マガジンのカバー画像

作詩-言葉たち-vol2

48
運営しているクリエイター

2016年6月の記事一覧

生きることに出逢うこと

生きる人に出逢いました
生きている人に出逢いました

星のように果てしない願いには
まぶしい人でした
大地に根ざす強さでしょうか

それでも彼らは生きていた

同じ糸を手繰っていたら
きっと代わり映えのない景色
違う扉を探してみよう
星の欠片を見つけられるかも

獣道を掻き分けたら
乾いた笹の葉に傷ついても
腐りかけた果実に涙するよりいい

星を輝かせる
決して手放したりしない

生きている人たち

もっとみる

重なりきれない大切

私が大切にしたいもの、大切にするものを、
大切にすることで、
私が大切に想う世界を大切にしよう

私の大切は、あの人の大切になれない
あの人の大切は、私の大切になれない

重なりきれないふたつを
それすら愛おしんで慈しむ

あの人のいだく宝石が煌めくことを祈るよ
そこに正しさなんてなくて
あの人の放つ光が答えなんだろう

光に望む姿などない
ただ望む光を浴びられることを願う

あなたが生きる姿が見

もっとみる

「わたしの・・・」

頑張れない
頑張らない
理想の
夢の
谷間におっこちて
這い上がる力もない

傷だらけのわたしを
この痛みを
もっと感じていてもいい

裂けるほどの透明な泣き声は
他の誰にもわかることはできないから
あなたの痛みは誰にもわかれない
あなた以外は 誰も

だから痛くないようにしないでいい
目を背けた傷はいつか
思わぬあなたの心臓を突く

一人で抱えきれない息苦しさをどうにかしたくて
必死にのばした指

もっとみる

「次は春色の傘を掲げて」

今日は一日中、
断続的な雨
しとしと しとしと
思い出したように降り続いた

曇天の雲間にわずかに射す太陽も
微笑むことなく行ってしまった

重たい雲は目蓋を腫らして
涙模様の街を見下ろした

ぽつんと浮かぶ傘の色は
悲しみめいたブルーみたいで
後悔滲むパープルのようで
じつは怒りにも似たマゼンタ

気づけば雨はいなくなり
人色ばかりが行き違う

場違いな傘を畳みたいのに
空はまだまだ晴れていない

もっとみる