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Hint(まどろみ文庫)

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2023年10月の記事一覧

【随想】小説『イニシエーション・ラブ』乾くるみ

【随想】小説『イニシエーション・ラブ』乾くるみ

いやー、最後まで読んで「えっ!どういうこと?!」ってなったのは、我ながらいい読者だ…。
作者の思い通り、まんまと乗せられて乗せられて。
ラスト2行でひっくり返ると大々的に宣伝されていた本だったので、冒頭から注意深く読んでいたが、途中からは別におかしなところはないぞと思い始め、するとだんだん小さな違和感もスルーするようになり、結局最後にはどんでん返しされてしまった。

舞台は36年前の静岡と東京。

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【随想】極私的ドラマランキング『最高の教師』『VIVANT』『こっち向いてよ向井くん』他

【随想】極私的ドラマランキング『最高の教師』『VIVANT』『こっち向いてよ向井くん』他

この夏の極私的ドラマランキング!

普段はそんなにドラマは見ないのだが、この夏は、なぜかたくさん見た!松本人志の言葉を借りれば、「見すぎ見すぎ見すぎだから」。ドラマは映画と比べてタイパが悪いなんて思ってるわけではないけれど、だいたい1作品8話〜12話とかあって、全部見るのに10時間以上かかることを考えると、迂闊に手が出せない。ところが、昨今の見逃し配信は倍速再生機能があり、TVerは2倍速はないも

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【随想】小説『グラスホッパー』伊坂幸太郎

【随想】小説『グラスホッパー』伊坂幸太郎

ちょっと次何読んでいいか迷い始めてしまったので、
途中まで読んでいた伊坂作品でお茶を濁すことにする。

『グラスホッパー』

2004年の作品だ。

杉江松恋の解説を読むと、
この小説は「伊坂幸太郎が初めて書いたハードボイルド小説」であるらしい。

ハードボイルドってなんだろう。

なるほど。
でも読んだ感じ、ハードボイルドというより、
ブラッドシンプルやノーカントリーを見た感じに近い印象を持った

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【随想】小説『傲慢と善良』辻村深月

【随想】小説『傲慢と善良』辻村深月

さてさて。
初の辻村深月作品。
『傲慢と善良』と『かがみの孤城』のどちらにするか迷って、前者にした。
冒頭を立ち読みしたら、どちらも面白そうで、悩ましかったが、『かがみの孤城』は上下巻あって、ファンタジーかつ子供向けかなと思い、まずはボリュームが少なく、ミステリーというとっつきやすさがある『傲慢と善良』にしてみた。
ボリュームが少ないといっても、500ページはあるから、結構読むのに時間がかかった。

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