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多様な人が安心して力を発揮できるチームであるために

多様な人が集まり、共に活動する上で、それぞれが安心して自分たちが持てる力を最大限発揮するために、「ダイバーシティ&インクルージョン(以後、D&I)」を理解し実践することはとても大切です。

特に、似たような属性や経験、スキルの人が集まると「共通言語」が生まれることから意思決定やコミュニケーションが素早くできるという良い側面がある一方、個々の違いや違和感に気づきにくかったり、多角的な視点が見落とされることも。

そこで、D&Iを理解し、自分たちの現状把握や自己評価、さらには今後どのようなアクションをとっていくのかといった対話をチームでより深めていく補助ができるように、社会課題解決に特化した企画やPRを5年間取り組んできたmorning after cutting my hairが多様な研修に携わってきた知見を活かし、D&Iについて考えるためのフレームワークを作成しました。

また、本noteでは、実際にこのフレームワークを活用して組織のD&I推進とValue構築に向けた研修とワークを行っていただいたGreen Innovator Academy事務局の事例と共に、スタッフのみなさんのコメントも一部匿名で抜粋し記載しています。


私たちは、どこを捉え、どこまで責任を持ち包括していくのか

D&Iフレームワークの一部

人間を中心とした「Human diversity」で捉えるだけでなく、動植物や地球環境全体をも包括した「Bio diversity」や、環境と人間の関係性として「複数種/Multi Spicies」といった捉え方もあるように、人間は一つの種であり、多様な生きとし生けるものとの関係性の中に存在するという考え方があります。

地球全体の多様な存在を抜きにして、いきなり人間を中心とした「多様性」を捉えてしまうのではなく、私たちのD&I研修では「私たちは、どこを捉え、どこまで責任を持ち包括していくのか」といった大前提の議論から始めるようにしています。

参加された方の感想(抜粋)

人間はたった一種という存在であるが地球環境へ及ぼす影響大きいような気がした(どう数的に表すのだろう)

数ある種の中で、「知能」「感情」「理性」を発達させた「人」には役割があるのだろうか。「子孫繁栄」以外の「社会活動」意義とは

「どこまでを責任を持ち包括していくのか」という問いは本当に難しい。どこまでを好ましい・保存すべきと考え、介入を図るのか決定しても、詰まるところ人類のエゴでしかなく、答えがない。

多様な存在、多様な受け手を想像する

ワークショップのスライド

自分たちの捉える範囲や、どこに責任を持ち、現状はどうなっているのかを捉えた後、まずはケーススタディで擬似体験をしていただきました。組織やコミュニティの中で特に起きやすいケースをもとに議論して、多様な存在、多様な受け手がいることを理解することからD&Iへの理解が始まります。

もちろんここには正解はなく、答え合わせをすることはできませんが、「理解し切ることはできないかもしれないけれど、理解しようとする」ことへの挑戦をしていただきます。

今回は、

  • 立場としての強者による言動

  • パワーハラスメントへの対処

  • 多様な受け手の存在の理解

  • 属性へのバイアス

など、何かしらの組織やチーム、コミュニティを運営する人たちで起きうるケースをもとに、各チームで議論をし、全体で共有する時間を設けました。

そもそもD&Iとは何か、なぜ気をつけないといけないのか

参加されたGreen Innovator Academy事務局のみなさん

投資家対策であったり、法的に定められたことであるなど、近年サステナビリティやD&Iについて実践をされる企業や人が増えてきています。しかし、その多くは未だトップダウン的な指示のもとであったり、そのKPIを達成するためだけの存在であったり、「意味合いを理解せず表層的な施策に終始する」ということも多発しています。

特に、そのような対策や施策は、目的に反して無邪気に悪意なく人を傷つけてしまったり、課題の再生産をしてしまうなど、悲しい結末を引き起こしかねません。

D&Iよりも少し身近に捉えやすい「ハラスメント」のケースを出発点に、ハラスメントとD&Iがどのように繋がるのか、どのような言動が「ハラスメント」とされるのか、D&Iとは何なのかを理解し、特権者層がより理解することがとても重要である理由、インターセクショナリティについて、D&Iがどうしてチームに必要なのか、どう利益に繋げるのかなど、今回は基礎知識を中心に共有していきました。

その上で参加者のみなさんには、フレームワークの穴埋めと共に、組織の現状のD&Iへの評価、今後に活かせそうなこと、チャレンジしていくべきことなどを議論してもらいました。

以下、ワークを経ての参加者のみなさんからの感想です

ダイバーシティ&インクルージョンが組織を強くするということについて、個々が安心して強みを発揮できる環境という言葉に置き換えることでmake senseすることができた。

相手のことを100%理解するのではなくても分かろうとする姿勢をこれからも大切にしたいです。

相手の捉え方を意識して話すことの重要性を感じる一方で、昔相手の捉え方を意識しすぎて何も話せくなった時期があったので、少しバランスが難しいなとも思いました。
そのバランスを意識するためにも、相手と信頼関係を築くことであったり、知識をつけることであったり、準備してから本題に臨むことが大切なのかなと考えました。

未来を見ることはできない、けれどつくることはできる

今回、Green Innovator Academyの運営を手がける事務局のみなさんにフレームを活用しながらD&I研修をさせていただきました。

業界・分野・世代を超えた協働で未来をつくるイノベーションを生み脱炭素社会を実現すると旗を掲げ、「経済と環境の好循環を生むイノベーターを2030年までに1,000人育成すること」を掲げる彼らが、より多様な人が関わるコミュニティを形成していくこと、そしてセクターを越えた協働を実現するにおいて多様な存在と多様な受け手がいることを理解して挑戦されていくことに心から期待をしています。

「未来を見ることはできない、けれどつくることはできる」

Green Innovator Academyのwebサイトから


私たちは、多様な人や地球環境が共に考慮されて、生きやすい社会をまだみたことはありません。

しかし、それぞれが自分たちの力を最大限発揮し、行動に移すことで、つくることはできるはずだと信じています。


募集:研修実施企業・団体様募集中

現在、上記ワークショップの実施のご依頼を受け付けております。

企業・団体様の目的や用途によって、参加者で熟議するためのディスカッションテーマや提供資料をカスタマイズしていくことなども可能です。ご関心のある企業・団体様がいらっしゃいましたら、当サイトCONTACTページもしくは下記メールアドレスよりお問合せください。

/// お問合せ
ホームページからのお問い合わせはこちら
メールでのお問い合わせ:info@macmh-inc.com


Special Thanks

Produce:morning after cutting my hair,Inc.
Plan:SOLIT,Inc.
Edit & Design:中塚 大貴

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SDGsへの向き合い方

Consulting for Social challenges with Love. based in TOKYO & SHIGA, JAPAN. ///// 世の中にある「課題」に挑む人たちの想いを伝え、感動と共感の力で、『人の心が動き続ける社会』をつくる。