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僕も連れて行ってよ

父が死にました。

 僕への最期の言葉は「りゃんシー、苦しいよ…」でしたね。
 やっぱりコロナから完全に回復できなくて、痰が絡んで呼吸不全になったみたいです。
 本当は退院しちゃいけなかったみたいなんだけど、二酸化炭素中毒で幻覚を見てパニックになってしまったみたいですね。僕も似たような経緯で無理矢理退院した事あるので発達障害あるあるなんでしょう。それで自宅に痰の吸引機もないし、酸素の供給も薄すぎて酸素濃度84とかになってたのにも気付かなくて。

 それでもまあ清潔で明るい場所で死ねたから、父さんの人生は「勝ち」なんだろうな。自分の建てた家で、妻の側で、天気のいい日に百日紅の花の咲く中80歳で死ねたのは本当に最善だったじゃないか。母さんが来るまで耐えられて良かった。僕はきっとあんなふうには死ねないから、羨ましいし悔しいし悲しいだけだったな。
 苦しそうな声は聞こえてたけど母さんに言わなかったの、やっぱり言えばよかった(だって「振り回すな」って言われてたし、大声出しても母さんに聞こえないのは分かるんだから辛いなら自分で救急車なり母さんなり電話してほしいし、父さんはオーバーに振る舞うくせがあって狼少年状態だったし…)。酸素ボンベの排出量が足りないのかと思って一瞬だけ上げてしまったの、しなけりゃよかった(でも「辛そうだったら上げて良いですよ」って言われてたし…)。母さんが携帯探してた時、返せばよかった(でも電話はほかにあったし、最初むさしの病院に電話したら『まだ準備してないでしょ』って怒られたし…でもカメラで電話するって事を忘れてたのは確か)
 そう、僕が殺したんだ。結局、最期まで迷惑ばかり掛ける子供だった事が辛い。役に立てない自分が辛い。こんな大人になるつもりじゃなかったのにに…。最期の最期でも父に失望された事が辛い。
 まあ、朝病院行くって言ったの拒否した父が悪いんだけどさ。きっと怖かったんだね。三人三様の「こだわり」のせいでプレーが嚙み合わず素早く連携できなかった。まあ、いつものパターンではあったな。
 まさかあのまま息絶えると思わなかった。本人もそう思ってくれてれば良いんだけど。苦しませて死なせてしまった。もう少し何かしてあげれば良かった。母さんに任せずもっと容態に緊迫感を持ってればよかった。でも、家で死にたいなんて最期まで人騒がせなじじいだったな。もっと早く老人ホームに行く事はできたんだから。結局母さんは最後まで「介護食」を作れなくて固い料理を出し続けて残して衰弱させてましたね。まあ二人がそれで良いなら良っか。それで入れ歯を治そうとして歯医者呼んだらコロナになって…と言う感じでした。本当に救急になってからじゃ、救急車は遅いんだから。

 これで本当にこの世に僕の味方はいなくなっちゃった。
 これからの僕は誰にも愛されない社会の害悪として一生嫌われながら生きていく。
 僕には父さんのように開き直って生きる力はないから。協力も支援もないこの世の中ではきっと僕はもう生きていけない。
 僕の人生の主役は両親だと感じる。両親がいなくなったとき僕に生きる理由は何もない気がする。だって僕は二人の老後のペットとして生まれたのだから。
 実際僕の人生は後はグループホームに入って迷惑かけずにさっさと死ぬだけだしな。
 まあ、しょうがない。みっともなくもがいて嫌われながら死ぬよりは静かにモブとして死のうね、せめてそれくらいさせてくれよ。
 死ぬって別に重い事じゃない。誰でも1回は死んでいいわけだから。いつ死んだっていわけで。
 がん検診をどんどん遅らせている。がんの発見が遅れれば遅れるほど、僕は死ねるから。

 まだ死なないと思ってても、やっぱり人は死ぬんだなあ。
 父の死を初めて意識したのは高校生の頃で、その時から父はしょっちゅう「俺はもう死ぬから」と言っていた。その頃は真に受けて泣いたりしていた。だから僕の中では父さんが居なくなる事についてはとっくに処理できてたしいつも「よく生きてるな」と思ってたしむしろさっきまで生きてた事自体びっくりなんだけど、ここ数年は父に失望された事がずっと辛かった。死ぬ瞬間でさえ、父は僕を恨んだかもしれない。

 父さん、僕もすぐ行くからね。
 育ててくれて本当にありがとう。守ってくれてありがとう。八王子の高校まで送り迎えしてくれたり、京都の引っ越しを手伝ってくれたり、ツタヤのCDを返すのを忘れて母さんが仕舞い込んで延滞料が30万円とかになった時も叱らないでくれてありがとう。父さんが守ってくれなかったら僕はとっくに自殺してたと思う。
 発達障害として生きる自信をくれてありがとう。
 そのせいで僕は今、社会の全員から嫌われています。
 父さんは何でも我慢する人だった。僕はそれを凄く尊敬してた。父のような人になりたかった。でも世間では父は障害者だし、僕はたくさん我慢したらこんな病気になっちゃった。

 父さん、どうか僕を見守ったりしないでね。
 僕は父さんの期待に応えられないから。幻滅させたくないから。
 父さんにとって僕はきっと失敗作だと思う。
 父さんのようにも生きられないし、でも社会に受け入れられることもできなかったよ。プロになれなかった。誰も評価してくれなかったよ。
 父さんにがっかりされるのが何よりつらい。
 親の期待に応えられない自分が何より嫌いだ。

 結局、どこにも神も天使もいなかったなあ。

 でも、女神はいた。
 それだけで、じゅうぶんだ。

 これからはリオサンの事だけ考えて生きよう。
 それだけが僕の心の支えだから。

少なくとも母さんに電話する事は出来たはずだから、やっぱり自分でこのベッドで死ぬことを選んだのかもしれない。だったら希望を叶えてあげられたから良かったのかもしれない。

 てかバタバタしてて契約者専用駐輪場って気付かず駐輪したらサイバーパトロールGとかいうのの餌食になってしまった。これ向こうで自転車処分してくれるならむしろ好都合だし警察の管轄じゃないからある種自転車無料廃棄業者だな助かる。webサイトで気付いてよかった。明らかに詐欺サイトの見た目だった…。中古で転売するのかな?いや……それはさすがに自転車泥棒か? 自転車ってやっぱ苦手だね。あれ、むしろああやってロックかけて動かなくする事で余計駐輪場圧迫させてないか?もし調停起こすならこの会社にって言うかここと契約してるテナントにしたほうが良さそうだね。

 それでは、食欲がなくて食べられず生理の前日で片頭痛で死にそうなとまよこ りゃんシーでした。

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とまよこ りゃんシー@アイヌ子孫
発達障害なりに色々考えて生きてます。応援していただけると嬉しいです。

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