捉えるだけで終わりじゃない!インサイトをより良いアイデアにする方法
売れる製品・サービスを生み出すために重要となる生活者の「インサイト」。“良いインサイト”を捉えたその次のステップとして、インサイトを活かしたプロダクトアイデアやコミュニケーションアイデアの検討に進む方が多いと思います。しかし、良いアイデアが思い浮かばない・・・といった経験はありませんか。インサイトをアイデアにつなげるためのポイントについてマーケティングリサーチャーの鹿島が解説していきます!
アイデアがひらめかない・・・それはまだインサイトを捉えきれていないのかも
“良いインサイト”を捉えたという実感があるにもかかわらず、その次のプロダクトやコミュニケーションのアイデアが思い浮かばないのはなぜでしょうか。それは、インサイトを捉えた“けど”アイデアが浮かばないのではなく、まだインサイトを捉えられていない“から”アイデアが浮かばないことが多いです。
第1話でもお伝えした通り、インサイトの定義は企業・人によってさまざまですが、“生活者の意識や行動を変える気づきを与えてくれるもの”という点は共通要素です。そのため、言い換えると、生活者の意識や行動を変えるために必要な商品・サービス・コミュニケーションアイデアがひらめかないようであれば、インサイトではない可能性が高いということです。
“インサイトもどき”に振り回されないためのポイント
では、“インサイトもどき”に振り回される事態を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。ポイントは2つあります。
1つ目は、“何のためのインサイトを捉えたいのか”を事前に言語化しておくことです。
例えば上記を言語化し、意識しながらインサイト抽出に取り組みます。そうすると、生活者の意識や行動の変え方・変えるポイントに気づきやすくなり、必要な製品・サービスアイデア、コミュニケーションアイデアもひらめくようになるはずです。
例えば、コンパクトさと軽さが求められているベビーカー市場において、大きくて重たい自社製品の方が「欲しい」と思ってもらえる(意識変容)ための気付きを得たい、といったように「何のためのインサイトを捉えたいのか」が具体的に言語化できているとインサイトを捉えやすくなります。
2つ目は、アイデアがひらめかないインサイトに固執しないことです。
インサイトは皆様のビジネスを成長させるための手段の1つです。手段にこだわるあまり、目的の達成から遠ざかることのないように、「インサイトを捉え直してみる」「全く別のインサイトを捉えにいく」ことをしてみましょう。
ひらめいたアイデアをより良いアイデアにするための方法
では、生活者インサイトを捉えると同時にひらめいたアイデアが、プロダクトアイデア、コミュニケーションアイデアとして優れているのでしょうか。結論からお伝えすると「No」です。
一般的に、アイデアを創造する際は、質ではなく量に焦点を合わせることが重要と言われていますが、それは多くのアイデアを出す中で良いアイデアが生まれると考えられているからです。そのため、アイデアがひらめくような良いインサイトを捉えたと思ったら、アイデアの発散機会を持つことをお勧めしています。アイデアの発散と言われても簡単なことではありませんが、100点満点のアイデアを最初から出そうとせず、まずは以下のような手順で、思いついたものを言葉に出してみるところからスタートしましょう。
これらのインサイト抽出やアイデアを検討・発散において、もし自身で取り組むには少しハードルが高そうだと思われた方のために、弊社独自のサポートツールがあります。ご興味のある方はこちらまでご相談ください。
5回の連載を最後までお読みいただきありがとうございました。
私自身も連載を通して、インサイトの奥深さや重要さ、そして面白さを改めて感じました。
生活者のインサイトを捉えることは決して簡単なことではありませんが、記事をお読みいただいた皆様が新たな視点で生活者と向き合い、より良い製品やサービスを生み出すきっかけとなれば幸いです。
この記事を書いた人