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COVID-19後の世界で会社がより「幸せな場」になるために、新しいチャレンジを始めます。

株式会社ツクルバの共同創業者・共同代表の中村です。
2011年の創業から不動産・建築・テクノロジー領域をメインとし、リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」、あらゆるチャレンジを応援するシェアードワークプレイス「co-ba(コーバ)」などを展開しています。この数年は主にカウカモの事業成長とともに会社も大きくなり、そして昨年7月末には東証マザーズに上場しました。

いま、新型コロナウイルスの脅威が世界で広がりを見せるなか、まずはそれぞれの個人・法人が連帯してこの危機を乗り越えていかなければなりません。手元の危機を乗り越えつつ、その先の世界で何ができるのか、も同時に考えていきたい。どのように暮らし、どのように働くか。現代の生活様式に大きな変化が起こるきっかけにもなり得る、と個人的には考えています。

そんな変化の中で、場の発明を通じて社会に価値を届け続ける企業として、ツクルバを育てていくのはもちろんのこと、ツクルバに限らず世の中の会社がより「幸せな場」になるために、新しいチャレンジを始めることにしました。

いま、僕が関わっている株式会社KOUを通じて、感情を切り口にした対話のツール「emochan(エモチャン)」を開発しています。ここではKOUの中村として、みなさんに伝えたいことがあり、以下の文章を書きました。少し長いですが読んでいただければ幸いです。

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ツクルバ成長の中で気がついた個人と組織の「成長痛」

ツクルバが組織として拡大していくなかで、個人と組織の様々な「成長痛」を感じることも少なくありませんでした。例えば、カオスでありながらも同じ方向を向いていたチームが拡大するにつれて、縦割りの境界線が生まれ連携がうまくいかなくなってしまったり・・。経験のない人でもマネジメントに向き合わざるを得ず、チームがうまく機能しなかったり・・。誰もが「ただ幸せに働きたいだけ」なのに、なぜこんなにも組織をうまく運営していくことは難しいんだろう?そう感じながらも、ツクルバは成長してきました。

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でも、ここで感じてきた課題感は、ツクルバに限った話ではありませんでした。ツクルバをより良くしたい!と思って他社の事例を聞いて回るうちに、いわゆる「あるあるな成長痛」は、いろんな会社の人と分かち合える課題だということに気づきました。

「ツクルバをもっと良い会社にしていくのはもちろんのこと、同じ悩みを感じている人たちの力になりたい。働く場がもっと幸せなら、世の中の幸せの総量はきっと増えるはず。だから、ツクルバだけではなく広く世の中の会社に向けたアプローチもしたい。」そんなことを考えるようになりました。

拡大していく組織の水平・垂直の課題

ツクルバがこれまでに経験してきた「成長痛」の正体はなんだったのでしょうか?「それは拡大していく組織の水平・垂直の課題だね」と言ってくれた人がいました。

水平の課題というのは、ダンバー数つまり人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数を超え始めることによる課題です。互いの顔と名前が一致しなくなったり、同じような関係の濃さで繋がり合えなくなるのが、約150人を超え始めてたくらいからと言われています。ツクルバでも最近、ダンバー数を超えはじめて実感しています。

そして垂直の課題というのは、組織の拡大により上下関係・ヒエラルキーが自然と発生することによる課題です。マネジメントのツリー構造が生まれ、役割として肩書きが作られていく。役割の違いによる認識のズレや、そのズレを解消しにくくする精神的な距離が、意図せずとも発生していく。

この水平・垂直の課題は、まさに拡大していく組織に共通する「あるあるな成長痛」ではないでしょうか?そして、拡大したその先の組織規模でも同じ課題が起こり続けている印象があります。

結局は、会社も人の群れであり、人と人の関係性の集合そのものです。役割や立場の違いにより異なる認識を持った人同士がたくさん集まり、顔と名前が一致しない規模感の集団を作っていると思えば、組織をうまく運営していくことがどんなに難しいかは火を見るより明らかですね。課題は起こるべくして起きています。

かといって、そこで諦めるわけにもいきません。だから世の中の多くの人は仕事をしながら悩みます。組織やチームをどうマネジメントしたらいいんだろうか?一人一人とどう向き合っていけば、良い成果に繋がるんだろうか?異なる認識を持っている人同士が、その認識の溝を越えて良好な関係をつくっていくにはどうしたらいいのか?と。

感情の視点から、良いチームづくりにアプローチする

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その解決のヒントとして「感情」に着目してみました。
自分の感情を自覚し、仲間と分かち合うことで、相互理解や共感により関係の質を高め、その結果、チームとしての生産性UPにつながる。というのが僕の仮説です。
以下、この仮説を逆算していきましょう。

チームとしての生産性UPのためには、「関係の質」を高めることから始めるのがいいと思っています。

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ダニエル・キムの「成功循環モデル」がありますが、これは「関係の質が高まると思考の質が高まり、連鎖するように思考の質→行動の質→結果の質へとつながっていく」というものです。PDCAという言葉もありますが、これだと後半の「行動〜結果の質」の領域だけが対象になっています。その前段階の「関係〜思考の質」がしっかり高まっているからこそ、最終的な結果の質に結びつく。そういう考え方が「成功循環モデル」であり、とても共感しています。

では、この「関係の質」を高めるにはどうしたらいいのか?それは、立場や役割を超えた互いの理解や共感、そして信頼を積み上げることだと思っています。
日常のアジェンダだらけの会議室では、人と人としての対話はなかなか難しい。1on1をやっているけど、うまくその機会を活用できていない気がする。じゃあ場所を変えてみよう!と非日常なオフサイト合宿をやってみても、オフィスに帰るといつもの日常に戻ってしまう・・。

そんな悩みを持っている人も少なくないと思います。例えば、この非日常なオフサイト合宿での人間味あふれる対話の時間と、日常の業務でのビジネス的なコミュニケーションの間には、「日常の分かち合い」があるはずです。でも、それは多くの職場で足りていないコミュニケーションだと思います。

最近それぞれが感じていることを分かち合ってみる。頭ではなく心で分かち合う。ロジックだと良い悪い等の話に展開しがちですが、感情をベースに話すと互いに聴く・共感するような対話に繋がりやすい。その結果、自分は人としてこの仲間に受け入れてもらえている、という心理的安全が確保された状態になっていきます。

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とは言っても、「自分の感情なんて普段気にしてないよ」という人も多いでしょう。なかには「仕事に感情を持ち込むなんて考えられない」という職場もあると思います。仕事の時間は誰しも頭でっかちになりがちです。相手を納得させよう、ロジックで説き伏せよう、交渉で有利に立とう等、心よりも頭が優先するシーンはやっぱり多い。

でも、相互理解や共感のためには心の感度が大切です。 感情を自覚し自分の心の声を聞くことで、他人の声を聞き分かち合う感度が磨かれる。誰かを理解するためには、自分の感情と向き合い、リテラシーを高めることが大切だと思っています。

ここまでを組み立てていくと、先ほどの仮説になります。ここにもう一度書きましょう。
自分の感情を自覚し、仲間と分かち合うことで、相互理解や共感により関係の質を高め、その結果、チームとしての生産性UPにつながる。というのが僕の仮説です。

感情を自覚し、分かち合いをするためのカード「emochan」

この仮説のもとで、感情を自覚し、仲間と分かち合いをしやすくするためのツールを作りました。

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心理学をベースに人間の8つの基本感情をカード化し、「日常の分かち合い」に使えるようにデザインしています。感情に気づきにくい人でもカードから選ぶだけなので、感情を誰かに話しやすくなります。

今感じている感情を8つのカードから一つ選び、その感情についての出来事や考えたことを話してみてください。例えば、1on1の時間や、チームの定例ミーティングの冒頭に、感情の分かち合いをしてみる。例えば、1日の終わりに今日の感情を振り返って、ひとりで内省してみると自分の理解が深まるかもしれません。

感情と向き合い、自分を理解することで、仲間を理解できるようになる。
分かち合いを繰り返すことで、互いの理解や共感が積み上がっていく。
関係の質が高まり、チームとしての生産性UPにつながる。
そして、良いチームで仕事をすることで、働きがいにもつながっていく。

個人にもチームにも嬉しい効果を。
この「emochan」と一緒に、感情を見つめ直すことから始めてみませんか?

「emochan」の遊び方を一緒に考えてくれる人を募集します(30組限定)

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このカードは「トランプ」のように、いろんな遊び方ができるものとして作っています。例えば、

①今感じている感情を一つ選び、その感情について話してみる
②裏返した束からランダムに一枚引き、その感情についての最近のエピソードを話してみる
③それぞれの感情ごとに「自分がXXXな感情になるのは〜」という対話をしてみる
④出来事・認知・感情を書き出してみることでリフレクションをしてみる

のような遊び方を、開発チームとしては考えてみました。これ以外にも日々使いながら「こういう活用もあるかも!」とワクワクしながら試しています。

「emochan」はまだテスト中のプロダクトですが、もしこのnoteを見て興味を持ってくれた方がいたら、遊び方を一緒に考えてくれませんか?限定30組になりますが、希望する方にはお送りしますので、試しながらフィードバックをいただければと思います。(※限定配布は、締め切らせていただきました)


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そして、このリモートワークを余儀なくされる中でも使えるように「emochan」のzoom用壁紙を作りました。下のリンク先でダウンロードできるので、オンライン会議の冒頭などで背景を変えて、感情のチェックインをしてみませんか?

▼ダウンロードはこちら
https://drive.google.com/drive/folders/13uFUYHFW6uiZvFI9VwYyXajm_eBSQ4RY?usp=sharing


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最後になりましたが、世の中の会社がより「幸せな場」になるために、「emochan」では感情の視点からアプローチしていきます。

これからリモート環境での仕事が当たり前になる社会では、対面して共有する時間はこれまで以上に価値のあるものになっていくでしょう。そのときに、仕事の仲間とどのような対話をするのか、どのように関係を深められる時間を共に過ごせるか、が一つのテーマになっていくでしょう。
ひとりひとりがもっと自分の感情と向き合うところから、チームも、会社も、そして社会も変わっていく。そう信じながらツールを開発しています。

今後のアクションとしては、GW明けでのクラウドファンディングを計画しています。詳細は後日また!

「emochan」のこれからにご期待ください。

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