「わたしの・・・」

頑張れない
頑張らない
理想の
夢の
谷間におっこちて
這い上がる力もない

傷だらけのわたしを
この痛みを
もっと感じていてもいい

裂けるほどの透明な泣き声は
他の誰にもわかることはできないから
あなたの痛みは誰にもわかれない
あなた以外は 誰も

だから痛くないようにしないでいい
目を背けた傷はいつか
思わぬあなたの心臓を突く

一人で抱えきれない息苦しさをどうにかしたくて
必死にのばした指先を
握ってくれた手のひらが思ったより冷たい そして

「誰もがその痛みを抱えているのだ」と人は云うでしょう

けれど、いいえ
あなたの痛みはあなたのものよ
流せた涙は強さの証
弱いわたしを嘆くことができる

だから
息もできないくらい声をあげて
あなたを痛ませる傷を痛がってあげて
よく知ってあげて
それが何か、何に痛むのか

どう癒せばいいのか
わからなくても
わたししかいない
この傷を治してゆけるひと

お手伝いくらいなの
わたしじゃない人ができること
どうしたいのかはわたしが決めなくちゃ
すくじゃなくていい

あなたの時間を生きてください
あなたのために助けを呼んで
あなたが泣けないでいませんか?

あなたの今はあなたのものですか?
あなたの「わたし」はどこにありますか?

わたしの・・・わたしは・・・
未来を望んでいます
未来を夢みていたいと願いつづけているのです




©2016  緋月 燈

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