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[Portugirl]~EU最西端での小娘ひとり旅奮闘記~[006]


前回の続き。 ( 最初から読む

2018年4月29日


 この日はなぜか朝方に目が覚めてしまい、気だるさの中ベッドからのそのそと這い出てシャワーを浴びにシャワールームへ向かった。なぜかシャワーを浴びてもイマイチすっきりせず、鏡を見るとびっくりした。

自分でも今まで見たことないくらいに顔と体が浮腫んでいた。

原因ははっきりしている。昨日食べたしょっぱすぎるバカリャウと連日の慣れない油と塩分の食事、歩き回った疲れ、ワインの飲み過ぎ。

 Google先生に[浮腫み やばい 治し方]で聞いたら解決策は紅茶をとにかくたくさん飲むこととトイレに行くことだったので、さくっと観光したら今日1日は一度体をリセットさせることに努めよう。

 朝8時、朝食を取りにラウンジへ。オーナーさんが「さぁビタミン取って~!今は晴れてていい天気よ~!!」と朝から明るさ全開で搾りたてのオレンジジュースをくれた。ラウンジの真ん中のテーブルからシリアルやハム、パン、ヨーグルト、フルーツを持って着席。いただきまーすと朝から健康的な食事ができることに感謝した。


 パクパクと朝食を平らげ、窓を見たら雨予報が見事覆り、青空が見えた。身支度を済ましたら観光スタート。宿から徒歩数分の世界遺産コインブラ大学へ向かった。


 コインブラはポルトガル最初の首都が置かれたことでもあり、当時の王宮だった建物が今でも大学として使われている。学生は黒いマントを羽織り、勉学に勤しむ。(留学生は着れないらしい。ちなみに日本人留学生もいるとか。)リスボンでの教訓として、観光名所のチケットブースは基本待たされるということを知ったので、9時オープンに合わせ、朝イチから行くことにした。

 チケットブースには私の前にもう4組の観光客が列を作っていた。私が買ったのはプログラマ1というコインブラ大学内の主要な場所を見て回れる共通チケットだ。もちろんその中にはあのコインブラ大学が世界遺産にとうろくされる一つの要因にもなったジョア二ナ図書館も含まれている。しかしその図書館に入場できるのは時間制で区切られていて、私の見学可能時間は9:40から。およそ15分後だった。


 中庭で晴れ模様の成果を写真に収め、図書館の入り口へ。入り口はまだドアが閉まっており、次の入場時間が書かれた紙が提示されているだけだった。時間になるとツアー客たちもやってきた。まず入場して一階部分を見たあとは、メインの二階の図書館は10分後の9:50に入場開始となった。図書館に人が溢れかえらないよう、施設と本の保存状態を良くするための策なので致し方ない。時間で区切られた分、ゆっくり見ていられる。特に館内スタッフに急かされた覚えもない。見れる時間のゆとりがあるなら是非見ておくべき。

撮影禁止なので気になる方はこちら公式HPへ

 入場開始になると並み居るツアー客や他の観光客を置いてけぼりにする勢いで図書館の中へずんずん突き進んだ。ドアを開けて中に入ると妙に落ち着く古本の匂いがフワァっと嗅覚を刺激し、視界いっぱいに飛び込んできたのは壁一面に収納された大量の本。そして天井に描かれた絵画と、一番奥から存在感を放つ大きな肖像画。その目の前にはこれまた年代物のグランドピアノが鎮座していた。

 まずは頭上の絵画を見上げ、徐々に視界を落とし、目を閉じて息を吸い込み、鼻の奥で本の匂いを感じる。例え見えなくとも、歴史ある書物の量と存在感は半端じゃなく、脳裏にしっかりとイメージできる。図書館内は写真撮影禁止なのが残念だが、こんなにも五感を刺激する図書館は今まで見たことも、行ったこともない。

 図書館を見たあとは大学(旧王宮)内の教会や、回廊、議会場や展望スポットを見て回った。


一通り見終わる頃には2時間が経過していた。そのまま完成までに100年以上かかった新しい大聖堂を見て一回宿へ戻り一休み。部屋で携帯を充電し、ラウンジで大量の紅茶を飲みながらこの旅行記を書き進めた。ちょうど宿に戻ると降り出した雨は、旅行記がひと段落する頃に上がり、再び宿を出た時にはまた晴れていた。


 旧聖堂とその中の中庭回廊を見終わると、宿のオーナーさんにオススメされた砦を通るルートで坂を下り、テージョ川を橋で渡って向こう岸へ。


ちょうど小腹が空いていたので目の前のカフェでツナとオリーブのサンドを遅めのランチで食べた。するとまた雨が降り出した。Jazzのフリーライブは17時から。そろそろ向かう頃にはまた雨も上がり、会場へ。


 会場はかつて水の底にあった遺跡群のミュージアムに併設されたちょっとした試写室のような場所だった。事前にリサーチしたところ、どうやらこのへんの音楽学校の生徒たちが4/29のinternational jazz dayを祝して演奏を披露してくれるらしい。ステージが最下段にあり、そこから観客席がひな壇上に15列ほどあった。ステージにセットされた椅子を見たところ、5人。チューニングしているところを見るとギターが3人にベースが2人。管楽器もドラムもピアノもいない。

 演奏が始まってまずはあのA列車で行こうの定番からスタートしたまではいいのだが、正直音が合っておらず、ついには音に酔って気持ち悪くなってしまった。なんとか最後まで耐えたものトイレに駆け込む始末。吐きはしないが気分はすっきりせず、外の空気を吸いながらここコインブラに来て初めて雨に降られた。さすがにテンションが下がる。(そもそもの原因は前日に食べたあの塩の塊のようなバカリャウのせいで水分が足りなくなり、がぶ飲みした水道水が原因だと後々に発覚。)

 対岸に戻るためには川を渡らなければならない。冷たい雨風に橋の上でさらされてたら不快感もやがて何処かへ消え、渡りきる頃には雨も上がった。雨と風が不調を流してくれたみたいだ。城下のメインストリートで少しお店を見て回った。(この間もお店にいる間は雨、出ると晴れ)


 日が少し傾いてきた頃、またゲストハウスのオーナーに教えてもらったサンタクルス修道院の裏のカフェレストランでで少し早めのディナー。客は少なく、お店のモニターに流れるサッカー中継を食い入るように観ては声を上げるウェイター陣。


 ひとまず空腹を解決し、今日はゆっくりしようと日が傾いてきた夕暮れ20:30にまた坂を登って登って宿に戻った。

つづく。

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