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●ショートショート●

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これまでに書いた短編小説、ショートショートをまとめたものたち。
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2023年9月の記事一覧

【ショートショート】 青いボタン

【ショートショート】 青いボタン

 生きていたら、ボタンの掛け違えのようなことはわりとあって、気づいたタイミング次第で、もうはどうしようもなくなっていることもある。

 早めに気づくことができたら、全部外してもう一度正しく掛け直すことができる。
 でも、気がつくのが遅れたら、これまで掛けてきた労力次第では、全部外してまた掛け直すという事実に心が折れてしまう。
 それで、結局ちぐはぐなまま生きていく…。

 私はいつもいろんなことに

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【ショートショート】 「その明日」がくる前に

【ショートショート】 「その明日」がくる前に

「もし、明日死ぬって言われたらどうする?」
「何だよ急に」

 ついさっきまで、明日のテストが嫌だと騒いでいた塩谷は、机に突っ伏したまま顔だけこちらに向けて、妙にキラキラした眼差しでそう聞いてきた。

「いいから。どうする?」
「どうもしねえよ」
「えっ」

 信じられないというような顔で、塩谷は続ける。

「明日だよ?もう死んじゃう、何もできないってなっちゃうのに、何もしないの」
「多分、何もし

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【ショートショート】 君と、花の名

【ショートショート】 君と、花の名

──俺は、花の名前を全く知らない。

 いや、全くは言い過ぎか。
 タンポポとかサクラとか、ヒマワリくらいは認識している。あとは大きく「花」という括りで認識していて、不自由することなく生きてきた。

 そんな俺が、花屋の前にいる理由は他でもない。夏風邪で寝込んでいるばあちゃんに、花でも買って行ってやれという、気まぐれな親父直々の命令が下ったからだった。

 親父には昔から頭が上がらない。一応「ええ

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【ショートショート】 秘密の「仕組み」

【ショートショート】 秘密の「仕組み」

 あまり人が来ない、校舎の南館。

 4階にひっそりある非常階段。
 屋上に繋がる、唯一の階段だ。

 学校の中で、空に一番近い場所へ繋がる鉄製の重い扉は、安全上の問題とやらでしっかりと鍵が掛けられている。確かに、しっかり掛けられているように見える…パッと見た感じは。

 実のところ鍵は壊れていて、屋上に出ることは難しくない。見た目は立派な錠前が付いているものだから、これは開けようとした者しか気が

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