ヨルダン北部の町、ウムカイスへ行ってきた①
ヨルダンの教育機関においては、今年は7月から夏休みということで、私の活動も今は毎日ではなく、週に2、3日の不定期となっている。
たくさん時間がある夏休みの間に、まだ行ったことがない色々な場所へ行ってみたい!と思っていたところ、少し前にウムカイスへ行く機会があった。
ちなみに、行ってみたシリーズ1作目はアズラックなので、よかったらこちらの記事もご覧ください。
アンマンから北へ車を走らせて約2時間。
気がつけばヨルダンの夏の気候としては珍しく、空には雲がかかっていて、車の中から見える風景にも緑が増えてきた。
Umm Qais(ウムカイス)
ウムカイスの中心には、古代ギリシャ、ローマ時代の都市遺跡がある。
キリスト教に関して詳しいことはよく分からないが、新約聖書に書かれているデカポリスの一つ、ガダラという都市があったとされている。
デカポリスというのは、現在のシリア、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン北部にあった、10のギリシア都市連合のことを指す。
この10の都市の中には、ガダラ(ウムカイス)以外にも、ゲラサ(今のジェラシュ)、フィラデルフィア(今のアンマン)も含まれている。
なるほど〜、だからジェラシュにも、アンマンにも、屋外劇場や巨大神殿などの、どこも似たような遺跡があるのか。
ここに来てやっと全ての遺跡が繋がったような気がした。
これらの都市遺跡が、約2000年前に作られたものだと知ると、想像を超えた果てしない時間の流れを感じる。
そして、この都市遺跡からは、イスラエル最大の湖であるガラリア湖や、元シリア現イスラエル占領地のゴラン高原が見える。
さぁ、ゴラン高原をご覧あれ〜(言ってみたかった、笑)
ゴラン高原の標高は約1000mで、昔から戦略的に重要な地点となっている。
前述の通り、以前はシリアの領土であったが、1967年の第3次中東戦争以後、イスラエルによって占領されている。
カメラをズームしてみると、ヨルダンとイスラエルの国境をくっきりと見ることができた。
ガイドさんが、この写真の崖部分まで連れて行ってくれるというので、すでに満席だった車に彼を無理矢理乗せて(というか進んで乗ってきた)、国境まで連れて行ってもらった。
Yarmouk River(ヤルムーク川)
この崖の手前には、ヤルムーク川という小さい川が流れていて、この川を境にして国境が定められていた。
遺跡を出てから、国境に近づくにつれて、数カ所の検問所があった。
検問所に近づくタイミングで、ガイドさんは「ノーピクチャー」と言ってきた。
検問所では、私たち全員の身分証の提示を求められた。
身分証に映った写真と、私たちの顔をしっかりと一枚ずつ確認をしている様子があり、通行人を厳重に監視している印象があった。
そして、連れて行ってもらった先は、Abu Omar Hardan Tourist Resortという場所で、ここでは地元の人たちがプールで泳いだり、シーシャを吸ったりするなど、娯楽施設として楽しまれてた。
その施設の中にある階段をひたすら降りていくと、湧き出る温泉の滝の横に、ヤルムーク川がこじんまりと流れていた。
あたりは硫黄の匂いが充満していて、独特な雰囲気だった。
写真の中央上の茶色の高原部分には、銀色のフェンスが見え、そこには防犯カメラが付けられているようだった。
こんなに細くて流れが穏やかなので、簡単に対岸に渡れてしまいそうな気がした。
しかし、渡った先はもうイスラエルだと思うと、近くて遠い対岸だった。
川で泳いでいる鴨だけは、すごく自由だと思った。
*
ここまではウムカイスに着いて、約2時間で訪れた場所。
日帰り旅行だったけど、まだまだ長くなりそうなので、ひとまずこれにて終わり。
ヨルダン北部の町、ウムカイスに行ってきた② に続きます。
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