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いつも性善説にて

キャッチ―な表現の羅列はとても疲れますね。最近の番組なんかもそうです。ここ数年見たり聴いたりする番組は某国営放送の比率が増えているよう思います。あまりガチャガチャしていませんからね。
物質社会が行き詰まった表れなのでしょうか。多くの人々に現在バイアスがかかり、売る人も買う人も本来中長期の眼差しで見たり考えたりしなくちゃいけないものまで、いたって短期的な見方に追い立てられているように思います。

日本の産業デザインに於いては1950年代で良質デザインの規範がほぼ出尽くし、デザインという行為がリデザインも含めスタイリング作業へと変わった分水嶺が1960年代と言われます。それから60年あまり、宣伝技術が飛躍的に発達し、メディア環境も劇的に変化する中、実に様々な手法を用いて人々の消費意欲を刺激してきました。特に現在の様なネガティブを前提に考えがちなマーケットでは、勝負を急ごうとする力学がさらに強まり、よりキャッチ―な宣伝方法が増えてしまいます。それはまるで自己主張し合う歓楽街のネオンサインのようです。

さて、ここくらし座は青葉区本町錦町公園を見下ろすビルの三階に店を構えております。オフィス用ビルの一室で入口の扉は目隠しの扉、お客様が勇気をもって扉を開けると、今度はスリッパに履き替えて頂くという(実はこれには大切な理由があるのですが)初めての方にはかなり入り難い店であります。本当にごめんなさい。

でも有難いことにこの都会の隠れ家のようなくらし座を探し出し、ご来店されるお客様はさめた目をお持ちの方が目立ちます。きっかけは様々ですが先程のキャッチ―な羅列に反旗を翻すともいうべき、自分にとって衒いのない正当な価値を探し求められている方々が来られます。
僕の名刺には「フォ インテリジェント  サイレント  マジョリティ」を横文字で記しています。「な~んだ、それさえ知っていれば。説明を受けていれば本当は~なのに。」このような自分の消費に真面目に向き合いたい潜在的な欲求は、マニアックな一部少数派のものではなく、声には出さずとも本当は多数派のはず!この消費者性善説は常にくらし座の旗印として心に掲げております。
ここは急がず深呼吸。宜しければその先にある確実な豊かさをゆっくりと探求しにいらっしゃいませんか。



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