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トロント(Rotman)で出会ったメンター

これまでトロント大学Rotman MBAの授業やBusiness Design Clubなどについてお話をしてきました。

今回は少し毛色が異なりますが、
在学中、非常に為になったメンタリングについて書いていきます!


背景

私はRotman入学時、Business Design Initiative Fellowshipに選ばれ、その一環として在学期間中、メンターが付くことになりました。

メンターはAlex Ryan
彼はオーストラリア出身で、MaRSというトロントにある北米最大のアクセラレーターで、シニアヴァイスプレジデントとして働いています。
2020年の12月から3ヶ月毎に1時間のセッションがあり、合計6回のメンタリングを受けました。

右がAlex。この写真を見て分かる通り彼はとてもいい人でした。
写真からも人柄の良さが滲み出ています。。。!


私はこれまで、キチンとしたメンタリングを受けたことがなかったので始まる前は、

「どんなことを話せばいいのか?」

と不安でしたが、彼とのセッションはこれからのキャリアを考えていく上で、とてもに参考になりました。

計6回のセッションを通じたKey Takeawaysを3点、紹介していきます。


戦略的なキャリア形成

日系企業に勤める多くの人は、キャリア形成について考える機会が少ないだろうと感じます(おそらくですが)。
これは終身雇用で転職が少ないこと、メンバーシップ型採用といった日本企業特有の雇用・採用形態、働き方が影響しているのだと思います。

正直なところ、私自身も大学院(MBA・デザインスクール)受験を考えるまで、キャリア形成についてあまり深く考えることはありませんでした。

対照的に北米では、自分自身でキャリアを戦略的に築いていく人が多いように感じますし、転職することも一般的です。

マーケティングの授業で外部講師として話をしてくれたトロントのクリエイティブエージェンシーのCEOは、

「役職・給料を上げるために2年ごとに転職を意図的に行なっていた」
と語っていました。

このようなこともあり、戦略的なキャリア形成についてメンタリングを受けることに決めました。

メンタリングセッションでは、

  • これまでの職務経験でどういったことにやりがいを感じていたのか

  • 大学院でどういった授業が面白かったのか・どう興味が変わったのか

  • 将来(短期・中長期)どう働いていたいのか

等々、さまざまな質問を受けました。

また、Alexからも、なぜMaRS・トロントで働いているのか、これまでどのようにキャリアを形成をしてきたのか、などの話を伺うことにより、新たな視点・気づきを得ました。

彼からアドバイスを受けた、戦略的なキャリア形成を考える上での大まかなステップは、

  1. 自身のIKIGAI*を見つける

  2. IKIGAI*に合致するようなJob Descriptionを探す

  3. Job Descriptionと今の自分自身とのフィット・差分を確認する

  4. 不足部分の経験や知識を身につけるための方法を考える

  5. 実行する

特に上記の中でも1については、自分だけで考えるよりも彼のような壁打ち相手(メンター)を見つけ、話しながら考えることが有効だと感じました。視野が広がります!
実際のセッションでは、私が作成したIKIGAIの図をベースに対話を繰り返し、それぞれのステップについて話し合いました。

*IKIGAI


パーソナルブランディング

一点目の戦略的なキャリア形成とパーソナルブランディング(「タグづけ」)は密接に結びついています。

最近日本においても、働き方が北米のようなメンバーシップ型からジョブ型にシフトしていく動きが見られます。
このシフトに対応し、戦略的にキャリアを形成していくためには、各個人は自分自身に「タグづけ」していく必要があると考えています。

「タグづけ」することでどういったジョブが自分に適しているのか、また、就きたいジョブを得るにはどういった「タグ」が必要なのかが明確になります。


欧米では主にLinkedInやMedium、Twitterを使ってプロフェッショナルな情報発信を行ったり、ネットワーキングをしたりすることで、
自分自身に「タグ」をつけ、パーソナルブランディングを行なっている人が多いようです。

日本だとTwitter、Facebook、noteあたりを使う人が多いでしょうか。(個人的には、日本でもLinkedInがもっと使われるとよいと思うのですが。。。)

メンタリングセッションで対話をした、パーソナルブランディングを行なっていく上での大まかなステップは下記の通りです。

  1. 自身の強み・弱みを明確化する

  2. 「タグ」を定める

  3. 「タグ」に基づき、ソーシャルメディアなどで情報発信する

  4. 情報発信の結果得られるデータを分析する

  5. 改善を繰り返す

1については、身近な人にインタビューをすることも重要で、自分自身では気づけない強みや弱みを知ることができます。私の場合は、職場の上司や同僚からコメントをもらいました。
2の「タグ」は、他の人から認知してもらいたい「タグ」を指します。
私たちは、作成したIKIGAIの図を参考にしながら、どういった「タグづけ」をすべきか、どういった情報発信をしていくかを話しました。


広範な知識

(直接的なTakeawayでは無いかもしれませんが、)Alexの持つ広範な知識に感銘を受けました。。。!
今後、コンサルタントとして働いていく身(予定)として、絶えず知識をアップデートし、幅を広げていかなくては!と思いを新たにしました。

というのも、上記で述べたようなキャリア形成やパーソナルブランディングに関する話題だけでなく、
伝統的な企業の企業文化・風土を変革するためのアプローチ、良いワークショップのファシリテーターになるためのコツ、
さらには、ユルゲン・ハバーマスやカール・ポパーのような哲学者の話まで出てきたためです。
(宗教学専攻の血が騒ぎました。笑)


さいごに

最後のメンタリングセッションでAlexに、

「メンターってどうやって探せばいいの?」
と質問をしたところ、このような回答をもらいました。

メンターとのフィーリングが合うかがとても大事だから、いろんな人と話しした方がいいよ。一緒にコーヒーを飲みに行くのもいいし、ご飯を食べに行くのもあり。もしフィーリングが合えば、メンターになってもらえるかお願いをするんだ。
それにメンターは一人に限る必要は無いと思っていて、僕自身も何人かメンターが居る。皆それぞれ得意・不得意分野があるから、話したいトピックに応じてメンターを変えたりするよ。
ただ注意した方いいのは、「同じ会社の人をメンターにしないこと」だね。利害関係が無い方が(メンター/メンティーの)良い関係を築くことができると思うからね。

町田意訳


将来どうなるかわかりませんが、精一杯頑張り、かつ、楽しみながらキャリアを形作っていけたらいいな、と思っています。
あと、考えた計画に固執し過ぎないことも大切ですね。

MBA卒業後は日本に帰国予定なので、日本でもメンター探しをしていきます!


どなたかのキャリア形成やパーソナルブランディング、メンター探しの参考になれば幸いです。


では。