Art×Design Lab .magellan | くらし座

くらし座は㈱magellanの体感メディア型実店舗インテリアショップです。Notoでは…

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くらし座は㈱magellanの体感メディア型実店舗インテリアショップです。Notoでは日用品から街づくりまでくらし座の目線でお話し出来ればと思っております。◇オフィシャルウェブサイト https://magellan-essence.com/

最近の記事

「愛」

「私この椅子嫌い!!」 「絶対にいやだー!!」 「なんで私の椅子なのにお母さんが決めるの!!」 「やだー!いやだー!絶対やだー!!」 大声で泣きじゃくるお子さん。 そして困り果てたお若いパパとママ。 この春、小学校に新入学のお嬢ちゃまの座姿勢が悪いので、色々調べていたらアップライトにたどり着いたとのことでした。座骨を立て姿勢を正すための背もたれの三次曲線をまずは大人であるご両親に体験してもらいながら、製品解説をしていたところ、それを察したお嬢ちゃまが全面拒否の態度表明をされ

    • 思わず苦笑い 重箱の隅にある重要な世界

      少し前のことになりますがある休日の朝、いつもよりか遅めの朝食をとりながら何気なくついてるテレビを眺めていました。出演者のつくり上げる空気感がもとても和やかで、テレビ番組をあまり見ない僕でも苦にならない。毎朝やっている番組なのでしょうね、NHKらしいというか、ガーガーうるさくない とてもいい感じの番組でした。 食事をしながらなので 番組は時々のチラ見程度でしたが、あるコーナーが始まった時、やっぱり職業柄ですかね 思わず見入ってしまいました。 それはといいますと「うちの子供が食

      • 一生ものどころか二生もの!味わい鍋

        消費者であることをやめて、愛用者になろう これは、私達が住む仙台もゆかりある工業デザイナー故 秋岡芳夫氏の言葉です。 「買わされる人間から、自ら選んで買う人間になろう。」 「はじめっから、ものを使い捨てるつもりで買っているのじゃないか。」 「良いモノを選ぶ努力もしないし、高いモノを買う気にもならないのじゃないか。」 「ものをだいじに使って暮らす愛用者ではなく、消費させることを目標に造ったものを、メーカーの筋書き通りにせっせと消費する人間に、みんながなり果てているのじゃないか

        • 価値観は人それぞれですが

          アドバースセレクションの芽を摘む ちょっと前になりますが、日本を代表するベッドメーカーのU社長が弊社に立ち寄って下さった時のお話です。 U社長とは歳は離れていますが、モノづくりや流通のあり方や自分たちの社会に対する役割など事業規模は違えど何処か近いものを感じ長いお付き合いをさせて頂いてます。 そんなU社長は仙台に来られた際、弊社へ立ち寄って下さることがよくあります。いつもニコニコ笑顔の社長ですがこの時はご様子がいつもと違うのを感じました。怒ってる? 社長の話を聞いているとそ

          「悪貨が良貨を駆逐する」はビジネスの本質なのか?

          皆様は「アカロフのレモン市場」という言葉はご存知でしょうか。これはノーベル賞受賞者である経済学者ジョージ・アカロフが1970年に経済学術誌に発表した論文です。 ここでいう「レモン」とは「中古車」のこと。 中古車は出荷直後の新車と違い、その正確な品質情報が買う側にはわかりません。たとえば外観はピカピカであっても内容の微妙な不具合であったりとか、同じ車種や経年の中古車でも一台一台の持つ本当の価値が買い手には分かりません。一方売り手側はその「本当の価値」を知っています。もちろん一部

          「悪貨が良貨を駆逐する」はビジネスの本質なのか?

          関係のデザイン

          本町商店街は今も現役バリバリの専門店街であります。其々の事業規模はけして大きくなく守備範囲も広いとは言えませんが、この部分だけは知識もサービスも自分こそ世界一!的な誇りを持った人々が商いをしている街です。 グローバリゼーションの潮流の中、今ありとあらゆる分野で均一化や集約化が進み、表層価格と利便性ばかりが優位性を決めてしまう傾向が益々強くなっていると感じます。市民にはまだ完全に物が行き渡らなかった時代は売る人も買う人もお互いに真剣でした。そこには有機的な一手間や会話が存在し

          いつも性善説にて

          キャッチ―な表現の羅列はとても疲れますね。最近の番組なんかもそうです。ここ数年見たり聴いたりする番組は某国営放送の比率が増えているよう思います。あまりガチャガチャしていませんからね。 物質社会が行き詰まった表れなのでしょうか。多くの人々に現在バイアスがかかり、売る人も買う人も本来中長期の眼差しで見たり考えたりしなくちゃいけないものまで、いたって短期的な見方に追い立てられているように思います。 日本の産業デザインに於いては1950年代で良質デザインの規範がほぼ出尽くし、デザイ

          笑顔がいっぱい

          「大変ご無沙汰してます。」わざわざ岩手県からご相談の電話を頂いたのは約25年前にご縁を頂いたお客様でした。「以前に購入した椅子の張替は出来ますか?」「はい、もちろん大丈夫です。」幸いにして過去のご購入データも残っていましたので当時のことが鮮明に思い出してきました。「実はお買い上げ頂いた椅子は今も現役で生産されておりますよ。」という私の返事にお客様は驚かれていました。 このお客様とのご縁はご結婚の時、新生活でお使いなる為というのがその始まりでした。座姿勢のレクチャーからはじま

          金色の獅子

          北欧の国フィンランド。この国には幾度となく他国に占領された不遇な歴史があります。今の国旗は白地に青の美しいスカンジナビアクロス。他国に占領されている時は十字架の中心に金の獅子が刻まれました。国土は占領されても国民のアイデンティティは決して奪われていないという意志表現だそうです。 さて島国である日本はいにしえから先進の国々の文化を受け入れ、それを運用しながら自分たちの勝手に合うようにアレンジするのが得意な国でありました。このリデザインをするという対応力ですが、歴史上度々起こる

          匿名デザインと老婆心

          世の中にはデザイナー不在のデザインというものがあります。そのような匿名のデザインのことをアノニマスデザインといいますが、例えは野球で使用するバットやグローブ、実験で使うビーカーなどが例としてよく挙げられます。私の店は皆様の暮らしのデザインに寄り添う店ですので、家具や照明以外にも日用品も多種多様取り扱っております。その中では汁椀やめし椀などその原型もやはり匿名のデザインといえるでしょう。 匿名のデザインは使い手の要望によってその形が進化すると言われています。例えばめし椀ですが、

          匿名デザインと老婆心

          ここは急がず一度深呼吸

          建売率70%の住まい「建て売り住宅を作るときに100%完成させずに70%くらいでおさえて売るのはどうか?」 これは工業デザイナー秋岡芳夫氏が著書「新和風のすすめ」の中で語った言葉です。 住まいは生活の入れ物なので、良い生活を送るにはそこで住む人に合った個性的な住まいに作り上げることが必要で、住宅を供給する側からのおしきせや、(消費者側から供給する側への丸投げ)では、住宅の画一化をまねき、そして住まい方までも画一化してしまう。それでは生活がつまらなくなる! 現在は家を「買う」

          ここは急がず一度深呼吸

          ササワシはモダンデザイン

          「大村さんのお店でササワシ製品取り扱わないんですか?」 「お店にピッタリだと思って!」 「え?ささ和紙ってなんですか??」 自然食品カフェを経営されているNさんとの会話がきっかけで、ササワシ製品を取り扱いを始めたのが20年近くも前のことでした。 Nさんの話から、早速SASAWASHIさんのウェブサイトを訪れてみると、そこにはNさんが言っていた通り良いことずくめの製品説明がありました。 現在では製品イメージにピッタリのさわやかなウェブサイトですが、当時はまだ先代の社長の時代で

          ササワシはモダンデザイン

          お直しの一コマ話

          「金継ぎお願いしたいんですけど。」 「はい。承ることできますよ。」 「いやね、高価なものではないんだけどね。急須だけどちょっとひびが入っていて、あとちょっと口がかけちゃっててね。直してもらえるかしら?」 「大丈夫ですよ。簡易金継ぎではないので少々お時間を頂くことになりますけど。」 お客様のお話では、ご自宅の棚の奥に長い間眠っていた茶器セットがあって、嫁がれたお嬢様にそれを譲ろうと箱から出してみると、急須にし小さなひびが入っていたそうです。高価なものではないけど色々と思い出の

          とっても素敵な当たり前!剣持のスツールとおばあちゃん

          まだうちの長男が小学生低学年の時ですから、震災からさかのぼっても10年くらいでしょうか、それは今から20年前くらいのことでした。長男を連れて牡鹿半島の突端にある美しい浜辺へ遠出した時のことでした。この辺は夏と言えども親潮の影響がある南三陸近くですから、仙台近郊の海から比べると海水がとても冷たく感じます。そのかわり透明度が素晴らしく牡鹿半島という素晴らしいロケーションと相まって、親子二人とても楽しい時間を過ごしました。   午後二時も過ぎると「そろそろ帰ろうか。」ということにな

          とっても素敵な当たり前!剣持のスツールとおばあちゃん

          「UPRIGHT」日本人とベビーチェアについて考える

          エポックメイキング!トリップトラップ1972年、尊敬するノルウェーのインダストリアルデザイナー、ピーター・オプスヴィックによってSTOKKE社からトリップトラップチェアがこの世に誕生しました。ご存知の方も多いと思いますが、住宅番組には常連で登場するあの椅子です! エルゴグラフィックの知識をも持つ作者は、自分の幼い息子が大人の椅子に座り脚をぶらつかせながら落ち着かない様子を目撃し、その様子を観察することからこのベビーチェアの開発が始まりました。座面と足置きの高さや奥行きを変え

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          トヨさんの椅子(大切!最終回)

          最終回は実践的活用方法あくまで日用品である「トヨさんの椅子」。製品の持つ特徴がわかったら、今度はその特長を上手に活用する方法を知ることがとても大切です! これまで三回続けて参りましたこのシリーズ。長々と書いていますが、これまでお付き合い頂きました皆様は、「トヨさんの椅子」の特徴について大体ご理解いただけたのではないでしょうか。簡単にまとめると次の通りです。 特徴のおさらい①日本の生活風土に合わせた海外にはなかった椅子であること ②和室でも使えるよう工夫されていること ③同じ

          トヨさんの椅子(大切!最終回)