マガジンのカバー画像

食べ物について

4
運営しているクリエイター

記事一覧

桃、眠る冷蔵庫は光る照らすタイムカプセル

桃、眠る冷蔵庫は光る照らすタイムカプセル

昔から、「長い期間」に対する意識が薄い。
長期間、たとえば4~5年間やっていた習い事(ピアノ)もあったはずで、その間コツコツ積み上げる努力とか、その長い時間によって培われるできることはたくさんあるはずなのに、そもそも「長い期間」の感覚が薄いから、「全然できてない」と思ってしまう。
はじめる前の、ピアノが弾けなかったり、楽譜が読めなかったりしたわたしと比べれば、歴然の差のはずなのに、過去、できなかっ

もっとみる
とうもろこしを茹でる

とうもろこしを茹でる

昔からとうもろこしをよく食べた記憶がある。

幼少期から学生まで、夏休みの思い出はいつもとうもろこしがいる。実家では母が、おばあちゃんの家にいれば、おばあちゃんが、必ず茹でてくれた。

黄色い、ぷちぷちが並んでるだけでうわーっと嬉しくなる。夏が来た、と季節を感じて、また嬉しくなる。夏の盛り、いつもとうもろこしが食卓にあった。何本も茹でられたとうもろこしは、茹でたても、冷やしても美味しい。

茹でた

もっとみる
あったかいうちに

あったかいうちに

小さい頃の記憶がある。母親と料理を作った記憶である。

家族と暮らしていた頃、特に子どものころ、びっくりするほど手伝いをしたことがない。

おそらく、手出しをされたら予定や段取りを崩されて、手間が増えてしまうという理由で、母がやらせなかったのだと思う。そんな話を昔にしていた。それでも、数回、母と一緒に台所に立った記憶がある。

4人家族で住むには、少々狭い、三階建ての二世帯だった。古い家だったが、

もっとみる
ゆで卵について

ゆで卵について

小さいころは卵料理といえば、卵焼きだった。妙に食に対して潔癖というか、食わず嫌いというか、それ以外は食べなかった。目玉焼きもゆで卵も、なんだか火が通ってなさそうだったり、黄身がぼそぼそで食感が気持ち悪そうなどという理由だったと思う。

大人になった今ではどれも食べられる。とりわけ、ゆで卵が好きだ。会社へ通勤していたころは、コンビニのゆで卵を昼休みに買って、おやつ時にこっそりデスクで食べていたり(な

もっとみる