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【BL二次小説】 野獣先輩@箱学①終


 ── END ──


新「……」
黒「……」
真「……」



パコッ!

黒田は立ち上がって真波の頭をはたいた。


黒「出てねーじゃねーか!」

新「どこに靖友が出演してんだよ!」

真「出てたじゃないですかー!」


部室の隅で覗き込んでいたDVDプレイヤーから頭を上げる変態トリオ。


3人が観ていたのは『ド淫夢な夜』というホモAVだった。


真波が「これ荒北さんが出てますよー」と言って持って来たので、期待して鑑賞したのだ。


真「“野獣先輩”ってのがそうです」

新「呼び名だけじゃねぇか。てっきり靖友に似てる男優かと思ったのに」

黒「荒北さんとは似ても似つかないゴツゴツの野郎じゃねーか。萎えたぜクソ!」

新「普通のホモAVだったな。可もなく不可もなく」

真「今話題なんですけどねー」


みんな期待外れでガッカリしている。



ガラッ!

そこへ、練習を終えた荒北が入ってきた。


荒「ぬわああァァァン疲れたもおおおォォォォン!!」


新「!」
黒「!」
真「!」


驚く変態トリオ。


真「野獣先輩……!」

黒「野獣先輩だ……!」

新「野獣……!」


全くの偶然なのだが、荒北の発した言葉がさっき観たばかりの野獣先輩のセリフと同じだった。


荒「辞めたくなるぜェ……部活ゥ」


ヘトヘトの荒北がタオルで汗を拭きながらベンチにドサッと座る。


今言ったセリフも、さっき観たAVに出てきた。


真「野獣先輩だ!」

黒「ああ!野獣先輩だ!」


新「靖友!」

ダダッ!

スザーーッ!


新開は荒北に駆け寄り、足元に滑り込んだ。


荒「ナニやってんのオメ」

新「踏んでくれ!オレの背中に足を置いてくれ!」

荒「ハ?」


新開はさっき観たAVの一場面を再現してもらいたがっている。


黒「ずるいスよ新開さん!オレも!」

黒田も慌てて荒北の足元に寝そべる。

黒「オレも踏んで下さい荒北さん!オナシャス!何でもしますから!」



荒「なんかの遊びィ?」


荒北は訳がわからないが、とりあえず言われた通り二人の背中に1本ずつ足を置いた。


新「ああっ!靖友!いい!」

黒「あう!野獣先輩っ!」

歓喜の声をあげる二人。


荒「なんだか知らねェが気分イイなコレ。オラオラ」


荒北は二人の背中をグリグリと踏み潰す。


新「ああーーっ!」

黒「さ、最高ス!」



そこへ真波が紙切れを持って来る。


真「野獣先輩!その状態でこのセリフ読んで下さい!」


紙を受け取る荒北。


荒「なんだ野獣先輩て。口からヨダレ垂れてんぞ真波。……どれどれ?」


書いてあるセリフを読み上げる。


荒「『ケツ舐められたことあんのかヨ誰かによォ』……なんだコレ」


新「あーーーーっ!」

黒「ブシューーッ!」

そのセリフを聞いて新開は悶絶し、黒田は鼻血をぶちまけて気絶した。



ガラッ!

東「誰だ神聖な部室でホモAVなど流しっぱにしている者はー!!没収だー!!」

真「オレのですー!返して下さーい!」

東「また貴様か真波ーっ!!」



箱学の野獣先輩は、今日もみんなのアイドルである。



おしまい



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