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【エッセイ】わたしの本棚の話

本棚って、その人の個性が出る場所。

私は、人の本棚を見るのが結構好きな人間だ。

仲良くなった友人の家に行くことがあったら、もちろん許可を得てからにはなるが、本棚を見せてもらう。

その人がどんなことばの世界を泳いできたのか、物語を通り抜けてきたのか、感性に触れてきたのかが見えてものすごく興味深い。
その人の使う言葉の庭を知ることは、その人を知る大きなヒントになる。

久しぶりに実家の我が本棚を眺め、改めてそんなことを思う。

よくよく見てみるとなかなか面白くて、いかにも自分らしいなと思ったので一部を公開してみることとする!

よしもとばなな多め。

一時期、よしもとばななさんがめちゃくちゃに好きで買い集めた。
本屋や古本屋を巡って、読んだことのないものは端から買っていたくらいだ。

後方にあるのは、学生時代必修で買わされた(言い方)憲法云々のテキストやら、生涯教育のテキストやら。
図書館司書の免許を取るための、レファレンスサービス界隈のものもあるし、万葉集やら国語学やら、何だか賢そうな本棚になっている。どれもなかなか興味深く読んだけど、もはや内容は頭に残っていない。

世界文学全集は、いつか語った(この記事かな)レ・ミゼラブル!
知り合いが、「図書館の本の整理で、捨てることになる本の中にあったから」と譲ってくれた。最高…!

なんか目立つグアム!

斎藤惇夫さんの「冒険者たちシリーズ」は、小学生時代夢中になった作品。
これは私の本好きスイッチを押す作品の一つになったため、結果として私の人生に深く関わることになったものだ。
特に気に入っている「冒険者たち」などは、関東の自宅に持って行ってここにはない。

その他、瀬尾まいこさんや三浦しをんさん、江國香織さん…言わずもがな好きな作家さんたち。友人にもらった大切な本もある。

授業で取り上げたり、夏の作文で課題図書になったりしたものも後学のためによく手に取った。

ちなみにグアムは友人と旅行するときに買ったもの。あれも楽しかったなあ。

卒業式で使ったお花のコサージュを添えて。

重松清さんもよく読む!
多分、よしもとばななさんの次に、手元に作品を持っている作家さんだと思う。

何が面白いって、こういう並びの中に普通に芥川や太宰がいるところ。

どこの誰が、スヌーピーの横に人間失格を並べるのか。ハイセンスにも程がある。スヌーピーもびっくり。

雑多が過ぎるけれど、この並びこそ、いかにも自分らしくて好きなところでもある。

どないなってんねんゾーン。

上の並びの延長で、この辺も大概雑多である。
川端康成の横に金閣寺があるのはなかなかイイ線だと思う。知らんけど。

しれっとここに並んでいる、星の王子さまもいい。
四字熟語辞典は、なかなか興味深くて一時期読み込んだもの。

ちらほらペーパーカバーがついているものは、祖母から譲り受けた、あるいは祖母から借りてそのままになっている、国語関係の専門書だ。

世の人は、これを借りパクという。なんて悪い孫だ!

背表紙をみるだけでワクワクする!

ここも私を形成したゾーン。

「ナルニア国物語シリーズ」は、本当によく読んだ。気に入りすぎて、ハードカバーを持っているのに、持ち歩いて読むために文庫本も親に買ってもらった。

あー…久々に読み直したい欲が沸々と…!

これら以外にも、「大きな森の小さな家シリーズ」も私に大きな影響を与えたものだ。

いやあ、本は良い。
これらがあって、今の私がいる。大袈裟でも何でもない事実だ。

厳選しまくったお気に入りの数冊は、関東の自宅にある。
ここにあるものは、かさばるため泣く泣く残しているものばかりなので、懐かしさでたまらない気持ちになる。

ああ、宝の山!

気象予報士て。

おまけの資格ゾーン。
図書館司書教諭やら、教員採用試験やら、秘書検定やら漢検やら。

あとは暇つぶし且つ知的好奇心を満たすために、束の間齧っていた気象予報士。笑
天気図を眺めるのが好きなだけでは、取れるはずのない資格だったけど、これもなかなか興味深くて楽しかった。

転勤族やら何やらで、ドタバタした子ども時代を過ごしていたものの、私の人生にはいつも「本」があった。
それからずーっと、ここまで本は私の人生の近くにあった。

それは、私の人生にとってラッキーかつハッピーなことだったなとしみじみ思う。

…どうです、私の本棚。
なかなか人に見せることのない場所なのだけど、こうやってみるとちょっと面白いと思いません?

「らしさ」の出る場所の一つ、自己紹介に好きな本を列挙するのもアリかもしれない。…私みたいな人間は、少なくとも大いに興味を示すと思う。

そんなことを考えながら、眠るまで何か読もうかなと本棚の前で腕組みをする。

秋の風吹く、心の満たされる金曜日の夜。

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