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【訪問介護vol.11】ネグレストでも幸せかもしれない

昨日の夕方「noteに何か書こうか〜...」とぼんやり考えながら台所の狭いシンクでポロシャツと下着を手洗いしていました。

私のではなく笑 利用者の浅井さんの洗濯物です。

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こちらのお宅は廊下が長くどの部屋も広そうな素敵なお宅で、2階からどんどんと息子さんの足音が聞こえます。

利用者さんの中には二世帯住宅で暮らす方がいて、その場合は洗濯物などは基本ご家族にお願いします。

しかし、残念ながらそういうわけにはいかない事情があるうちも多い...。

私たちが「あの家族はネグレスト」と呼ぶ利用者さんのお宅は外観は立派だし裕福そうな感じなお宅も多いです。でもドアを開けた途端、絶句😨

ネグレストは子どもの虐待に使う言葉だけではないらしい。

家の中はハチャメチャ🌀娘、息子がまともに会話ができず逃げられてしまったり、ご本人は病気なのに食べさせる夕飯は油っこいコンビニ弁当、菓子パンを無言で与え、必要な物品をお願いしても用意してもらえず、集金を支払えるはずなのに月末日ギリギリまで渡さないご家庭もあります。

私たちは仕事に来ているだけなので「意地悪するのは家族だけにして!」と言いたくなります😅

自分たちは綺麗に着飾って楽しそうに趣味を謳歌したり、仕事に励んでいるようですが私達が訪問して挨拶して近づくと罰が悪い顔をされます。

後ろめたいことでもあるんでしょうか...。

こうなると介護士達は利用者さんが可哀想で家族が敵に見えます。

「あんな息子がいるなんて信じられない💢」

「浅井さんが可愛そう😭!!」

たとえ家族でも目の前で乱雑に扱われている姿見が見えると担当する者としては悲しくなります😢

でも、ふっと思うのです。

そんな息子(娘)に育てたのは浅井さん

じゃあ、仕方ないか👀と急に冷静になります。

それにこのネグレスト、私のうちでも思い当たる節がいくつもあります。我が家でも祖母と6年間介護で同居しいろんなことが勃発しました💣

正直、殺意が芽生える瞬間、放置したくなる場面が日々あります。

これは一緒に暮らし在宅介護経験者の家族でないとわかりません。

話は戻りまして、昨日はそんな二世帯住宅で暮らす浅井さんのお宅で洗濯、掃除、着替えをお手伝いしていました。

洗濯をしないとデイサービスに来ていく下着も洋服も無くなってしまうため仕方なく廊下についている狭いシンクで訪問するヘルパーは毎日洗います💦

「次のnoteはこのこと(浅井さん宅のこと)を書くか..」と思いながら仕事をしていると背後から浅井さんの聞こえてきました。

「私、幸せかもしれないねー...」

「え?」思わず振り返りました。

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「こうやってみんなに世話になって、なんとか暮らしてるんだから私は幸せかもしれないと思ってね...」

デイサービスに行くとそのまま施設に帰る人や家族と何年も会えないまま過ごしている方も多いとの事。

「ありがたいと思ってるよ」

のんびり車椅子に座って話す👨‍🦼浅井さんの丸い後ろ姿を見つめ、普段聞かない言葉にどきっとしてしまいました。

本人が幸せなら幸せ

何が幸せで何か不幸せか人によってそれぞれ。

少なくとも昨日あの時間幸せを噛み締めている浅井さんがいたならよかったのかなと思いました。

私の祖母はどう思っていたのか、考えると恐ろしくもあり、笑えることもあり...💦


今日も読んでいただきありがとうございました!

※浅井さんは仮名です


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