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KpopとJpop 歌詞の違いについての備忘録

 note書かなさすぎましたが、記録として書いておきたいなと。

Kpop系譜のグループを便宜上Kpopと呼ばせてもらう

 そもそもKpopというのは、韓国のポピュラーミュージックを差す言葉だと思う。けれど私は韓国語がわからないので、本当のKpopについて話したいわけじゃない。私が言いたいのはKpopアーティストの日本リリース曲やオリジナル韓国語楽曲の日本語バージョン、そして日韓合同オーディション番組で誕生した、Kpopの系譜をもつグループの楽曲について、である。生粋Jpopと、Kpop系譜グループの歌詞を比べてみたという話。

「グループ構成人数」がポイント

 そもそも最近のグループはとにかく人数が多い。2000年代くらいは5人でも多いなと思っていたが、最近では10名以上なんてグループはざらだ。やはりKpopが最初に構成人数を多くした影響がJpopにも及んだんだろう。歌う人数が多ければ、それだけ歌割りも細かくなる。Kpop系譜グループの楽曲歌詞は、一にも二にも歌割りが細かいというのがポイントになってくると思う。

秋元さんのせい!

  いやいや、まてまて。Kpopも人数が多いかもしれないが、日本のアイドルだって、人数多いじゃないか!と突っ込んだあなた。はい、その通りです。AKBが人気を博していたのが2009年ごろからなので、間違いなく日本のアイドルも10年以上前から人数が多かった。だから私も最初は、Kpopを書く時、人数が多いグループの楽曲だからという歌割りに気をつけなきゃいけないという意識がなかった。こっちだってAKBやらなにやらで慣れてんねーん、と思っていた。でもこれは勘違いも甚だしいことだった。だって、AKBなどの大型グループにはセンターがいるんだもの。いつもいつも、センターが目立つような曲で、センターが目立つような歌割りになっていたんだもの。だからみんなセンターを目指して競うというグループの構成になっていた。したがって、AKBや坂道グループで秋元さんが手がける歌詞は、グループの曲というよりは、ソロ曲に近い構成なのだ。(もっとも、楽曲はやはりソロ曲ではなく、歌い分けを意識したものになっていたと思うけれど。)

 EXILE関連グループも大所帯ではあったが、シンガーは2名くらいだし、STARTO系グループ(旧J)も、例えばメンバーの誰かがドラマ出演して、そのドラマのタイアップ曲なら、ドラマ出演メンバーが中心になるような楽曲になっていることが多かったと思う。だから考えてみれば今まで、10名で歌う用に歌割りを考えて歌詞を作るなんて、やったことがなかったのだとはたと気づいたのだ。

10名全員がセンターになれる歌詞

 日本のグループというのは、今までグループ内の競争を煽るやり方がおおかったんじゃないかなと思うけど、(それが悪いとは言わない)Kpop系譜グループの場合、グループ内の競争はあるとは思うが、とりあえず全員が1フレーズは目立てるように、メンバー全員にスポットライトが当たる瞬間があるように楽曲を作っていると思う。そう考えればKpopの方が優しいと思う。

 でも考えてみて!曲の長さはどんどん短くなっている。最近は3分切る楽曲すらある。でもその3分に、全員が目立てる歌割りで歌詞を作るのって、けっこう至難の業ですよ。すべてのフレーズが10段階で強度7以上のパワーフレーズじゃなきゃいけない。作詞家として…息抜きできる場所がない。

そもそもの日本語の構成

 ここで一つ確認しておきたいのが、おそらく多くの日本人の琴線に触れ、無意識に受け入れている日本語の構成についてだ。それは強弱。例えば…

「100回だめでも、101回目は成功するかもしれない。」

どっかで聞いたフレーズでしょう?でも日本人ならすんなり受け入れてしまう構成でしょう?この前半の「100回だめ」は”弱”だ。次の「101回目は成功するかもしれない」という希望のフレーズ、”強”のフレーズを引き出すための枕詞にすぎない。でも前半の弱いフレーズがあるから、後半のフレーズがより強く聞こえる。強いフレーズを引き出すために、前半に弱く、ダメな部分をさらけ出すというのが日本語の典型的な構成なのだ。むしろ日本語の情緒と言っていいかもしれない。

 しかし!これはKpop系譜グループの歌詞には使えない。なぜなら「100回だめでも」というぜんぜんかっこよくないフレーズでは、センターになれない。メンバー全員が一度は主役にならないといけないのに、このフレーズでは主役になれない。したがってこういうフレーズは使えない。必然的に、日本語らしい構成というのは無視して歌詞を構築していかなければならないということになる。

 だからやっぱり、「歌割り」がKpop歌詞とJpop歌詞の一番大きな違いなんだと私は思う。

今まで、なんていつだって通用しない

 まとめると、Kpop系譜グループの日本語歌詞って、新ジャンルです。今までになかったことにチャレンジしています。(単に今まであまりKpopを聞いてこなかっただけの私です。)何年やってもチャレンジは尽きません。今年もがんばろう、と思った次第です。


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