湊かなえ【未来】　大人からの被害に苦しむ子供たちへ

重い。
とても重い内容の本だった。

大人からの暴力や性被害に苦しむ子供達のニュースが、
毎日のように聞こえて来る。
今この瞬間にも、日本のどこかで作中のような状況にあっている子供が存在する。
そんな子供がいてはいけない。

日本には様々な法制度があり、子供を保護する環境もきちんと整っている。
私たち「大人」は、声を上げれば誰かが助けてくれることを知っている。
正しい方法で諦めずに声を上げれば、明るい道が開けるはずだ。

しかし、無知で未熟な子供はどうだろう。
子供たちは、声を上げることさえできないのではないだろうか。
助けてくれる大人や法律があることを知らない子供は、たくさんいる。
何かしらの被害にあっていて、「辛い。もう死にたい。いつまでこんな生活が続くんだろうか？もうこの先、何も変わらないのではないか？」
と、泣いて、悲しくて、悔しくて、涙も出なくなって、心を閉ざしてしまう子供が、たくさんいる。
死んでしまおうとする人が、いる。

そんな子供たちへ。
辛い思いをしている、そこのあなたへ。

まず、ほんのちょっとの勇気を出して、
担任の先生に自分が思っていることを言おう。
声に出したくないなら、文字に書いたっていい。
担任の先生がダメなら隣のクラスの先生に言おう。
先生がダメなら交番に行こう。
日本の警察は優秀だ。
万が一警察がダメなら児童相談所。
児童相談所まで行けないなら、
友達や、友達の親に話したっていい。
今まで通っていた幼稚園や小学校、習い事があるなら
そこに行ってSOSを出していい。
とにかく大人に伝えるんだ、1人がダメなら10人、20人に助けを求めよう。

とにかく、
発言しろ。
訴えろ。
声を出せ。
叫べ。
諦めるな。
絶望するな。
何度でも助けを求めるんだ。

大丈夫、世界はそこまで酷くない。
むしろ思ってるより何倍も優しい。
絶対に助けてくれる大人がいる。絶対にいる。
生きることを、辛いことから逃げることを諦めないで欲しい。

24歳より