依存症
1億総依存症社会
僕は少なからず、多くの人が何かに依存して生きていると思う。
それは世界が辛いからで在って、それに対する逃避行動であったり、ストレス対処としてエンタメだとかそう言ったものを消費しているのだと思っているからだ。
依存症に関心があるのは、自分自身がそう言った人間であるからというのもあるが、その奥に生きにくさとか、現実を引き受けられない自分の弱さとかそう言ったものを感じざるを得ないからだと思う。
生きにくいのは改善したいし、現実から逃げてしまうような自分とは向き合ってみたらどうなるのかを知りたい。
そんなこんなで少し依存症について調べてみると以下のようなTEDトークを見つけた。
依存症について自分の考えていたこととズバリ同じようなことを言ってくれている人がいてとても心強かった。ここでは少し、内容を紹介したいと思う。
ベトナム戦争とネズミの楽園
ネズミの楽園について話をしよう。
オリにネズミを入れてみたら、ドラッグ入りの水を飲んだのだけど、幸せな環境を整えてやれば、ネズミはドラッグ入りの水を飲まなかったという例である。
これはネズミの例だけれども、人間の例でも似たようなことが起きていた。それがベトナム戦争である。
ベトナム戦争というオリから帰った人間は、ドラッグを使うことをやめた。それを元に、依存症の原因は辛いからではないかと新たに思ったわけである。
この法則によると、辛いからドラッグを使うわけで、ドラッグを使った人に今の日本のような厳罰や社会的制裁という辛さを与えて「オリ」に閉じ込めたら、どうなるだろう。ドラッグ入りの水をまた啜り始めるのではないか?
実際日本の覚醒剤事犯の再犯率は67.7%と高い水準である。
データは、薬物の乱用の厳罰化が悪影響を及ぼしそうな雰囲気を感じさせるものだが、とってきたデータのホームページの名前は【薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」】であり、依存症の人に優しいとは到底言えないタイトルがついている。
ポルトガルの薬物非犯罪化
ポルトガルでは、ヘロインの中毒者が全人口の1%に達し、社会問題となっていた。そこでポルトガルの委員会が出した結論が薬物の非犯罪化と中毒患者の社会復帰サポートであった。
具体的にどう言ったことを始めたかというと、実際に職業に復帰できるようにしたのだという。
今回のポルトガルのケースを見ていると、加藤純一が言っていたように、もしかしたら「騙されたと思って働いてみる」というのは案外いい解決策なのかもしれない。ゲーマーのみんなやニートのみんなは、沼にハマればハマるほど、どんどん内側に閉じていって、ゲームへの依存もどんどん深刻になっていくかもしれないけど、騙されたと思って働いてみたらなんだかいい感じになるかもしれない。
日本で非犯罪化を実行することは難しいだろうけれど、少なくとも、罪はそのままで、僕たちの認識を変えることくらいはできる気がする。もしくは懲役にかけるんじゃなくて復帰プログラムを作るとかだ。
薬をやるくらい、追い詰められている人はもしかするとすごく攻撃的で、最低で、最悪で、現実から目を逸らしていて、話が通じないと思われてしまうかもしれない。
でもそんなのどの人間だっておんなじではないか。
余裕がないサラリーマンは、家庭で妻に強く当たってしまっていないか?
受験生の君は、親をうざいと思ってものにあたってしまっていないか?
現実から目を背けている俺は、いつだって愚痴っぽくなっていないか?
それが、例えば、親から愛された俺と虐待を受けてきた彼だったり、勉強についていけた俺とついていけなかった彼だったり、大学に行く金を出してもらえた俺と出してもらえなかった彼だったり。
そんな違いが、スマホの依存を薬の依存に変えてしまったんじゃないのか?
Addictionの反対はConnection
今、スマートフォンで誰とも繋がれると言われてはいるが、心から頼れる人はTwitter上にもfacebook上にもいない。
これはアメリカの研究だけど、日本についても言えることだと思う。
家に引き篭もりがちな人間がどれだけ増えたかはしらないが、そもそも、外にいったって人と会えるような場所なんてないではないか。
ちっちゃい頃みたいに公園に行ったって友達は一人もいない。
都心には意外と、意識高い系のコミュニティーとかがあったりするのだけど、特段アンテナを高く持たなかったり、地方の都市に行ったりするとそんなカフェなんかは車をかなり走らせないとなかったりするし、少なくとも歩いて行ける範囲にはないものである。
問題は、個人に優しくしようねって話から、社会全体の構造の話になってくる。
では、そんなオリになってしまった社会に対して、我々はどうしていったら良いのだろうか。
ジョハン・ハリは以下のようにスピーチを閉じている。
全次元の依存症患者というのは、多くのスマホユーザーも含まれると思うし、ネットユーザーも含まれると思う。
君が優しくされたいように、彼にも優しくしてみよう。
はてさて、現実的で具体的な解決策はよくわからないし、現実問題として社会をどう変えるか以前に変えること自体がめちゃくちゃ難しそうである。
でも、個人でできる対応もなくはないのかもしれない。
少なくともスマホくらいの依存ならば、ブラウザとアプリを消すことで依存を辞める体験ができる。
パスコードは親に管理してもらうのだ。
その結果生まれた心の余裕から、connectionを紡いでいこう。
退屈に向き合っているだけでは、個人的な行動しか生まれないがちだけど、ちょっと友達とご飯を食べたり、旅行をしたり。そんなことをするのもありかもしれない。
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