見出し画像

あなたは「勇者」の意味、考えたことありますか?『ぼくのゆうしゃ』感想

勇者と言う言葉には、憧れがあります。

ゲームをプレイするとき、大概主人公ですからね!

勇者という存在は。

皆からあこがれて。

それでいて強い。

まったく、すばらしいじゃないですか!

完全無欠とはこのことですね!


……ただ、ですよ。

そんな勇者にも葛藤があったら。

勇者という言葉が、どうしようもなく辛いのだとしたら。

あなたなら、どうしますか?

また、そんな中で。

あなたがもし勇者になりたいというのなら。

そんな「勇者」という重荷を背負う覚悟はありますか?



……なんてね。

というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、葵せきな先生の『ぼくのゆうしゃ』(2013年7月刊行)です。

勇者という言葉の意味、考えたことがありますか?




あらすじをどうぞ

今回は、「紀伊國屋書店ウェブストア」さんより、あらすじを引用させていただきます。


兄さんの危篤を知り病院へ急ぐ途中、ぼくはトラックに撥ねられてしまった。
目を覚ましたぼくがいたのはファンタジーな異世界で、目の前には謎の浮遊型毛玉生物・ルウがいて…。
「ルウはご主人の下僕です!そしてご主人は勇者ですぞ!」
「…ゆ、勇者?(声に出すと意外と恥ずかしかった!)」
勇者の役目―女神さまを眠りから覚ますため、ルウや道中で出会った“自称”大魔導師など、愉快な仲間を引き連れたぼくの旅路に待ち受けているものは―!?
想う強さが願いを叶える、超王道ライトファンタジー開幕!!

ぼくのゆうしゃ / 葵 せきな【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)


というわけで。

今回のテーマは、「勇者」となっております。



話をまとめると

この作品を簡単にまとめると。

「小学生の男の子が、異世界ファンタジーで冒険する話」

と言う言葉でまとめることが出来ます。

超人的な力を得た主人公、ミカミトオルが。

様々な冒険をする。

そんな話です。



序盤は、軽いライトノベル

まず書いておきますと。

このお話。

全八巻のある内の序盤は。

かなり軽く書かれたライトノベルとなっております。

なんといっても。

主人公の男の子が。

小学校四年生ですからね。

その年齢層に合わせたような書き方がされています。

また、ギャグも秀逸です。

適当な奴は、本当にテキトーな感じに。

駄目駄目な子は、本当にダメダメっ子に。

その塩梅が良い感じであり。

コメディとシリアスとがちょうど良く混ざり合っています。

例えて言うのなら。

青い鳥文庫や角川つばさ文庫といった。

児童向け小説でも取り扱えるような内容となっているのです。

そう考えると。

対象年齢層が。

十代後半のライトノベルでは。

若干低めの年齢層だと言えますね。



後半が……。

ただ、です。

物語の後半。

本編、全八巻の中の、第六巻目あたりで。

とんでもない展開を迎えます。

私としても読んでいて。

「うぇっ!?」

と声をあげてしまいました。

様々な情報が交差する中。

ミカミトオルが、とんでもない決断をする上。

「ぼくのゆうしゃ」の意味も分かってきます。

この後半の流れだけでも、かなり面白い所であると。

私は、ぐいぐいと押していきたい所存であったりします。

もう、ね。

完全に、この流れで大人向けであると。

そう認識せざるを得ませんでした。



このお話の長所について

なんといっても、ライトノベル的な軽く読める所だと思います。

ただし、序盤までです。

後半からは。

ミカミトオルの家庭の事情が分かるようになり。

とんでもなく重い感じになっていきます。

とはいっても、ちゃんとラストでは、大団円となります。

この緩急の付け方が。

なんとなく、作家としてベテランであることを連想させるのですが。

皆さんは、いかがでしょうか。



このお話の欠点について

このお話。

小学生、ミカミトオルの一人称視点で描かれているのですが。

小学生が考えているものとは、思えないくらい、語彙が豊富です。

つまるところ。

小学生にしては、若干、乖離的な文章となっております。

とはいっても。

彼の家庭環境を顧みれば。

その理由もなんとなく分かってしまうのですが。

……おおっといけない。

ネタバレになってしまいますね。

はい、ここまでです。


最後に

この作品は。

一巻だけだと、あっさりとしつつも。

どこか気になる伏線がある、ライトノベルとなっております。

なので。

どちらかというと、私としては。

全八巻をまとめて読んで欲しいなと。

そう思ってしまうわけであります。

というわけで、皆さん。

「ぼくのゆうしゃ」は、中々面白いぞ!

という言葉でまとめさせていただきます。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?