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≪永久保存版≫テーマ作文&課題作文の書き方(小学生・中学生・高校生)

書き方が分からないというお悩みが多いのは、テーマ型の作文や、課題について書くコンクール系の作文です。普段の行事作文や日記は任せて♪ 読書感想文は得意♪ というような、書くのが好きな部類の生徒さんも、ちょっと苦戦するテーマ作文&課題作文。

だいじょうぶ(*^-^*)
何をどの順番で書くかが分かれば、書き上げられます♡

中学生・高校生と取り組むことが多かったのですが、ここ数年は小学生でも「夏休みの宿題」として相談に来られるようになりました。作品募集の対象年齢が下がった(広げられた)ようです。もしくは、作文の宿題を必須じゃなくて任意にする学校も増えてきたので、こんなのありますよーって募集一覧に載せやすくなったのかもしれませんね。

まちか先生は作文教室を12年続けていて、これまでテーマ作文&課題作文用の教材は中学生・高校生が使っていました。小学生にも使えるようにしたいなって思って、今年の夏、改訂しました!

この記事と合わせて使ってもらえる教材プリント↑です。作文の下準備&下書きにとっても便利なので、お持ちの方は手元に置いてこの記事を読んでくださいね。もちろん、教材プリントがなくても、この記事を参考にすれば書けるので大丈夫だよ。

さあ、ここから本題です。
①~⑩の各項目ごとに1枚の紙に書くのが秘訣♪
みんながんばろーね!

≪準備するもの≫

教材プリントセット(10枚)
 もしくはA4のコピー用紙10枚
筆記用具(鉛筆と消しゴム)
テーマに関する資料や参考図書(必要なら)


①テーマの意図を考えてみよう

 テーマがあるタイプの作文の場合、その”出題意図”を知る必要があります。ちょっとわかりにくいかもしれないので、実際の例を見てみましょうね。

法務省WEBサイト内にある「社会を明るくする運動」の説明ページです。

 法務省が進める“社会を明るくする運動”は、すべての人が、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの立ち直りについて考え、それぞれの立場で力を合わせて、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を作るための全国的な運動です。
 この運動の中でも、「“社会を明るくする運動”作文コンテスト」は、全国の小・中学生のみなさんに、日頃の家庭生活や学校生活の中で体験したことをもとに、犯罪や非行のない地域社会づくりなどについて、考えたことや感じたことを作文にすることで、この運動が目指すことを分かってもらうことを目的とし、第43回運動(平成5年)から毎年行っているものです。

法務省「社会を明るくする運動」作文コンテスト

もう、ぜんぶ説明してありますね。ただあまりにもワードが概念的すぎて、小中学生には捉えどころがないっていうのが、難しいところです……うーん、これはどちらかというと指導者向けの文面なんですよね。「明るい社会」というのがそもそもふんわりしてるから。さあ、どうしましょう。

小学生・中学生が、どうしたら自分事として考えることができるんだろう?大人が説明に説明を重ねても、「ふーんそっかーーー」って反応だったりします。そういうときは、話してみるのがいちばん。「聞く」側から、考えて「話す」側に切り替わるからです。

これは、どんなテーマにも応用可能です。可能というより、大切な過程です。「テーマは何かな?」「どういう意図があると思う?」子どもと一緒に話してみませんか。

まちか先生が、作文を「書く」時間より、もっとうんと時間をかけた方がいいと思うのは、こうやってお話する時間です。この過程をすっ飛ばしてとりあえず何か書こうとしても、思うように筆は進まないのです……。

わたしはライターの仕事もしていますが、仕事原稿でも同じだなって思います。時間をかけて下調べをして、テーマを理解した上で構成を作る。そうするといざ書き始めたあとは驚くほどスムーズに書き進められるんですよ。

②テーマに関する、世界・日本・地域の課題をあげる

テーマにはいろいろありますよね。身近なものから大きなものまで。テーマは概念だったりするので、ざっくりしたままだと扱いづらいです。そのテーマに関わる、具体的な課題には何があるかなと考えてみましょう。

「このテーマに関することで、世の中にはどんな問題あるかな?」子どもに話しかけてみます。社会問題というと難しく感じるかもしれませんが、大人も一緒に考えてみるって姿勢は、子どもにとっては心強いもの。なかには正解を知りたいって感じに答えを急ぐ子もいるかもしれません。そんなときは「まだ考えている途中だから待ってー」「もう少し詳しく知りたいんだ」「気になるから、調べてみない?」などなど、待ったをかけることも、時には必要じゃないかなって思います。

調べるというとネット検索で済ませがちな現代。ニュースを追ってみたり、文献を当たってみたり、というアクションも一緒に取り組めたら素敵だなって思います。

③テーマを聞いて思い出した自分の体験談を書こう

自分以外の誰かと会話したり、テーマに関する世の中の動きを把握できたら、次に考えたいのは自分との関わりです。これまで自分が見聞きしてきたこと、自分が体験した出来事などを書きましょう。

作文を書く際に、この項目が土台となるから頑張って!

おうちの方がサポートする場合、子どもがこれまで体験したことを思い出せるように声かけしてあげてほしいなと思います。楽しかった思い出を書く作文とは異なり、こういったテーマ型や課題型では、時につらかった体験を含めて述べることになったりします。口ごもったり、じっと考え込んだり、書くのを迷ったり、そんなそぶりを見せる子もいます。固まっているときに「ほら早く書いて」と急かすと、余計に書けなくなってしまうもの。じっくり時間をかけてもらいたいです。

大人は、基本的には聞く側となりますが、同じテーマでご自身が思い出した体験談があれば、さりげなく「そういえば、私もこれで思い出したことがあるんだけど、」と打ち明けてみるのも1つの手です。

④自分の意見を考えてみよう。誰に向けて主張する?

自分の体験談から導き出した意見を書いていく項目です。テーマについての自分の立ち位置を明確にします。体験談を思い出した後なので、意見も出やすくなってるはず。

③が土台になると言ったのは、このためです。作文では自分の意見を書いていきますが、そう主張するに至った背景が書かれていると、スムーズに読み手に受け入れられます。「~だから」「~なので」と繰り返さなくても、しっかり伝わっていく。文章がつっかかりなく(こじつけ感なく)流れていくわけですね。

中学生以上であれば、自分は一体、誰に向けてこれを主張しているんだろう?と意識してみてほしいなと思います。自分の意見をまとめるとき、奥行きがうまれますよ。

⑤違う意見、異なる立場を想像してみよう

自分の意見を書いた後は、違う意見、異なる立場についても考えてみる必要があります。意見を言いっぱなしにしないって、とっても大切なこと。

「きっと世の中にはいろんな意見があるんだろうな……」そんなふうに思いめぐらせてみましょう。立場が違えば意見も変わってくる。大人にとっては当たり前のように思えることかもしれませんが、”自分だけが正しい”と思いこまずに広い視野を持つトレーニングって大切ですよね。テーマ作文や課題作文が、そのきっかけになったらすてき。

むしろそのきっかけ作りとして作文コンクールが存在してる説ある。

おうちの方向けのアドバイスになりますが、子どもが違う意見や異なる立場をなかなか思い描けない場合、「こういう意見を聞いたことあるよ」って助け舟を出してあげるのもありだと思います。試してみてくださいね。

⑥反対意見の人からは何て言われそう?

今度は、反対意見です。

⑤の”違う意見”と微妙にニュアンスが違います。そこを意識してもらいたくて、まちか先生は項目を分けてます。

「自分の意見に反対する人って何て言ってくるかなー?」「こんなこと言われそう」カジュアルに想像してみるよ。あまり深刻に考えなくてもだいじょうぶです。実際に反対されたことがある人はそれを書いちゃいましょうね。

反対意見について考えることで、もしかしたら自分の意見の脆さや、不完全な論理に気付くことができるかもしれません。完璧な人がいないように完璧な意見もありません。そう思うと少し気が楽になりませんか?

んん?反対意見が許せないって? うん、そういうこともあるよね。じゃあなぜその人は反対してくるんだろう、こっちの意見を否定してくるんだろう。そんなふうに考えてみましょうか。

あっ。反対されたから嫌なんじゃなくて、全否定されたからムカついた、ってこと? あああああ、そうだね、わかる。でもね、大人たちが作ってるこの世界も大半はそんな感じなんです。ようこそ。(突然のダークサイドまちか先生)

⑦相手に思いっきり反論してみよう!

いよいよ意見作文は佳境に入ってきました。

ここでは、⑥で思い浮かべた”反対意見”について、自分なりに反論してみましょう。架空の反対意見に反論!?ってびっくりしたかもしれないけれど、これってとっても大事なことなの。

自分の意見は一方的なものではありません、という厚みが出るからです。

「……という考え方もあるかもしれませんが」「……という意見もあるようですが、それについては」というふうに、”反対意見”という言葉を使わなくても”反論”することはできます。議論というのはケンカではないんです。よりよい考えを導き出すための対話なんだなって思ってもらえたら、この項目も書きやすくなると思います。頑張ってね。

⑧両方の意見を取り入れた上で解決するには? 

次にやりたいことは、自分の意見と相手の意見をまとめるという工程。相手なんていないよね?ただの想像だったよね?ってつっこみ、あると思います。それに、作文のなかで何やってるの?と不思議に思う子もけっこう多いみたい。でもこれは、頭の中のひとり遊びとかじゃなくて、”現実的に折り合いをつける”という大事な着眼点なのです。

ちょっと難しい言葉だと、改善策とか妥協案とかって言われたりするよ。

さあ、書いてみよう。自分と同じ意見の人だけじゃなく、反対意見を持つ人とも共存できる方法はないかな。考えるって大事。

作文の段落構成っていう意味でお話するなら、ここがあることで、あなたがさっき書いた自分の意見がさらに深まります。自分の意見が通らないなんてやだやだやだーーってただ駄々をこねてるわけじゃなくて、お互いに譲れないものもありますが手を取り合い、こうやって世の中をより良く変えていきませんかっていう、大人的な態度を示すことができるわけです。

(世の大人たちが皆おしなべて大人的かというと……子ども達からすると疑問かもしれませんが)(それに気付くのもまた意見作文を書く意味のひとつ)(再びダークサイドまちか先生)

⑨ 今後の展望、未来への希望や不安を書き出してみよう

作文もまとめにさしかかりました!

テーマや課題についての現状を知り、自分の意見にとらわれず広い視野で問題を見てきました。その上で、今後どうなるかな?について書いておきたいと思います。

予測を立てる、というほどの確かさでなくてもいいと思います(できたらすごい!と思うけど)。気楽に、気楽にねっ。

小学生なら、こんなふうになったらいいなってイメージを書いてみたらどうかな。中学生高校生なら、未来への希望にプラスして「こういう懸念がある」ってふうに、残されている課題を付け足すとかっこいいと思うな!

こんなふうに、今回の作文に全力で取り組んだ結果、こういうふうに考えるようになりましたと書いておくことに、とても意味があるんだよ。文章を集約していく(着地に向けてまとめる)と、すっきりと書き終わることができるの。

⑩このテーマに取り組んでみた感想をひとこと!

これがラスト!あとちょっとがんばろー!

最初の方で、作文の課題としてこのテーマが選ばれた理由&課そうとした理由を意識してねって話したよね。それは「このことについて考えてほしい」「このことについてもっと知ってほしい」という主催者&出題者の意図を考えてみようねってことだったんだ。

みんなは作文を書くためにがんばってこのテーマに取り組んでみたわけ。

ならば最後にこのテーマを考える前の自分と、考えてみたあとの今の自分の変化を書き残しておいてほしいんだ。実はそれが、主催者や出題者が知りたいことだったりするからね。変化っていうとむずかしいかな。みんなになじみのある言葉だとBEFORE→AFTERとか?

「○○についてもっと考えてみようと思いました」「次は△△について調べてみるつもりです」というような、次に何をやるか系で締めるもオッケー。

「この問題を通して、×××だった私は~~~と思うようになりました」「○○について知らなかったことを悔しく思います。今日からは……」というような、自分がどう変わったかガッツリ書くとぴりりと引き締まったまとめになるよ。

自分に無理なく、これが今の自分って思える〆の一文を考えてみてね!

段落構成について

このプリントがすごいのは、プリントのナンバリング(①~⑩)通りに作文用紙に書いていけば、そのまま段落構成になるところ♡ 

学年・年齢によって、どれくらい掘り下げられるか(考える力)も違いますし、書かなくちゃいけない文字数も違いますよね。目安をあげておくので、参考にしてくださいね。プリント1枚あたり200字前後を想定しています。

<小学生/低学年>
③④⑨が書けたらもう、すごい!拍手!!!
余力があれば、①⑩を足すと完成度が上がるよ。
これでだいたい800字くらいになります。

<小学生/高学年>
①③④⑨⑩を頑張ってみよう!
②を書けたら、一気に大人っぽくなるよ!
追加するなら、⑤⑧はセットで考えてみてね。
これでだいたい1200字くらいになります。

<中学生&高校生>
基本的には①~⑩ぜんぶ!
必要とされる文字数も2000字くらいになり、かなりボリュームがあると思います。でも、この10項目をガイドラインに自分の考えを組み立てていけば、「1段落200字前後で埋めていけば終わるな~」って感じに見通しが立つので気が楽になると思いません? それも、この書き方のメリットだったりします。

※小論文はおさえておきたい型が確立されているので、そっちを学びましょう♡

このあとは、番号順に作文用紙に書いていきます。ポイントは、プリントが切り替わるごとに段落を変えること。これなら、段落をどうするか迷う子にも分かりやすいと思うから試してみてね。話題が変わるってことだから、プリントごとに段落を変えると、すっごく読みやすい作文になりますよ。

作文用紙に書きながら、プリントに書いてないことも書きたくなっちゃうかもしれない、それってあるある。そのときはどんどん書いてみてほしいんだ。書きたいことがあふれるって、とってもすごいことだから。

文字数制限(上限)があるときは、一旦最後まで書き切ってから、どこを削ろうか考えるとスムーズだよ!作文用紙からはみ出しちゃうかもって遠慮しながら書くと、焦って書いたような作文になっちゃうから。不思議だよね……。だから、おすすめは思いきってぜんぶ書いてから削る!ね。

まちか先生からのメッセージ

まちか先生の作文教室で一緒に書く場合は、プリントの段階で「あとこれくらいここに書き足すといいよ」って、必要な文字数に合わせたアドバイスができるんだけど……。noteは誌面(モニター上?)でしか伝えられなくてごめんね。質問があればコメントしてね!

この教材プリント、もしくは魔法の質問10個を書いた紙があれば、テーマ作文・課題作文だってスラスラ書けるようになるよ。この書き方に慣れたら、どんな話題を振られてもだいじょうぶ!身近な課題でも時事問題でも。きっとこれは、みんなにとって、一生使えるスキルになります。

みんながんばろーね!

▼読書感想文の書き方の記事もあります▼

▼思い出作文・行事作文の書き方の記事もあります▼


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まちか先生|作文講師・ライター
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