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青い光をつなぐと星座になる気がした
毎年、春になると誰からともなく招集がかかって、僕たちは海岸までホタルイカを探しに行った。
満月か新月の、やたら暖かくてたぶん蜃気楼が見えるような日。別に正確なデータを持っているわけではないし、ただの遊びだったからなんとなくそんな感じかな、と思うような日に「今日あたり行きますか」となる。
パンキョウと呼んでいる、人文学部と一般教養棟の裏に僕たちのサークルの部室はある。いつからあるのかわからな
ゴースト、フレア、ハレーション。
ときどきうしろを振り返って君にレンズを向ける。なんだよう。少しだけしかめつらをした君を捉えてシャッターを切る。
「もうちょっとマシな顔を撮ってくんないかなあ。なんかだいなし」
ペットボトルのキャップを開ける。少しだけ口をつけて、顎をくっとあげて飲み物を流しこむ。いつ見てもCMみたいな飲みかたをするなあって思う。これもカメラに収める。
「なに、好きなの?」
「うん」
写真を撮るのがね。僕は曖昧