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【あがり症】緊張した時に、「頭が真っ白になる」理由を、きちんと知っておく

あがり症克服のために
トライアンドエラー
(セルフ人体実験ともいう)を
繰り返した、ロン毛のあがり症です。


今回のテーマは、
「緊張した時に、”頭が真っ白になる”理由を、
 きちんと知っておく」
です。


“社内のプレゼンで頭が真っ白になった”
“会議で、急に発言を求められ頭が真っ白になった”


こういう経験をされた方、いると思います。


かくゆう私も、その一人。


今回は、そうなってしまう理由について、
文献を引用しながら、お伝えします。


今回も、あがり症の改善に役立つ内容です。


ぜひ、最後まで読んでみて下さいね!


実体験エピソード


私は、多くのあがり症の方と交流してきましたが、
緊張時の身体の症状は、人それぞれ。


例えば、

「頭が真っ白+声の震え+動悸」の方もいれば、
「頭が真っ白+赤面+発汗」の方もいる。

「頭が真っ白+腹痛」の方もいれば、
「頭が真っ白」だけの方もいます。


あと、「頭が真っ白」という表現は使わなくても、

「緊張してしまい、話している最中に、
 自分が何を言っているのか分からなくなった」

という方も、ちょくちょくおられます。


本当に、色々なバリエーションがありますね。


その中でも、「頭が真っ白になる」というのは、
一番よく聞く症状かも知れません。


かくいう私も、過去、人前で話す時には、
よく頭が真っ白になっていました。


例えば、社内の会議の場面で、発言を求められた時。


身体は、即座に反応します。


心臓はバクバク、体はプルプル、、、


過去の私は、
その”強い体の反応”に対して恐怖し、
圧倒されることが多かったです(汗)


このまま、震えが止まらなかったら恐ろしい、、、
みたいな感覚です。


そうなってしまうと、その“身体の反応”に
思考が釘付けになり、うまく思考が回ってくれません。


その結果、論理的な、まっとうなコメントを
生み出すことが難しくなります。

(ちなみに、この場合、的外れなコメントをしている
自分にも緊張する。という二段構えになっています汗)


これが、「頭が真っ白になる」ということ。


こういったパターンの方、
多いんではないでしょうか。


では次に、なぜそうなってしまうのかを
見ていきましょう。


なぜ、頭が真っ白になるのか?


今回は4冊の文献を引用しながら、
頭が真っ白になる理由を見ていきます。

(いくつもの類書を調べるのが私のスタイル)


まず、1冊目から。

自分の生命が危機にあるとき、考える前に反応できることは不可欠です。それは扁桃体の仕事です。もし、海馬が脅威下のときに活動し続けていれば、生き抜くために必要な自動制御と素早さの邪魔になることでしょう。それで扁桃体はストレスホルモンのレベルを上昇させ、海馬はいわばオフラインとなるのです。

PTSDとトラウマの基礎知識(P35)
/パペット・ロスチャイルド


ここには、自分の身に脅威が迫った時には、
海馬の機能が停止するということが書いています。

(ちなみに、海馬とは、「記憶」を担う役割。)


その理由は、脅威に直面した時に、
あれこれ思考していれば、咄嗟に反応できないから。


あがり症の方に当てはめてみると、

人前でなにか話そうと思っても、海馬から必要な情報を
取り出すことが出来なくなる、、、


その結果、思考することが困難になってしまう
ということですね。
(つまり、頭が真っ白になる)


次に、2冊目。

いったん脅威スキーマが活性化されると、認知活動を支配するため、心配性の人にとっては知覚された脅威以外のものを処理することが困難になる。
※スキーマ=枠組み

セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック(P103)
/ティモシー・A・サイズモア


自分に脅威が迫った時には、

そのことに思考が釘付けになるので、
他のことを思考することが困難になる。

ということが書いてますね。


あがり症の方にとっての脅威は、
人前で話すことや、それに伴って緊張すること。


だから、人前に立って話す時には、
それ以外のことを思考できなくなるということですね。


次に、3冊目。

われわれが情動でひどく苦しんでいるときには、それは何か重要なこと、おそらく生命をおびやかすことが起こっているからであり、脳のもつ資源と手段の大部はこの問題に費やされる。情動は、一つの目標にすべてが向けられた嵐のような活動を引き起こす。

~中略~

われわれは時間的余裕をまったく失い、予備の心的資源もなくなる。自我全体が情動に吸収されてしまう。

エモーショナル・ブレイン(P357)
/ジョセフ・ルドゥ


ひらたく言うと、、、


もう、2冊目に書いていることと全く同じです。
(決して、手を抜いてるわけではない)


最後に、4冊目。

内臓で経験する情動脳からの感覚入力が強烈であればあるほど、それに水を差す理性脳の能力が弱まる。

体はトラウマを記録する(P101)
/ベッセル・ヴァン・デア・コーク


あがり症の方は、人前で話す時に、

・心臓の凄まじいバクバク感
・声や、手足の震え
・赤面や、発汗

といった、自分の体の反応を感じて、
圧倒されることがあるでしょう。


いわば、緊張している自分自身に
思考が釘付けになっている状態。



そうなれば、脳(前頭前野)を働かせ、他のことを
思考することが困難になる
、ということですね。


さて、今回4冊の本から引用してお伝えしました。


これらの、引用文に書いていることが、
「頭が真っ白になる」ということです。


頭が真っ白との向き合い方


脳の最大のミッションは、
人を危険から遠ざけることです。


あがり症の方が人前で話す際に、
身体に様々な症状が出てしまうのは、そのための反応。


頭が真っ白になってしまうのも、その一つ。


これは、人に備わった防衛本能の働きであり、
意思の力でどうこうできるものではありません。


「頭が真っ白になるな!」と、
自分に言い聞かせたところで、とうてい無理、、、


むしろ、コントロールしないといけない
危険な状況という刺激を脳(扁桃体)に与え、
より症状が強くなってしまいます。



だから、頭が真っ白になっても、
「いつものやつ」が来たな~といった具合に
受け入れていくしか、やりようがない。


なお、「頭真っ白」を含む、
強烈な身体の反応については、人前で話す成功体験を
積むことにより、改善させることが出来ます。

(勝手に、セルフエクスポージャーと呼んでいます)


この投稿の一番後ろに、参考になりそうな
過去の投稿を貼っておきますので見て下さいね。


まとめ


今回、頭が真っ白になる理由について、
お伝えしました。


この記事をご覧の方の中には、
人前で「頭が真っ白」になることに、
恐怖している方もいるかも知れません。


しかし、それは脳の働きの一つなんですね。


もし、頭が真っ白になった時には、
それをコントロールしようとせず、
受け入れることが大切です。


ちなみに、今の私が「頭が真っ白」に
なった時は、どうしているか?


それは、「頭が真っ白になりました」と
言ってしまいます(笑)



実は、こうすると、
思考が戻ったりするんですよね〜。


これ、ホンマ。
間違いなく、緊張が緩みます。

(喉につっかえていたものが取れた感覚になれます。)


いわば、緊張を受け入れる、一つの方法です。


言うのに少しだけ勇気が要りますが、
言えるようになれば
メチャクチャ強力な武器になりますよ!


私の体験談が、
皆さんのあがり症克服の
お役に立てれば幸いです。

(関連リンク)
核心的な話:成功体験はどのように脳に働くのか?
45秒でわかる:成功体験が大切な理由
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