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遺伝子を凍結保存するという選択肢


アメリカの生殖医療に携わっている私の経験から『卵子凍結保存』の選択肢について書いてみたいとも思います。

卵子を凍結保存するという話は女性であれば知っている方は多いかと思います。ただ男性であればこのことについて知らない方は多いのではないでしょうか。

まずは卵子について

卵子は卵巣の中で卵胞という袋に入った状態で蓄えられています。この卵子は原子卵胞と呼ばれます。卵子胎児のときにすでに作られ生まれる時には卵巣に約200万個まで減少します。 

その後、年とともに減少し思春期には約20~30万個まで減少し、閉経時に向かってゼロに近づきます。一回の月経では約1000個の減少、1日に数十個が減少します。35歳頃には4分の1まで減少すると言われています。 男性の精子は年齢に関係なく生成可能ですが、卵子は新たに生成はできません。

また年齢ともに卵子も老化します。年齢だけでなく、ストレス、生活習慣でも老化に至ります。老化とは本来の卵子として機能がうまくできなくなるってことです。

縦軸が自然妊娠の確率、横軸は年齢

一般的には35歳頃から、卵子の老化、数の減少、染色体異常と流産のリスクが高まります。

現代では、様々な生き方を選択でき、女性も年齢、性別に関係なく社会で活躍できる時代に変化しつつあります。キャリアだけでなく様々な理由で、その時は子供を作らない、作れない方もいると思います。 しかしバイオテクノロジーの進歩により子供を作るタイミングも選択ができる時代になりました。

卵子が若く、健康なうちに 自分の卵子を採卵後、凍結保存し自分が子供を作りたいときに作るという方法です。一度凍結すると、半永久的に保存が可能ですので子宮に異常がない限り、凍結した卵子を解凍、精子と受精させ移植後妊娠が可能です、もちろん受精卵での保存もできます。 この方法で現在では50歳を超えても妊娠、出産するかたもいます。

また、自身の現在の卵胞数についてはAMHというホルモン数値を血液検査によってはかることで簡単に調べることができます。卵子を採卵、凍結するのには日本でも安くはありません。 女性の社会進出をサポートするためにも、アメリカ、シリコンバレーではこの費用をサポートする企業もあります。日本でも是非企業や、政府が支援してほしいですね。

これらについては男女ともに知っておいたほう知識だと思います。日本の学校教育でも取り入れてもいいのではないでしょうか。 こういった知識をしっているだけで人生設計、選択の幅が広がるかと思います。また男性の女性に対する理解もすこしは深まるのではないでしょうか。







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