sorano(作詞家)

アメリカはラスベガス在住、日本の作詞家です。https://www.facebook.…

sorano(作詞家)

アメリカはラスベガス在住、日本の作詞家です。https://www.facebook.com/lyricwritersorano/ 歌詞、言葉について。(不定期更新)

最近の記事

嫉妬の適量を考える

 子供のころはアニメが大好きだった。大人になるにつれ遠ざかっていたけれど、ついに昨年からアニメ好きのカテゴリーに加入することとなった。ドラマのタイアップ曲が取りたいなという作詞家の思惑は、いつしかアニメ主題歌を作詞する機会はないかなあ、に変わっていった。といっても、ものすごくアニメを見ているわけではなく、毎クール好きで見続けるアニメがあるという程度の好きだ。昨年末から『葬送のフリーレン』と『薬屋のひとりごと』は毎週欠かさず見ている。特に『薬屋のひとりごと』はアニメではもの足ら

    • ちょっとうまくなったかも、と 気のせいだった、の繰り返し 気分はシーソーのように上がり下がり 思考はブランコのように行ったり来たり 自信は砂で作った城のようにもろい だけどこの公園は今日も未来へにじりよるのだ

      • 歌詞はどこから書くのが正解か?

         先日、2年くらい前に書いた1番の歌詞の続き、2番を書く機会があった。(これってラッキーなことなのです。)楽曲コンペのデモ曲というのは、わりと1コーラス(いわゆる1番)とか1ハーフ(1番とDメロや落ちサビなどがつく)という長さでつくるので、数年後に歌詞の2番を書けと言われても、当時のことなんて忘れてしまっていて、2番を書くのは難しい、と言う作家さんも多い。私は、そうでもないと思っている。まあまあ良く書けた歌詞は、わりと歌詞の設計図がしっかりしていて、こういうこと言いたかったん

        • 作詞するとき、まだ音符の数を数えているの?

           作詞を始めた頃に読んだ教本には、言葉をのせる前に音符の数を数えましょうと書いてあったし、実際数えてる人もたくさんいた。音符を数えること自体にとやかくいう気はないし、それが悪いことではない。私は最初から数えはしないけど、厳密に言えば聞き取りづらい部分を確かめるときに数えてると思う。問題はその数え方だ。  その昔は曲のテンポもゆっくりだったし、音符の数が全体的に少なかったから、それで良かったんだろう。今はBPMもあがってるし、1曲の曲の長さは短くなっているのに、音符の数は増え

        嫉妬の適量を考える

        • ちょっとうまくなったかも、と 気のせいだった、の繰り返し 気分はシーソーのように上がり下がり 思考はブランコのように行ったり来たり 自信は砂で作った城のようにもろい だけどこの公園は今日も未来へにじりよるのだ

        • 歌詞はどこから書くのが正解か?

        • 作詞するとき、まだ音符の数を数えているの?

          目標とはかくも尊いもの~大谷選手の目標設定シートを見て~

            野球のことは詳しくないけれど、大谷選手ってやっぱりすごいね。少し前に大谷選手が高校生の時に書いた目標設定シートというのが話題になっていた。プロ野球選手になるため(ドラフト1位になるため?)に今すべきことを書き出しているシートで、その中に「ゴミ拾い」という言葉があり、多くの日本人がもっと彼を好きになったことだろう。ゴミ拾いに関してはおいておくけど、この目標設定シートというのは、すごく良いものだということは私もよくわかる。同じことを、アメリカの大学に入って、最初のオリエンテー

          目標とはかくも尊いもの~大谷選手の目標設定シートを見て~

          歌詞の重さはハガキ1枚分(2~6g)におさめてください

           最低でも1カ月に1記事は書こうと決めていたのに、なんだかずいぶん時間がたってしまった。忙しかった?まあ、確かに。気持ちが乗らなかった?そういわれると… 結局のところなんだって言い訳なのよね。  さて、年が明けてから久しぶりに“関ジャム”の見逃し配信を見た。2022年プロが選ぶマイベスト曲という回だったのだ。そこでのいしわたり淳治さんのコメントが、自分が思っていたことと似ていたので、なんか嬉しかった。主に水曜日のカンパネルラの「エジソン」についてだったけど、それ以外にasm

          歌詞の重さはハガキ1枚分(2~6g)におさめてください

          【タイアップ楽曲の歌詞】髭男が、藤原さんが、最強すぎる件

           Official髭男dismは、"Stand by you" ”Pretender”あたりから本当に好きで、アルバムも良く聞いてるし、何度となく私の作詞談議に登場して頂いている。ファンかどうかと聞かれたら、ファンではないから、話題にするのは気が引ける。でも今日はちょっと言いたい。髭男、最強だよねえ…何において最強なのかというと、もちろん曲もいい、歌もいい、演奏もいいけど、やっぱり歌詞において最強なんだよねえ。  ときに私はミスチルファンで、ずっとミスチルの歌を聞いてきた。

          【タイアップ楽曲の歌詞】髭男が、藤原さんが、最強すぎる件

          作詞家は辞書と友達

           11月はコロナ以来、久しぶりに作詞以外の仕事をたくさんしました。作詞もクリエイティブな仕事の一つ。こういう生み出す作業は、言葉にしずらいけれど、ある種の苦しみがあり、楽しくても大変な作業です。とはいえ、作詞以外のお仕事(私の場合は主に接客業)は肉体的な疲れを伴い、ハードに働くと風邪をひいたりして。ちょっと思うように作詞ができなかった今月です。ま、言い訳せずに頑張っていきましょう。  そんな忙しくしてた時期も終わり、そろそろ2022年の終わりも見えてきて、今年中にやるべきこ

          作詞家は辞書と友達

          作詞成功体験:風が吹く瞬間

           もうあれはそうとしか言いようがない。いきなりわけわからない事を言ってるけど、会話に指示語が入りすぎると老化現象なので気をつけてほしい。90代の祖母はとても元気だが、少し大げさに言えば「あれがねぇ、そうそう・・・あれであれよ。」みたいなことを言う。まったくもって何を言っているかわからない。単語が思い出せないらしいのだが、だからといって指示語ばかり使っては相手に伝わりづらい。指示語だけで伝わるのはBackstreet Boysの "I want it that way" くらい

          作詞成功体験:風が吹く瞬間

          YOU≠あなたたち 今さら言われても困る!関係なさそうで大ありの歌詞問題 

           だいぶ前にYou Tubeで見た。You=あなた だけど、You=あなたたち ではないと。 確かに、複数の人に向けて「あなたたち」というときは "you guys"とか"you all" と言う。アメリカに住んでいるので、この動画で言われていることは至極あたりまえだった。でもたしかに!中学校で初めて英語を習ったとき、YOU=あなた/あなたたち と習ったよね。日本の教科書で習うことは、必ずしも実践的ではないという一例。なるほどね、と思いつつ、それはそれで終わったのだ。  

          YOU≠あなたたち 今さら言われても困る!関係なさそうで大ありの歌詞問題 

          誰でも作詞家になれるけど、ずっと作詞家でいるのは難しい

           最初に宣伝。8月に作詞で楽曲制作に関わった曲がリリースされました。スターダストのダンスボーカルグループBUDDiiSが歌う "RISE IN LOVE" です。ぜひ聞いてください。  ちょうどこの楽曲リリースの頃に、この曲の前にリリースした楽曲の契約書が届き、署名をして返送しました。アメリカ在住作家のもとへ、契約書を郵送して頂くのも恐縮ですが、ハンコ文化はそう簡単にはなくならないでしょうね。(良し悪しあると思います。)  私は作詞家デビュー曲のリリースが2014年8月だっ

          誰でも作詞家になれるけど、ずっと作詞家でいるのは難しい

          この歌詞でメロディーはポップになる!【作詞術・促音の使い方】

           今日は最初から非常に生意気なことを言う。自分がナニモノでもないのはわかってるけど、あえて言う。みんな案外日本語のことわかってないよね。  作詞家をやっていて、失礼ながら実は、何度か思ったことがある。世に出てそこそこ聞かれている曲に対しても、本当に申し訳ないけど「この歌詞書いた人、リズム感ないな。」って。すごく素敵な言葉やフレーズがあって、いい歌詞だなと思うのだけれど、ちょっと残念だなと。  それもこれもすべて、メロディーに100%歌詞がノッてないから。世界観があって素敵

          この歌詞でメロディーはポップになる!【作詞術・促音の使い方】

          日本人にとって永遠の呪縛「英語」に、ついに本気で向き合う

           今の時代、作詞家にも英語は必要だ。日本語が大好きだから日本の作詞をやっているわけだけど、英語ができた方が作詞の幅は広がる。とはいえ最近の日本の音楽は二極化している。ボカロP出身の作家・アーティストたちがつくる楽曲は、英語をほとんど入れないのでライン・ミュージックやSpotifyのランキングを追っている限りでは「作詞に英語って必要?」と思う方も多いかもしれない。でもジャニーズ楽曲や帰国子女とか日本以外にルーツがある歌手の楽曲は、英語満載だ。海外進出を意識して、あえて英語で歌う

          日本人にとって永遠の呪縛「英語」に、ついに本気で向き合う

          言葉に色がある、共感覚のようなもの

           何をやってもうまく行かない5月がそろそろ終わりを迎えようとしている。いや、まいった、まいった。面白いくらいにすべてが悪い方向へ進むので、ちょっと疲れてしまった。ということで、作詞も少し停滞気味。今回はガツガツ思ったことを書くのではなく、ふんわりしてみようと思う。  作詞家っていうのは、言葉と音楽を繋ぐ仕事なわけだけれど、音楽とともに言葉がとても重要な要素なわけで・・・この音というか、言葉というか、この辺に私は独自の感覚を持っているのかもしれないと、勝手に思っている話です。

          言葉に色がある、共感覚のようなもの

          JPOP曲のタイトルのつけ方①構成編

           God is in the details. 神は細部に宿る。作詞をするうえで、タイトルってすごく重要だ。それは周知の事実。最近さらに、タイトルについて考えるようになった。今回は2回に分けて曲のタイトルについて考えてみようと思う。 タイトルは必ずしも作詞家がつけるわけではない  今回は、自分がタイトルをつけることを前提に書いていこうと思うけれど、曲のタイトルは必ずしも作詞家がつけるわけではない。作曲家がタイトルをつける場合もある。楽曲にはたいてい仮歌・仮歌詞といって、プ

          JPOP曲のタイトルのつけ方①構成編

          つまり作詞センスってどんなもの?

          才能 VS センス  音楽業界のすみっこで作詞を続けてきたけれど、なんとなく音楽業界は才能論が多く話題にされる場所だと思う。もちろん、音楽センスという言葉は十分浸透しているので、音楽だってセンスが必要。でもセンスより、才能の方が、音楽の神様に愛されてます感でるよね。  そんな音楽業界のすみっこにいた私は、それまで全く興味がなかった「お笑い」というものにここ2年ほど触れている。お笑い芸人さんが多く出演する番組を観たり、YouTubeを見たり、ラジオ番組を聞いたり。それで気づ

          つまり作詞センスってどんなもの?