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動画【パラドックス#34】スマリヤンのパラドックス!

古代ギリシャ時代から現在に至る多種多彩な「パラドックス」を解説する【パラドックス】シリーズを、YouTube チャンネル「高橋昌一郎」で開始した。お楽しみいただけたら幸い!

第34回「スマリヤンのパラドックス!」

A氏、B氏、C氏の3人が砂漠で道に迷ってしまった。ある地点で、3人は各々が別の道を歩いていくことにした。

実は、A氏とB氏は、C氏のことを恨んでおり殺意を抱いていた。別れる前の晩、A氏はC氏の水筒に猛毒を入れておいた。そのことを知らないB氏は、C氏が砂漠の真ん中で水が飲めなくなって死ぬように、C氏の水筒の底に穴を開けておいた。

さて、翌日、3人が別れて各々の道を歩き始めた後、C氏は自分の水筒の中身が空になっていることに気づいた。やがてC氏は、喉の乾きのために死んでしまった。ここで問題は、誰がC氏を殺したのかということである。

A氏もB氏も殺人を計画したことは間違いない。しかし、水筒に猛毒を入れたA氏の行為は、C氏を殺した原因にはなっていないので、A氏を犯人とは言いきれない。では、水筒に穴を開けたB氏が犯人だろうか? しかし、もしB氏が水筒に穴を開けなければ、C氏は水筒の猛毒を飲んで、もっと早くに死亡していたはずである。つまり、B氏はC氏の死を遅らせた(考え方によってはC氏を救った)と言えるので、B氏も犯人とは言いきれない。

A氏もB氏も犯人ではないとすると、C氏の殺人が行われたにもかかわらず、殺人犯がいないことになっ てしまう。いったい誰が殺人犯なのだろうか?

高橋昌一郎(監修)『パラドックス大図鑑』ニュートンプレス、pp. 86-87.

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