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自炊のモチベーションがUPする「食の本」①

「毎日の食事作りがしんどい…」と思った私は、これまでたくさんの食にまつわる本を読むことで、食の大切さを学び、料理のモチベーションを上げてもらう手助けをしていただきました。

そこで、たくさんの食にまつわる本の中から、ひとつつずつピックアップしてお届けしていきます。

本の内容だけでなく、それぞれの本から得られた料理のモチベーションがアップする言葉や考え方、調理法などを紹介します。

日本人が酷暑を乗り切る身体作りに欠かせない栄養とは?


本の紹介
本書は、料理研究家である辰巳芳子さんの著書や講演をもとに編集されたもの。これまで語られてきた大切な言葉が素敵なイラストと共に綴られています。

それだけに、辰巳芳子さんの名言とも言える言葉や哲学がこの一冊に凝縮されており、アレコレ読まなくとも、料理や食に対する大事なポイントをおさえることができる一冊。

辰巳芳子さんのレシピ本といえば、単なるレシピを紹介するのではなく、その料理を提案する意味や美味しさの理由、単に作り方を伝えるだけでなく、なぜそうするのか、季節との関連や心得等も綴られているので、読みものとして楽しめるだけでなく、凄く勉強になります。

本書はページ数や文字数が多くはないけれど、端的に著者ならではの食の哲学がまとめられているので、読書が苦手な人にもおすすめ。

「そもそも、なぜ料理しないといけないの?」「なぜ食が大事なの?」と思う人は手にとってみてください。


日本料理の基は出汁。
出汁を使う料理が
地球温暖化に対処できる身体を作る

温暖化がすすむと、日本はもっと蒸し暑く、非常にしのぎにくい国になっていくと思います。そのとき、現在のように油っぽい料理ばかりで、しかもタンパク質を多く摂り過ぎていたのでは、やっていけなくなります。・・・・・・豊富なミネラルとほどほどのタンパク質が、日本人を生きていきやすくするのではないでしょうか。出汁を巧みにひいておつゆにしたり、煮物やお浸しに使ったりして、自分たちの体をまず養っていく。特に昆布は血管にいい影響があるといわれていますし、鰹節は疲れをとります。昔の人の食べ方には、学ぶべきところがたくさんあるのです。

 
 『辰巳芳子にまなぶ 希望をはぐくむ日々の食卓』PHP研究所(監修者/辰巳芳子 
編集/グラフマーケット)より引用


上記の引用文にもあるように、子どもがいる家庭は特にハンバーグ、唐揚げ、カレーといった油が多い料理を作ることが多いのではないでしょうか。我が家も自分が煮物を食べたいと思っても、子どもは煮物や焼き魚よりも洋食系が好きなので、献立に悩むことが多々あります。

また、糖質制限をして、ステーキ、唐揚げ、焼肉といった肉ばかり食べて脂質に偏った食事になってしまっている人も中にはいるかもしれません。

そんなときこそ、豊富なミネラルとほどほどのタンパク質が補える出汁を活用することで、健康だけでなく地球温暖化による酷暑にも対応できる身体を作ることができるといわれています。

また、出汁を活用することで塩分や調味料の使用量も少なくすることができ、精神の安定作用やダイエット効果も期待することができるだけに、出汁をとらないのはもったいないですよね。

著者いわく、何時間も煮込んで出汁をとる海外に比べると、日本の出汁は短時間でラクにできるだけに、出汁をひかないのはもったいないとのこと。
私はそれを知ったとき、「だったら出汁をとろう!」と思って実践したのですが、忙しい現代人にとっては、いちいちやっていられない!と思う人が多いのかもしれません。

出汁をとるのは大変じゃない?

さて、これを読んでいる人の中で、自分で出汁をとっているという方は何人いらっしゃるでしょうか?

今やおいしくて簡単に出汁がとれるパック出汁や粉末出汁があるので、それらを活用している人が多いと思います。私も出汁をとるなんて考えたこともありませんでした。

ところが、実際にやってみると、気づけば習慣になり、意外にも苦ではなくなっている自分がいました。
出汁は効能だけでなく、食べたときの満足感が違うこともわかり、今では出汁をとることが欠かせなくなりました。

美味しさの満足感、体に良いという満足感、そして自己肯定感も高まることに気づいたのです

どうやってラクに出汁をとるの?

著者が提案する「展開料理」の一つに「出汁を1週間分まとめてひく」というものがあり、私は初めにこれを参考にして自己流で「まとめて出汁をとる」ことに挑戦しました。

たっぷり水を入れた大きな鍋に昆布を入れ、沸騰したら弱火で少し昆布出汁を取ったら昆布を引き上げ、そこに鰹節をバサっと入れます。
火を消し、鰹節が沈んだら網目の細かいザルに引き上げ、冷ましたら麦茶を入れるポットや製氷器に入れて冷蔵庫と冷凍庫にまとめて保存。それをお味噌汁や煮物などに活用していました。

あとは、使用する前日などに、同じく麦茶を入れるポットに頭とハラワタを取った煮干しや昆布や干し椎茸を入れた「ずぼら出汁」も活用!

ちなみに著者いわく、夏場は出汁が傷みやすいので梅干しを入れておくと良いそうです。

ところが、まとめて出汁をとることが面倒になってしまった私、、、。
現在はどうしているかというと、ずぼら出汁だけでなく、煮干しを入れて具材と一緒に煮て後から煮干しだけ取り出したり、料理の一番最初にかつお出汁をササッと、とるようになりました。

昆布のずぼら出汁を鍋に入れ、沸騰したらかつお節を入れて火を消し、その間に具材を切るだけなので簡単です。

我が家では腸活のために毎日味噌汁を作っていますが(脳腸相関というほど、腸の状態が精神にも影響するので)、習慣になると苦ではなくなるから不思議です。

出汁をとっている間に、野菜を切ったり炒めたり他の料理を作れるので、負担に感じることはありません。とはいえ、まとめて出汁をとって保存しておくほうがラクと思う方は、ぜひお休みの空いた時間にやってみてください。

出汁をとった後の煮干しや昆布は冷凍庫に保存しておき、たまったら醤油、みりん、お酒、水で佃煮を作ってご飯といただいています。魚が苦手な子でも、佃煮にすることで食べてくれるかもしれませんね。

昆布は不溶性食物繊維なので、血管に良いだけでなく、便秘改善やコレステロール値を改善する効果もあるので、ダイエットや生活習慣病予防にもおすすめの食材です。

毎日食事を作るのは簡単なことではないですが、料理は単にお腹を満たすものではなく、日々の体と心を作るものなの。
なので、今日も本からいただいたエネルギーや方法を参考にキッチンに立っています。

家族や自分の体と心を養う料理に、少しでもやりがいが感じられたらいいですよね。

次回は献立を考えるのがしんどい人に向けた本と言葉をお届けします。

体も心も健やかな日々を過ごせますようにーーー。