイヤリティあふれる企業戦士なぞはかなき夢であります・・・

何がエンゲージメント向上に繋がるのか?「ワーク・エンゲイジメント」の研究モデル

さてエンゲージメントについては実は使われている定義があいまいだったりもするのですが、「ワーク・エンゲイジメント -基本理論と研究のためのハンドブック」では定義や関係する概念がよくまとめられています。

まず「仕事にエンゲージメントしている状態」というのは、「活力」があり、「熱意」を持って、「没頭」している状態を意味します。(以下少し表現を噛み砕いていくので、正確なものが気になる方は原書をご覧ください)

この状態にあると、「組織との心理的なつながり」や「自発的な行動」、そして「パフォーマンス」にプラスの影響が出てくることが研究で分かっています。また同様に、「健康」や「離職率」にも好ましい影響が示唆されています。これがエンゲージメントの効果なんですね。

一方で上流からエンゲージメントにプラスの影響を与えるのは以下のようなものがあります。「やりがいのある仕事」と「リソースの提供」。そして「自己効力感」をはじめとしたポジティブな感情です。

エンゲージメントの概念まとめ図

まずはやりがいのある仕事があり、そこに必要な仕事のリソースを提供することがエンゲイジメントを向上させます。仕事のリソースには給与などの就業条件や意思決定プロセスなども含みますが、上司や同僚の支援やパフォーマンスに対するフィードバックなどの対人関係に属する要素も含みます。

またポジティブな感情の中でも、自己効力感は非常に大きなインパクトがあります。それを得るためには「自分ならこのミッションをクリアできる」という感覚を獲得することも大事ですが、ロールモデルの獲得コーチやメンターからの心理的支援も影響します。そして情緒的な動機付けも効力感に影響してきます。

こうしてみると、労働条件のようなものも大事な一方で、心理的な要素や関係性に属するものもエンゲージメント向上のためには重要であるとも捉えられますね。

実践にはクリエイティビティが必要

さてこれらを踏まえたうえでの個別具体の施策についてですが、まず「テッパン」な打ち手はない、という点があります。エンゲージメントの研究自体そこまで歴史があるわけではなく、また組織ごとの状況と文化に応じた対策が必要だからです。

その前提で敢えてアイディアを出してみると、チームビルディングやチームコーチングのアプローチは対人関係を向上させるという意味で、仕事のリソースの増加に繋がると考えられそうです。

またコーチングを外部から提供するという方法も考えられますし、上司から部下への1on1やフィードバックの手法を体系的に導入することも自己効力感の向上などを通じてエンゲージメントに寄与しそうです。

弊社では個別の状況をヒアリングしたうえで、いくつかの施策をミックスしたプログラムもご提供しています。

お試し研修も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください^^


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