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【フィルム写真と振り返る】うつで休職した結果、かけがえのない経験を得た

私は、本業は会社員、複業でカメラマン・インスタグラマーをしています。
昨年9月から心身の調子を崩し、本業を休職していました。
休職するかどうかはかなり迷ったのですが、
今振り返ってみると、休職して本当によかったなと思っています。

うつは心の風邪、
というように、
いつかは治るものだと思っています。

私が休職に至った経緯、
休職中にしたこと・感じたこと、
休職を終えて考えたことについて、
備忘を兼ねて書いてみようと思います。

(前半は重い内容が続きます。
不快に思われる方は後半からご覧いただくか、
恐れ入りますがページを閉じてください。)




うつになった経緯

仕事での葛藤

新卒から3年間勤めた会社を3月に希望退職し、
新しい会社に入った。
前の会社よりも規模が小さく、古風な会社で、
高圧的な上司や劣悪な人間関係、独特な風習。
上はむしろ「ブラック企業上等!」と豪語している。
そんな環境に適応できず、心身共に疲れてしまった。

この会社で認められるために従ったところで将来はあるのか、
という不信感が高まると同時に、
本当は好きなこと・自分が輝けることをするために独立したい
という気持ちを諦められなくなった。
しかし、フリーランスでやっていけるか不安もある。
そんな葛藤を抱え続けていた。

友人との軋轢

プライベートでも、心労が続いた。

友人Aとの軋轢。
さらに友人Aが友人Bに私の陰口を触れ回ったために誤解を生み、
友人Bからも腫物を扱うような対応を受けた。

軋轢の原因を振り返っても、
それを信頼できる友人に相談しても、
やはり私に非があるとは思えなかった。

しかし、
「周りの人間に、そんな仕打ちをされるほど憎まれた」
という事実に大きなショックを受けた。

SNSのフォローを解除されているのを見たときは、
動悸がして息苦しくなるような心地がした。

恋人への不安

同じ時期に、交際していた恋人に、突如転勤を告げられた。
「2週間後に別の地方に転勤する」
戻ってこられる保証もないらしい。
私は事前に何も聞いておらず、ショックで絶句したが、
彼に迷いや未練はないようだった。

私は彼との将来を真剣に考えていて、
彼も同じ気持ちと信じていた。
転勤を考えている時点で相談があるか、
本音では「一緒に行かないか」と言ってほしかった。

彼は私との将来を真剣に考えてくれているのか、
彼との今後はどうするのか、
自分の人生はどうなるのか、

今まで自分が描いていた未来予想図が崩れてしまった。

不安でいっぱいになった。

それらの出来事が重なって、
自分のなかで処理できなくなってしまったのだと思う。

私は元々完璧主義的なところがあり、
何においても失敗はしたくない、理想通りに運ばなければ
という思いが強いのだと思う。
うまくいかないことが多すぎて、
そのたびに引きずって、消耗していったのだと思う。

自覚のないまま壊れていく

好きなことを楽しめなくなる

私は、うつになってからしばらくは、
まさか自分がうつであるとは思わず、
心療内科を受診したのも、限界が近くなってからだった。

まず最初に違和感をおぼえた出来事は、
趣味の写真撮影をしている時だった。
私は、毎週土日とも撮影に出かけるほどカメラに没頭していた。

ある夏の日、いつものように撮影に出かけた。
しかし、美しい景色を見ても、なぜか心が動かなかった。
いつもは夢中でシャッターを切っているのに、
その日は、どんな写真を撮ればいいのか、
どこでシャッターを切ればいいのか、急にわからなくなった。

つらいことがあっても、趣味だけは楽しい時間を過ごせる、
趣味をモチベーションに頑張れると思っていた私は、内心焦った。
せっかく一緒に来てくれた友人にも申し訳ないと思った。

その時は、それがうつのせいだとは思っていなかった。

https://www.instagram.com/p/C0wDCQzPCM7/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==


思考がまとまらなくなる

次に、以前よりも頭がうまく働かないことを自覚した。

常に頭にもやがかかったような状態で、
物事に集中できなくなった。
決断力もなく、やるべきことが手につかない。
そうしているうちにも仕事は溜まっていって、
整理されていないタスクで頭がいっぱいになり、
さらに思考が鈍っていく。

心ここにあらずで、
相手の話をうまく理解できなかったり、
コミュニケーションにも支障が出てきた。

自分の感情がわからなくなる

その後、自分自身がどうしたいかがわからなくなった。
次の休日は何をしたいのか、
夜ご飯は何を食べたいのか、
そんなに喉が乾いているわけでもないのに水を飲んでみたり、
大して行きたくもないのに頻繁にトイレに行ったりしていた。

空腹は感じるけれど、食事の味には何も感じないので、
1週間、納豆ご飯しか食べなかったこともあった。

自分一人で行動しているときはまだしも、
他人と一緒に行動しているときに、
「どうする?」と意見を求められると、
適当に答えるか、曖昧にやりすごすしかなくてつらかった。

体がおかしくなる

そして、いろいろな症状が出るようになった。
・めまい 立ち眩み
・座る姿勢を維持できない(すぐ横たわってしまう)
・手が震える
・動悸がする
・頭痛、胃痛
・イライラする
この時もまだ、夏バテのせいなどと思って、受診する気はなかった。

涙が止まらなくなる

そんな状態で過ごしていたある日、
電車に乗っていると、なぜか突然涙が止まらなくなった。
何かあったわけでも、
涙が出るようなことを考えていたわけでもなく、驚いた。
顔を伏せて耐えながら帰って、
家に着いた途端、声をあげて泣き出した。

この時に、もしかしたらうつなのかもしれない、
と初めて自覚した。

まさか自分がうつ病になってしまったのかと絶望した気持ちになった。
子どものように泣いている自分が情けなくて、
家族や同僚にも申し訳なくて、さらに泣いた。

その後も毎日、何の前触れもなく、急に涙が出ることが続いた。
そして8月末、ついに心療内科を受診した。

休職中の様子

無気力と焦りの1か月目

休職が決まってしばらくは、
9月の厳しい残暑もあり、家でぼーっと過ごした。

しかし、持ち前の中途半端な完璧主義と貧乏性を発揮し、
「時間がもったいない」「何か行動しなくてはならない」
という焦りに駆られ、落ち着かない日々が続いた。
休職期間が終わったら復職するのか、転職するのか、
将来も決められず不安だった。

そんな状態で心が休まらず、
1か月の予定だった休職期間を3か月に延長することになった。

自分を認めた2か月目

休職期間が延長になったことで、自分の中で吹っ切れた気がした。
「今の自分は休養が必要なんだ」
「せっかく休みをもらったなら心置きなく使おう」
と開き直ることができた。

休職開始から1か月目は、
仕事が気がかりで度々会社のチャットを確認していたが、
見るのをやめた。

だんだんと、楽しいことをしたい、美味しいものを食べたい
といった感情が戻ってきた。
五感が澄まされたような気がして、
花の匂い、綺麗な木漏れ日、季節を感じる風、
一つ一つに感動した。

今を楽しもうと決めた3か月目

とことん自由に過ごすうちに、
だんだんとご機嫌で過ごせる日が増えてきた。
不安なことばかり考えず、
今はただこの状況を楽しもうと決めた。

家でも外でも泣くことはなくなり、笑うことが増えた。
むしろ休職前の自分よりも明るくなれたようにも思えた。

休職した感想

周囲に伝えてよかった

私は、休職中ということを、
親しい友人に充ててSNSで公開した。

すると、
たくさんの励ましの言葉をかけてもらったり、
思いがけず嬉しい反応があった。

意外だったのは、
隠れた「仲間」が多かったこと。
実は私もうつになったことがあって…
適応障害で休職したことがあって…
という反応をもらった。

私がうつを公開していなければ、
おそらく相手もそれを打ち明けてくれることはなかったと思う。
共感できる話ができたし、
誰かに話したり話を聞いたことで、
自分の気持ちが確かになった気がした。
また、相手が自分を信頼して話してくれたのだと思うと、
大きな心の支えになった。


「無理して頑張る=正義」ではない

休職前は、
仕事を完璧にこなさないといけない、
休んではいけない、評価に響く
などと考え、休職を躊躇していた。

実際に4か月休職した結果、同僚の見る目が変わったように感じるし、
期末賞与は本来の1/4しか貰えなかった。

しかし、いい意味で気楽に仕事に取り組めるようになったと思う。
「認められたい」「もっとやらなければならない」
という気持ちは持ちすぎず、
ほどほどに、無理はしないこと。
大げさに言うと、寿命を縮めてまで頑張らないこと。
また、自分にも他人にも過度に期待しないこと。

うつになってつらかった時期、
回復して世界が変わって見える今、
どちらも経験したからこそ、
自分をいたわることの大切さを感じる。

今だからこその経験ができた

会社員をしていると、休日は土日しかない。
数か月単位の休みなんて到底ない。

休職して平日を自由に過ごせるようになったことで、
土日になかなか予定が合わない友人と会えたり、
自由な日程で旅行に行けたりした。

また、土日には難しい飲食店や宿泊施設の撮影案件を受けたり、
次の仕事に繋がる関係を得ることもできた。

また、人生に悩んだ今だからこそ、
無意識にいろいろなところにアンテナを張っていて、
いろいろなことを考えることができたと思う。


おわりに

長くなってしまいましたが、
最初に書いた通り、
結果的に休職は自分にとってプラスだったな、と思っています。

今回の休職に限らず、
人生、思い通りにいかないことも多いと思います。
しかし、だからこそ、うまくいくことの喜びや有難さを感じたり、
予想外に得られる好機や学びもあると思っています。

「思い通り」にこだわりすぎず、
いろいろなことに幸せを見いだせるような人生を歩んでいきたいです。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

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#自分らしく生きる

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