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城崎紀行〜親孝行の旅③

車椅子の母と城崎温泉へ一泊の旅行に出かけた、旅日記その3。

2日目の記録♪

ホテルをチェックアウトし、駅のコインロッカーに荷物を預けるため、ホテルの送迎バスを利用。

高齢の母を連れてのこの旅は、「スローペースでゆっくりマッタリ」と過ごすことにしていた私達は、朝の出発もゆっくり(笑)

送迎バスはピークを過ぎていたのかガラガラで、運転手さんが車椅子を積んでくださり、みんなで余裕で乗り込むことが出来た。

駅前で降ろしてもらい、必要な荷物だけを持ち、あとはロッカーに預けた。

車椅子を押し、温泉街を散策。

街並みがステキ♪

お土産屋さんを物色しながら、目星のものを確認して回る。

息子や娘にリクエストされたものはひとつのお店で揃っており、最後に買うことに。

外湯はひとつだけ入ろうということになったが、私にはどうしても行きたいところがあり、別行動をすることにした。

私が行きたかったところ、それは「四所神社」と「温泉寺」。

御朱印帳を始めたばかりの私は、せっかくの旅行先でお詣りしない手はないと思っていて、ひとり静かにお詣りがしたいと思っていた。

その気持ちを娘は汲んでくれ、「おばあちゃんは私が見るから行っといで♪」と言ってくれた。

私はひとり「四所神社」へ。

娘たちは四所神社のお隣りの「御所の湯」へ。

四所神社へ入りお詣りを済ませる。

「四所神社」は、古来より城崎温泉の氏神・温泉の守護神として信仰されてきた神社。

四所(四柱)の神とは、温泉守護神の湯山主神(ゆやまぬしのおおかみ)と、多岐里比売神(たきりひめのかみ)・田記津比売神(たきつひめのかみ)・市杵比売神(いちきひめのかみ)の宗像三女神。

宗像三女神は水の守護神でもあるという。

今の私は女性の神様に呼ばれるのか。

水を見ると落ち着くという自分の特性と、御朱印を始めるきっかけとなった神様も女性の神様だったということもあり、私はこの「四所神社」に勝手にご縁を感じていた。

ラッキーなことに参拝客は誰ひとり居なかった。

しばし厳かな空気を独り占め。

さて、御朱印をいただこうと思ったが、辺りを見渡しても社務所が見当たらない。

奥には普通の一軒家がぽつり。

「そこに声をかけるの?
いやいや、そんな勇気はない。
これは諦めるしかないか…」

と思い、残念な気持ちで神社をあとにした。

ひとりで街を歩く贅沢な時間。

城崎へ来たのは初めてではないけど、こんなふうにひとりでゆっくり回るのは初めてだ。

珍しい射的ができる遊技場や、コケシがずらーっと並んでいるお土産屋さん。

美しいお寺さんや、こんなかわいい神社も。

7つの外湯のうちの1つであるこの「まんだら湯」。

そこにはこんな逸話があるそう。

元正天皇の養老元年(717年)、城崎の地を訪れた道智上人(どうちしょうにん)が目にしたのは、難病に苦しむ人々。

道智上人は、鎮守四所明神に「何とかして悪い病気で苦しんでいる人々を救いたい」と祈願した。

すると、道智上人の夢の中に白髪の老人が現れ、「上人よ、ここから西南にあるビランの木の下を掘ると汝の求める温泉が見つるだろう」と言い姿を消したという。

道智上人はそのお告げを信じて、今のまんだら湯の場所に一千日の間、八曼陀羅経(はちまんだらきょう)というお経を唱え続けたところ、霊湯が湧き出した。

これが「まんだら湯」の由来であり、「城崎温泉」の発見とされているという。

温泉街らしい風景を楽しみながら歩いていると、地図を見なかったにも関わらず、方向音痴なこの私が自然と「温泉寺」へ辿り着いたのには少し感動。

足湯もあり、温泉卵が自分で作れるというお店はとても賑わっていた。

その先を進むと由緒ある「末代山温泉寺」が見えてくる。

空気がピンと変わる。

「温泉寺」は養老4年(720)に城崎温泉を開いた道智上人(どうちしょうにん)により天平10年(738)に開創された古刹(古寺)。

道智上人により城崎温泉が開かれ、その後、大和(奈良)の長谷寺の観音さまと同木同作の由緒正しき観音像を得て、寺を開創されたという。

末代山温泉寺の山号・寺号は、聖武天皇より「城崎温泉の守護寺」として賜わったもので、以来約千三百年の間、城崎温泉とその入湯客を見守る山陰の由緒あるお寺なのだ。

千三百年…。

今の私がこちらに来れたのも何かのご縁。

そう思わずにはいられない。

しかし、実は本尊を祀る本堂は、山の中腹にあるという。

ロープウェイを利用するとお詣りできるらしいのだが、さすがにそんな時間はなく、この山麓にある城崎温泉守護の薬師如来を祀っている薬師堂へ参拝することに。

そして側には寺務所があり、温泉寺の全種類の御朱印がずらっとありしばらく迷っていると、女性の住職さんが「こちらは薬師堂になるので基本的にはこちらになります」と教えてくださった。

「ではこちらをお願いします」と、持ってきていた寺院用の新品の御朱印帳を取り出し、本当は書いていただくページを開けてお渡ししないといけないのだが、どちらのページから始めるのかもわからず、「すみません、初めてなもので…お願いします」とそのまま渡す情けない私。

「こちらですね」と優しく笑顔でページを開いてくださり、なんとも素晴らしい御朱印を拝受した。

それがこちら♪

寺院の御朱印デビューを果たし、しばらく感動。

しかも目の前で書いてくださるのを見れるという贅沢。

深く感謝し、温泉寺を後にしようとしたタイミングで娘から連絡が入る。

「御所の湯から上がったよ♪」とのこと。

合流したところでウキウキしながら母が私に言った。

「温泉、良かったよ〜〜♡」

娘も同じく言う。

「露天風呂、めっちゃ良かったよ!あれは入るべきだよ♪今から入っておいでよ〜」

「でもタオルないし、いいよ」

「使ってないのが1枚あるから貸してあげる!」

「その間どうするの?」

「温泉寺はどうだった?」

「すごい良かった♪」

「じゃあ行ってくるよ!」

「え?まじで?」

「うん、マジ笑。だから行っといで♪
あとは適当に時間潰しておくから!」

このような会話を交わし、私ひとり再び別行動へ。


つづく♡


最後までお読みいただき有難うございました♪

ではまた。        Tomoka (❛ ∇ ❛✿)


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