鹿児島商船の「はいびすかす」が好きな件と2023年の個展の船について

私には好きな船がある。「はいびすかす」。鹿児島の谷山港から種子島を経由し屋久島までのフェリー。旅客や車両、生活物資を運ぶ船として活躍中。ずっと活躍して欲しいと勝手に願っている。

かつて「はいびすかす」に屋久島まで連れて行ってもらった。そのときのことは、別のnoteに書き始め、止まったままだ。

記憶が鮮明なうちに、全部書いてしまうべきだったと後悔している。これは、半分ダジャレだ。船だけに。

この時の教訓は、今、制作を記録する時にも役立っている。すぐに書くべし。それができない場合は、記録は諦め次の制作に進むのが私には合っているようだ。

(架空の物語をつくる時は、事実を覚えていなくてもいいのかもしれない。)

かつての屋久島の旅は、私にとってはとても重要なもので、屋久島までそして屋久島から運んでくれた「はいびすかす」にとても感謝している。屋久島滞在中は、毎日「はいびすかす」の元気な声を聴くのが楽しみだった。入港する姿がとてもかっこよかった。

「はいびすかす」で来た、と島の人に言っ(どうやって来たのか尋ねられたため)たら、ヤクツーじゃないことに驚かれた。ヤクツーは「屋久島2」という名前のフェリーだ。折田汽船の船。

「はいびすかす」と比べると、綺麗で豪華。乗ったことは無いので、好きか嫌いかはわからないけれど、とにかく、あの頃の私はヤクツーより「はいびすかす」に惹かれた。おそらく、仕事で心身ともに疲れ果てていた自分を、長い間いろいろ運んで味がでてきた船に重ね合わせたのだろう。「はいびすかす」は生活物資を運んでいるところも好感が持てた。なんだかすごい船だと思った。みんなを助ける働き者の船だ。(ヤクツーが働き者じゃないってわけじゃないのだけれど。)

それから「はいびすかす」にはワクワク感もあった。なんというか、ちょっぴり冒険っぽい感じがしたのだ。それに、朝、屋久島に着くから運が良ければ船上で日の出を見られるし、1日を有効活用できるのではとも思っていた。(もっとも、逆に、ヤクツーの場合は日程に余裕があれば、前日から島に入って次の日に備えることができるわけだが・・・。いつかそのうちヤクツーでも行ってみたい。)

屋久島への行き方は、いくつかあり、私は飛行機でも行ったことがある。それは初回だった。2回目は、オンボロの愛車と行きたかったので、フェリーが良かった。ジェットフォイルの「トッピー」にも惹かれたけれど。種子島にも寄ることが出来るのも楽しみだった(上陸は出来ない)。

いつか、船を描きたいと思いつつ、時が経った。「はいびすかす」を想いながら描いてみたこともあるけれど、作品として発表したことはない。

2023年の個展で、船の物語をつくってみることにした。「はいびすかす」とは似ても似つかない船だが、自分なりの船だ。あの時の想い出(それはもう漠然としたものになってしまったが)が少なからず入っている。船を登場させることが出来、嬉しい。個展の船には、他にも色んな意味を入れた。

私には他にも好きな船がある。小豆島へのフェリーだ。名前は忘れたけれど、懐かしさだけが残っている。

私は森や山が好きだが、実は、島もけっこう好きだ。今まで色々行っている。長い間「島」のつく地名の場所で暮らしていた。かつては『SHIMADAS』を持っていたが、もう手放した。上高地に行った時、新島々に惹かれた。「しましま」という音が可愛かったからでもあるが、やはり「島」だからではないかと思っている。それに、島は、実は山なのだ。それに、普段は意識していないけれど、日本は島でできている。

2023年の個展は、島特集も思いついたけれど、船は色んなところに行くことにした。海でも空でも陸でも地中でも、どこにだって行ける。過去にも、未来にも、別の星にも・・・。船はいろんな冒険をし、成長していく。三日月は、成長の象徴。個展だけじゃ描ききれないから、ずっと描くことにした。そのうち立体もつくりたい。それから、船は、成長を見守り助ける者でもある。成長だけではなく、すべての生きとし生けるものを見守り、時には助ける。それから、船は、幸運の象徴でもある。


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