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私の人生は貪欲に

今回は、昨晩放映された「ホンマでっか⁉︎TV」の中で、特に気になった内容をひとつだけ紹介したいと思います。

それは、心理評論家・植木理恵先生が話されていた〝皮肉過程理論〟というもの。

「人は物事を忘れようとすると、より鮮明に覚えてしまう」ということらしいです。

「皮肉過程理論(Ironic process theory)」

1987年にダニエル・ウェグナー(Daniel Merton Wegner)が提唱した、「何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる」という現象を説明する理論である。

皮肉過程理論では人間の思考過程を、実行過程と監視過程に分けて考え、「考えない」という命令を実行するために思考を監視する監視過程を実行するためには「考えること」を覚えて置く必要があるとし、考えないという目的の達成のためには考える必要があるとした理論である。

タバコをやめようと考えることでよりタバコのことを考えてしまい、タバコが吸いたくなるなどにも通じる。

Wikipediaより

植木先生は、ウェグナーがその研究目的に行った「シロクマ実験」を紹介。

Wikipedia で詳しく書かれていた実験内容は以下のとおりです。

「シロクマ実験」

・A・B・Cの3つの実験参加者グループを用意する。

・すべてのグループにシロクマの1日を追った同じ映像を見せる。

・Aグループの参加者には、シロクマのことを覚えておくように言う。

・Bグループの参加者には、シロクマのことを考えても考えなくてもいいと言う。

・Cグループの参加者には、シロクマのことだけは絶対に考えないでくださいと言う。

・一定の時間が経ったあと、実験協力者に映像について覚えているかを尋ねる。

Wikipediaより

結果、最も映像について詳しく覚えていたグループは、「絶対に考えないで下さい」と言われたCグループであったそうです。

それを「記憶の皮肉な過程の理論」と植木先生は説明。

「実行過程と監視過程」

皮肉過程理論では、人間は自分の思考をコントロールしたいと思う時、実行過程と監視過程の2つが働くと考える。

実行過程(operating process)とは、実際に思考を行う過程であり、特に思考をコントロールしたいと思っていない場合に主として使う過程である。
上記のシロクマ実験では、シロクマの映像を思い出すことが含まれる。

監視過程(monitoring process)とは、自分の思考をコントロールしたいと思う時に働く過程であり、そのコントロールしたい内容に反していないかを監視する過程である。
上記のシロクマ実験では、シロクマの映像を思い出してはいけないとチェックすることが当たる。

しかし、監視過程でシロクマのことを考えているかを監視するためには、実行過程においてシロクマについて考える必要がある。

そしてシロクマについて考えるたびに、監視過程はシロクマについて考えたことを検出する。

さらに、考えないようにすればするほど、動物園に行くだけでもシロクマについて考えてはいけないことをチェックするなど、考えることに繋がるものも排除しようとするため、結果的に他の動物に比べても高い頻度で思い出し、忘れることが難しくなる。

Wikipediaより

今回の番組のテーマは「恋愛ヘタすぎる女子の人生相談」。

植木先生曰く「失恋した元カレを忘れようと思えば思うほど、忘れる内容を反復して思い出し記憶に残る」のだそう。

なので植木先生は逆に「塩塗り療法」というものを提唱されています。

それは、「嫌な記憶を口に出し続けると、クヨクヨする事に飽きて失恋から回復する」というもの。

これは失恋に限らず、何にたいしても利用できる方法ですね。

と言ってもなかなかそんな簡単なことではありません。

嫌な思いをすれば、早く忘れたいと思うもの。

特に私は良い思いだけをチョイスして、嫌な思いは出来るだけ早く脳内から消し去るようにして今までずっと生きてきたように思います。

その方が絶対幸せだと確信していたから。

また、愚痴をこぼすことは良くないことと勝手に思い込んでおり、家族にはもちろん、友人にもなかなか自分の嫌な思いというものを打ち明けることは出来ない性格でした。

それはきっと、人に弱い自分を見せてしまう「恥ずかしさ」と、人に話すことにより自身に記憶をまた甦らせてしまうという「怖さ」があったのだと思います。

忘れよう忘れようとひとりで抱え込み、知らない間に自分を追い込んでいき、結果そのことが自分の中で忘れられない出来事になってしまう。

まさしく皮肉な理論です。

最近55歳を迎えた私ですが、そんな私が50歳を過ぎた頃、ふと漠然と『このままでいいのだろうか…』と思ったことがあります。

そんな時本屋さんで、心理カウンセラー・心屋仁之助さんの「50歳から人生を大逆転」という本と出会いました。

その中には考えられないことが書かれていました。

それは、

これからは人にどんどん迷惑をかけてみよう
イヤなことはやめてわがままに生きよう

そのような内容でした。

『迷惑をかけてもいいの?わがままになっていいの?』

と、当時の私には何もかもがショッキングな内容ばかり。

その時思ったんです。

私はいかに損な生き方をしてきたのか。

『もっと図々しくて良かったのかも…』

そう思いましたが、そんな生き方をしてきてたら、きっと今の私は居ないでしょう。

私は今の私が好き。
愛おしく思っています。

こんな私だからこそ、嫌な事を忘れようとしても、より鮮明に覚えてしまってるんでしょうね。

でも過去は過去。

忘れることは出来なくても、心の奥の方に封印することは可能です。

私はこの歳で、ようやくそれを叶えることが出来ました。

〝嫌な過去を封印する〟ということ。

こんな記事を書いていたり、またその場所へ足を運ばなければいけなかったりすると、たまにチラッとそんな嫌な思い出が顔を出すこともありますけど、ホントにチラッとだけで、全てが目の前に現れる訳ではありません。

嫌な思い出も、今では懐かしささえ覚える、今の私を作り出した〝愛しい過去〟なのです。

一概に時がそうさせたとは思いませんが、波瀾万丈であった私みたいな人生でも、歳を重ねれば、こんな風に穏やかな人生が送れるようになるんですね。

でも若い方は違います。

植木先生が提唱されている「塩塗り療法」が効くのかも知れません。

別の先生がおっしゃっていたように、嫌な記憶を聞いてもらう相手は、家族や友人よりも、あまり関係のない第三者が良いとのこと。

そういう相談窓口を利用されるのも良いかも知れませんね。

ひとりで抱え込むのは良くないということは確かです。


先ほど穏やかな人生を送っていると書きましたが、新しい仕事が見つかれば私もそうは言ってられないでしょう。

職探しをしている今も、決して心穏やかではないのかも知れません。

でもね。
やる事さえしっかりしていれば、私はそれで良いと思っています。

昔の私は子育てもありましたから、今とは立場も違うので仕方ないのですが、もっと必死で無我夢中で、心に余裕などありませんでした。

確かに苦しかったです。

55年間生きてきて、酸いも甘いも噛み分けてきた人生。

子育ても終わり、これからはもっとワガママに、そしてもっと正直に生きていきたいと改めて強く決意しました。

今ではどんな些細なことでも、嫌だったことは娘や息子によくボヤいています(笑)。

聞かされてる方はたまったものではないのかもだけど、皆んな優しくなだめてくれます(笑)。

最近は友人に会う機会もグッと減りましたが、私の思いの丈を話すと、彼女達は優しく賛同してくれ、的確なアドバイスをくれます。

彼女達に話を聞いてもらうだけで元気になれます。

そして前向きになれます。

そんな周りの存在に感謝しないといけませんね。


もう一度、心屋さんの本を読み返します。

そしてまた、これからも私らしく過ごしていきたいと思います。


最後までお読みいただき有難うございました♪

ではまた。        Tomoka (❛ ∇ ❛✿)

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