AYA

「大人が読む、頭を使うライトノベル」をコンセプトに、純愛ミステリーアクション「Luna…

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「大人が読む、頭を使うライトノベル」をコンセプトに、純愛ミステリーアクション「Lunatic tears(ルナティックティアーズ)」を執筆中。最終目的は商業化。スキ、フォロワー0の限界に挑む。 https://lit.link/ayaiquad/

マガジン

  • Lunatic tears _ASTERISK 1

    Lunatic tears _ASTERISK 第1巻「静寂に奏でるアリア」

  • LTR _Progressive/PathCode

    Lunatic tears 第5作目「Progressive/PathCode」

  • True Gate

  • Lunatic tears 3 _Lost Ordinal

    Lunatic tears 第3巻 _Lost Ordinal

  • Lunatic tears 2

    Lunatic tears 第2巻「Mephistopheles」

最近の記事

LTRA4-4「Bullet Behind Tears」

 「ルナに手を出すなら、あたしが相手になるわ!」 と声を張った澪に、モンドは 「ならば居場所を教えろ!」 と返す。 「アリスの居場所はアタシも知ってる、でもアンタなんかに教える気は無い」 と、今度は詩応が言う。 「今度はアタシを粛清する気かい?禁断の聖女を匿う反乱分子として」 英語の挑発に、モンドは末端信者としての無知を嘆く。 「俺はやがて、教団を率いる身だ。お前らのような単なる信者とは違う」 詩応は呆れるだけだった。同時に、この一家の思惑を潰す、その意志を更に固める。  「

    • LTRA4-3「Bad Guy Role」

       「逃げろ!!」 流雫が叫んだ。しかしその声が届く前に、爆発音に似た銃声が響く。周囲の時間が一瞬止まった。緑の服の男の腕付近から煙が上がり、背振の顔がそれに向く。それこそが狙いだった。  二度目の銃声。文字通り銃口が煙を噴くと、背振自慢のオートクチュールのスーツに血が滲む。数秒前まで覇気に満ちていた男は、一転して薄れる意識と戦っていた。ここで気を失えば、間違い無く死ぬと判っている。  男はバックパックを、捕まえようと駆け寄る数人に向かって放り投げる。それは1人の男に当たり、そ

      • LTRA4-2「Against Devil」

         「どうしました?私の名前を読み上げるだけでしょう?」 と言ったのは、端で壁に背を向けて立つ聖女。痛まない、自由に動く左手を自身の胸の上に置く。 「待て!」 反響するモンドの声を掻き消すように、アリスは……否、プリィは礼拝堂に力強い声を響かせた。 「プリィ・フリュクティドールは、以上のように宣誓します」  その瞬間、大きな困惑の響めきが上がった。目に怒りを滲ませるドイツ人は歯を軋ませ、 「……非常事態が発生した。全員礼拝堂を出ろ。カメラも止めろ。日を改めて開く」 と英語で指示

        • LTRA4-1「End Of Holy Girl」

           朝一、信者に緊急の招集メールが届いた。渋谷の大教会にて緊急集会を開き、教団の未来についての重大発表を行う。来場するように、とのことだ。それにはモンドリヒトと署名が入っていた。 「……動き出したか……」 と詩応は呟く。それに反応したのは同室のアルスだった。日本語は判らないが、何か有ったことだけは想像できる。  流雫とアルスはホテルでもよかったが、ほぼ連日それも如何なものか、と思った澪が、半ば強制的に家に泊めさせたのだ。母の美雪は寧ろ歓迎した。  アルスは詩応の希望で同室になっ

        LTRA4-4「Bullet Behind Tears」

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        • Lunatic tears _ASTERISK 1
          35本
        • LTR _Progressive/PathCode
          28本
        • True Gate
          0本
        • Lunatic tears 3 _Lost Ordinal
          30本
        • Lunatic tears 2
          19本
        • Lunatic tears 1
          31本

        記事

          LTRA3-9「All For」

           ヴァイスヴォルフは一命を取り留めた。そう父親から聞いた澪は、そのことを流雫に告げる。2人揃って安堵の表情を浮かべた。  ……敬虔さが裏目に出たとは云え、或る意味ではあのドイツ人も被害者。誰もが被害者、澪が言った言葉が流雫の脳に焼き付いている。 「でも」 と澪が声に出す。 「これで全てが上手くいくといいな……」 「上手くいかないと……プリィやアリスの未来は無いからね」 と流雫は言った。  あの空港から始まった、一連の真相を巡る戦い。全ては幼馴染みや聖女が理不尽な死を遂げないた

          LTRA3-9「All For」

          LTRP2-16「All For Rebirth」

           悠陽の口から出た言葉は、澪の表情を強張らせるには十分だった。 「社会の未来は、AIが書き換えていく。澪も、見てみたいと思うでしょ?」 「それが時代の流れなら……」 と答えるのが精一杯の澪に、悠陽は言う。 「シュヴァルツが、栄光の剣を司っていることは知ってるわ。でも、シュヴァルツ本人を支持していたワケじゃない。あくまでも、団体としての理念を支持していただけ」  「……シュヴァルツが悠陽さんに目を付けたのは、偶然でしかなかった。スケープゴートは、女子のアバターなら誰でもよかった

          LTRP2-16「All For Rebirth」

          LTRP2-15「Will Of Charisma」

           ゲームフィールドから切り替わった画面には、サーバエラーと表示されていた。 「助かった……」 と安堵する流雫がアプリを閉じると、スマートフォンが鳴った。澪だ。  「キルされなくて助かったわ……」 と口を開いたボブカットの少女。何が起きたかは知らないが、あと1秒遅ければカップルは同時にアバターをロストしていた。  「……シュヴァルツが剣を引いた時、僅かに間が有った。多分、貝塚の死に動揺していたんだ」 と流雫は言ったと同時に、椎葉からのメッセージ通知が会話を邪魔する。 「少し待っ

          LTRP2-15「Will Of Charisma」

          LTRA3-8「War For Accession」

           フランス人が避けながら突き出した足は、男の脛を引っ掛けた。文字通り足下を掬われた男は、盛大に転んだ弾みで銃を落としている。反撃の心配は無い。予想外の呆気なさに、アルスは僅かに唖然とする。  男の後ろ首を掴み、腰に膝を突き立てる詩応。その表情には殺意を滲ませている。  ……澪や流雫を危うく殺されるところだった。アルスと同じ黒幕への怒りが、その手下と思しき男に向く。  「……背振は何処にいる!?」 と詩応が声を上げる。だが男は呻くだけだ。 「シノ、恐らく知らない」 とアルスは言

          LTRA3-8「War For Accession」

          LTRP2-14「Scapegoat For Ambition」

           「逢沙!」 と椎葉が名を呼ぶ。首の位置で束ねたポニーテールを翻し、 「椎葉」 と呼び返す逢沙は 「まさか福岡で会えるとは、思ってなかったわ」 と言った。  2人は博多駅の鍋料理屋に入り、モツ鍋と刺身を囲む。其処ではプライベートの話しかしなかったが、その後駅ビルの屋上デッキで、コーヒーの紙コップを片手に隣同士並ぶ。 「逢沙は何の取材だ?」 「中国資本のMMOが来月日本でサービス開始。その拠点が福岡だから、関係者にインタビュー」 「それはビデオ通話でできるだろ?それにメタバース

          LTRP2-14「Scapegoat For Ambition」

          LTRP2-13「Shade Of Influencer」

           不正検知システムに携わっていたエンジニアが、アウロラに接触したのはフラウ銃殺の翌日。彼もまた、アウロラがイベントに行くことを知っていた。 「スタークは一連の件を知っていた。アウロラに接近したのも、真相を伝えるためだったのだろう」 と流雫は言い、確信する。シュヴァルツがアウロラに執着心を抱いているのは判っていた、だからストーキングを装って先回りしたのだと。  「……シュヴァルツが率いる栄光の剣、そのナンバー2はEXCプロジェクトリーダーだった。開発にも介入しているが、AI批判

          LTRP2-13「Shade Of Influencer」

          LTRP2-12「Collapse On Schedule」

           後輩で恋人の真がセーラー服調のブレザーに袖を通すと、詩応はスポーツドリンクを渡す。陸上大会の中距離部門で優勝したポニーテールの少女と、事実上の専属マネージャーは、軽くハイタッチした。  来週は揃って東京に行く。土産を手に入れようと、2人は帰りに名古屋駅に寄った。三大都市圏の一角、その中心地は全体的に混んでいる。  先日話していた土産を手に取り、レジで会計を済ませた人は、不意に店の入口に目を向ける。人混みの奥、広場の階段前でEXCのイベントが開かれていた。  ……大会前日、真

          LTRP2-12「Collapse On Schedule」

          LTRP2-11「Secret Weapon」

           臨海署を後にした3人は、近くに建つ商業施設ダイバープラザに足を運んだ。流雫と悠陽に挟まれる澪は、自分が父と話している間に、2人の間で言葉が交わされなかったと察した。  かつて、相容れない流雫と詩応が接近したのは、詩応が流雫に問い質したいことが有ったのと、不仲の本質に気付いていた澪の策略によるものだった。  しかし、そもそも悠陽は自分から話す必要が無いと思っている。何から切り出せばいいのか迷う流雫も流雫だが。やはり、2人が言葉を交わすこと自体難しいのか……。そう思っていた澪に

          LTRP2-11「Secret Weapon」

          LTRP2-10「Master Or Slave」

           あの事故は、車の挙動も含めて最初から仕組まれていたこと。流雫の見解はそれだった。 「あの車の自動運転システムは、車体のセンサーが周囲の障害物や車線との位置関係を常時計測し、高度な位置情報と合わせて、AIが最適な走行ラインを決めるものだ。あくまでも自動車専用道や高速道路での巡航支援と云う形だな」 と弥陀ヶ原は言う。手元のタブレットには、サイトからダウンロードしたカタログが表示されている。 「センサーかAIが、何らかの障害を起こした……?」 と澪が言うと、流雫は続く。 「……起

          LTRP2-10「Master Or Slave」

          LTRP2-9「Taste Of Bullet」

           澪のことは誰より知っている。ドアが閉まる直前に飛び込み、自分に向かってきているハズだ。何を言っても 「流雫を置いて逃げる、あたしにできると思うの?」 と言い返されるのは判っている。ならば、2人で仕留めるしかない。 「……流雫……」 澪の声がイヤフォン越しに聞こえる。無意識にブレスレットに唇を重ねる流雫。 「澪……」 彼女のためにも、屈するワケにはいかない。  その間にも、視界の運転室の扉が大きくなる。行き止まり……だが、流雫にとってはそうではない。  流雫が跳び上がりながら

          LTRP2-9「Taste Of Bullet」

          LTRP2-8「Eyes Of Devil」

           池袋駅前に戻った3人は、ドーナッツ屋に入った。話したいことは終わったが、或る意味では今日の目的だ。  最初の話題は翌週のイベントだった。悠陽はEXC以外にも回ってみたいブースが有る。一方の流雫と澪は、EXC以外何が有るのか把握していない。そもそも、椎葉からの無料チケットでイベントの存在を知ったほどだ。  スマートフォンで会場マップを開く2人は、その時初めてEXCが右端のホールを半分使っていることを知った。イベント中最大規模だ。公式サイトでも大々的に告知しているのを見ると、改

          LTRP2-8「Eyes Of Devil」

          LTRP2-7「Desire Of Egoist」

           日曜日、何時ものように新宿駅で合流した流雫と澪は、池袋へと移動した。澪にとっては逆戻りする形だが、流雫の迎えは自分から決めたセオリーで、破る気は無い。  池袋駅に着いた2人を、悠陽が出迎える。そして3人は、1週間前のイベント会場へ足を運んだ。  ドーナッツ屋に誘われた日、悠陽はその待ち合わせ場所を池袋に指定していた。 「フラウ……」 悠陽は小さな声でそう呼び、手を合わせる。死の一報を耳にした瞬間、この場所を訪れると決めた。2人は瞬時に、あの撃たれたコスプレイヤーの名前だと察

          LTRP2-7「Desire Of Egoist」