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未来の日本語は、ひらがな?『僕の妹は漢字が読める』感想

漢字。

ひらがな。

カタカナ。

日本語って、様々な表現方法がありますよね。

何より、漢字の数の多さときたら!

漢字検定一級クラスの人となると。

難読漢字も、スラスラと読めてしまうのでしょうか……?

一応、こういった感想記事を書いている、私としては。

漢字をたくさん知っていることは。

とても、うらやましい限りであると。

そう思えてしまうのですが。

皆さんは、いかがでしょうか?


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、かじいたかし先生の『僕の妹は漢字が読める』(2011年6月刊行)です。

漢字が読めるって、すごいことですよ。



あらすじをどうぞ

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

『きらりん! おぱんちゅおそらいろ』
 それは日本文学を代表する作家オオダイラ・ガイの最新作だ。
 彼の小説に感動した高校生イモセ・ギンは、ツンデレ気味だけど本当は兄思いのクロハ、クールでちょっと毒舌系の幼女ミルというふたりの可愛い妹と連れ立ってオオダイラのもとを訪れる。
 しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。

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というわけで。

本日のテーマは、「漢字」となっております。


ディストピア的な世界観

この作品の世界観についての説明なのですが。

簡単に書くと。

23世紀の日本が舞台です。

しかし。

文字である、「漢字」が廃れ。

日本語の表現が、「ひらがな」と「カタカナ」だけとなった世界観になっております。

その上。

「萌え」が現代文学となっています。

オタク用語を使って説明するならば。

ギャルゲーちっくな物語が、文学とされています。

また冒頭で紹介されている。

「ケータイ小説」においても。

漢字が沢山使われている事を理由に。

「古典」とされており。

漢字が読めないことが当たり前となっている、23世紀の人たちから言えば。

「古く、難解な本」とされている世界観です。

正直言って、この世界観だけでも。

かなりのディストピア感があり。

面白い所であると思えます。



簡単にキャラクターをまとめると

主人公である、イモセ・ギンは、漢字が読めません。

しかし、妹である、クロハは漢字が読めます。

そして、もう一人の妹、ミルがいます。

そして、ギンは作家を目指しています。

それだけ分かれば、もう十分です。



この作品の面白い所

途中で入る、ひらがなのみの表現です。

この時代の文学とされている作品を。

主人公が読むと言ったシーンなのですが。

正直、21世紀の住人である、私からすると。

頭が悪くなったような表現で書かれた文章かつ。

これまた都合の良い物語となっていました。

「23世紀で、漢字が廃れてしまった先の物語は。

こうなってしまうのか……!」

そんな、危機感を覚えました。

ですが。

「文学ってそんなものだよな」

といった考えが、この作品の核心を突いているポイントでもある上に。

世界観のディストピア感が如実に出ているのも、良い所だと思います。



この作品の欠点について

この作品。

「妹萌え」を全面に出しているため。

それに合わない人にとってみれば。

苦痛で仕方ないと思います。


また所々で。

オタク知識で笑わせようとしてくる所があります。

しかし。この作品が書かれたのは、2011年です。

そのため、今読んでみると。

何が何だか、分からないネタとなっております。


そして、最後になりますが。

この作品のラストは。

結構、中途半端な感じで終わります。

個人的には。

もう少し、話を広げて欲しかったなと思います。


最後に

この作品。

実は、SF的な展開になっていきます。

いわゆるタイムリープ的な感じですね。

そこが楽しめる人と。

ひらがなとカタカナのみになった世界観に、興味がある人は。

中々に楽しめる作品となっているのではないかと思います。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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