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UXデザインは終わりの時代かも3【海外記事メモ】

本日もこちらの記事を読んでいきます。

長い記事のため3回にわけて読んできましたが、今回が最終回になります。

UXデザイナーとして仕事をする中で、プロジェクトにおけるサービス開発(発見)と、それを届ける(提供)のための部署が分断されていることに課題意識を持った著者は、UXデザイナーとしてのスキルや経験を活かしながらプロジェクト全体をマネジメントするプロジェクトマネージャーになるべきではないか、という問題提起をしていました。
そして、そういった役割はこれまで名前のなかった新たな専門家となるだろうということを述べています。

よければ(お手数ですが)本記事の前に1と2も読んでおいてもらえるとありがたいです。

相変わらず読解難易度高めの英文ですが、なるべくわかりやすい日本語文になるように省略と意訳を駆使してメモを書いてみたいと思います。
本日もよろしくお願い致します。


新しい名前の専門家

特にベテラン以上のUXやサービスデザイナーは、権限がない中でもプロジェクトをリードしていかなければならないことを理解しています。
決して社内の上層部が持つような説明責任や権限は与えられません。

ここにマネジメントとリーダーシップの大きな違いが存在します。
マネジメントは資源のコントロールを行うものである一方で、リーダーシップはそれに追従する者たちによって生まれます。
何も指示をせずとも周りの人々が行動を起こすような場合、あなたはリーダーです。ただ、もし良いマネージャーが周りに居なければ、あらゆる締切を無視してしまう可能性があるため決してマネージャーが不要なわけではありません。(特に長いプロジェクトの場合は、マネージャーがいなければより混乱が大きくなります)

成功したUXデザイナーは全員がリーダーです

大抵の場合はUXデザイナーはリーダーとして振る舞わなければなりません。
開発者であろうとプロダクトマネージャーであろうと、誰もUXデザイナーのアイディアの細部の再現まで行おうとする人はいません。
あなたは本当に実現したいUXを提供するために、メッセージやビジョンを、時には個人的に、時にはグループに向けて慎重に生み出さなくてはなりません。
サービスデザイナーの場合は基本的に組織の境界を超えて仕事をするため、これは余計に困難なものとなってしまいます。

プロダクトマネジメントにもまた新しい名前が必要

プロダクトマネジメントは実際に目にするリソースを管理しているのではありません。組織に彼ら自身の組織化の権限が与えられていない場合、動きの早い組織の管理は困難なものとなります。

ここで「プロダクトリーダー」が登場します

彼らの仕事は方向性を示すことですが、プロダクトディレクターやプロダクトリーダーというのは彼らの専門性をよく表現したものであり、近年の動きの中でこういった名前を選択する人も出てきています。


2つの職業を統合させる

チームが複雑なソフトウェア開発のようなものを実行させるときにはリーダーが必要であるし、チームを前進させるにはビジョンが必要です。しかしビジョンが今後どうなるかについては市場や人々の状況によって変わってしまうものでしょう。

リーダーシップスキルとは別に、我々は良いUXデザイナーのスキルセットを持ち合わせなくてはならないのでしょうか?
ビジョンを提示し、説明し、可視化させること、それが本当にユーザーが求めるものであることを確かめること、誰であろうとソフトウェアを設計する人が人の心に与える影響を理解しているかどうかを確かめることでしょう。
しかし実際は行動心理学や認知心理学の分野において証明されている、ターゲットユーザーに話しかけ、観察することで、市場が必要としているものを内部ではなく外部に焦点を当てながら、刻々と変化する現実生活の複雑さを乗り切るために、ビジネス ニーズに関する議論を促進することはできるでしょうか?

実際、旧来のUXデザイナーが行っていたことは、ただ競合調査をしたり(とはいえあらゆるプロジェクトの初期には必要なことですが、)関係者と話をしたりするだけでなく、本質的にプロダクトがどのような場面において利用されるのかを観察し、ニーズを汲み取り、最終制作物を作る過程でプロトタイプとテストを繰り返すことです。

私達はChipperなのでしょうか?

上の動画でMitchellとWebbが言うように、古代における工業化の役割が変化する中で、いくつかの仕事(当時は石の刃を作るChipper)が不要となりました。
私はこのことについて考えましたが、我々の中の主に分析を好むような人にとってはグラフィックデザインを学ぶ必要はないように思います。

私はUIはカタチを定義するものであって、それらが使われるためのコンテキストを生み出すものではないため、UXを定義しているとは言えません。
そしてUXの決定権は他の誰かの手の中にあり、彼らがUXの真のデザイナーなのです。

消費者やユーザーを理解することや、彼らの業務に対して少ない労力で使い勝手の良いソリューションを提供すること、業務上のエラーを減らすことは、まだソフトウェア開発の分野における重要なものであることも信じています。


感想:組織内におけるデザイナーの業務範囲と権限とのアンバランスさ

かなり自分にとっては英文の読解難易度が高く、最初は何を言いたいのかが少し理解できない部分も多かったのですが、蓋を開けてみたら非常に自分にも近い課題意識を持った筆者の訴えを知ることができました。

筆者の問題提起は大きく2つあったような気がします。

  1. 世間的にデザイナーという肩書を持つ人間は全員がビジュアル創作の技術が備わっている人物と認識されてしまっているが、UXデザインなどにおいては必須の要素ではない

  2. UXデザイナーが扱う業務範囲は多岐に渡るが、他のデザイナーと同様に捉えられているため権限が与えられていないため、求められる業務と組織内における立場のアンバランスが発生している

2に関しては、筆者はUXデザイナーの経験や知識がある人間こそが旧来のプロジェクトマネージャーに変わる新しいポジションとして、大きな決定権と権限をもとにプロジェクトを運営していくべきだ、と述べています。
そのためUXデザイナーはビジュアル面のデザインスキルを高めるよりも、マネジメントやリーダーシップなどの素養を身につける必要があると述べています。

恐らく先進的な考えの企業ほどこのような意識を強く持っているような気がしており、(まさしくこのnoteもそうですが)組織内の取締役レベルのポジションにUXデザイナーを置くこともあります。

ただ、筆者が訴えているものはもう少し細かい組織内のチーム単位での議論でもあって、もっとUXデザイナーの中で組織内のリーダーポジションを目指す人間が現れてほしいという訴えにも思えました。

また、1の問題提起も非常に自分自身も感じている部分で、幸い自分はビジュアルデザインに対する抵抗感はそこまでなく仕事はできている(と思っている)のですが、やはり組織内で「デザイナー」というと単に「ビジュアルを作ってくれる人」という認識が強く、プロジェクトのリリース前や仕様や要件をガチガチに固めた状態で「これちょっとデザイン良くしてくれませんかね?」みたいな感じの表層的な部分のお化粧直しの依頼が来ることがあるあるだったりします。
それもデザイナーが「ビジュアルの中での課題を見つけてそれらを適切に処理できる人」という範囲での認識が根付いているからなのですが、本来のデザイナーの仕事は例えばこのサービスの目的は何なのか、どんな人の目に触れるのか、どういうビジョンを描いているのか、、などもっと対象に対して深く理解した上で様々な解決策の中から適切なものを選んで対処する必要があります。

このあたりのギャップを埋めるために最近社内でデザインの勉強会と称した啓蒙活動を行っていたりするのですが、このあたりの隔たりはなかなか大きそうで地道に訴え続ける必要があるなぁと感じていたりしました。


個人的に気になった海外記事を週数本メモしていますので、よければフォローおねがいします

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