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【理科】中学生でもわかる相対性理論  パート1

 みなさまこんにちはLIT代表のはるです。国立理系大学院を修了した私が、天才物理学者アルベルト・アインシュタインの「相対性理論」について、数式を使わずに、中学生でもわかるようにお話していこうと思います。
 本企画では、「相対性理論」のイメージだけお伝えします。数式に当てはめるには、トレーニングが必要になりますので、後日チャレンジしたい方は、やってみましょう!数学が嫌いで数式をみると鼻血がでてしまう私には、数式を完璧に理解できませんでした。ですので、「相対性理論」の本質だけ触れていきたいと思います。
 今回の記事は、「相対性理論」をより理解しやすくための背景やそもそもの話をしていこうと思います。ぜひお読みください。
※わかりやすさを優先するために、厳密には異なる部分がありますので、
 予めご了承ください。概要を理解するのには全く支障ありません。


そもそも科学(理科)ってなにする学問?

 さまざまな意見がありますが、科学(理科)という学問の目指しているところは、「自然界のルールに基づき、未来を正確に予測したい」という部分がモチベーションにあると思います。例えばですが、車のナビに目的地を入れると、この道を通れば何時ごろ目的地に着くよという予測がされるので、私たちは利益を享受できます。何時ごろに着くという予測をより正確にするために、GPSがあったり、交通情報を取り入れたりするわけです。もっと大きな話でいうと、天気予報や地震の予測が完璧にできれば、災害の予測もでき、より多くの利益を享受できるようになりますよね。だから、頭の良い科学者たちは、自然界のルールを明らかにしてきました(しています)。

「相対性理論」を理解しやすくするための背景

①ニュートンってなにした人?

 りんごでもお馴染みニュートンは、「物体の運動に関する予測を正確にするためのルール」をまとめくれた人です。ニュートン以前の人たちの研究の結果を使いやすいようにまとめたり、計算の方法を発明してくれたので、今の便利な社会があります。ニュートンは、「物体の運動に関する予測を正確にするためのルール」を3つにまとめてくれました。

第1法則:慣性の法則
第2法則:運動の法則
第3法則:作用反作用の法則

金沢工業大学物理ナビゲーションより

 「相対性理論」をより理解するために「慣性の法則」、「運動の法則」を紹介します。
「慣性の法則」は、教科書などでは、力が加わらない限り、

 ①止まっているものは、静止し続ける
 ②動いているものは、等速直線運動し続ける


というものです。①は、なにあたり前のことを言っているんだと思い、②はわかりにくいと思いませんか。実はこれ、本質ではないのです。
   第1法則の本質は、「その速さは、どこから見たものなの?」ということなのです。
 ここからがイメージ力が重要です。世界には、AとBの車しかなく、神様の視点があると仮定し、神様の視点の視点から、A車とB車がともに10という速さで離れているとすると、A車からは、B車が20の速さで離れているように見えます。B車からは、A車が20の速さで離れているように見えます。(図参照)


 私たちの自然界のルールでは、神様の視点を共有できません。A車から見た事象とB車から見た事象はどちらが正しいですか?という問題に、どっちでもいいよというのが、ただし、止まっているときか等速直線運動しているときだけだよというのが「慣性の法則」です。
 ちょっと専門用語ですが、このような頭の中でやるものを「思考実験」なんて言ったりします。

 「運動の法則」は、止まっているときと等速直線運動しているとき以外の加速度が関わってくる運動についての法則です。なぜ加速度だけ区別されているかというと、目をつぶっていても、加速しているかいなか判断できるからです。例えば、電車で急ブレーキをした時に転びそうになったり、車で急加速した時に、後ろに押し付けられるような感覚ありませんか?これは、加速や減速などの加速度がかかわっているからです。
 また、加速度(acceleration)は、力(Force)に比例し、質量(mass)に反比例することも示されています。つまり高校生の方は、見たことあると思いますが、「F=m×a」という運動方程式です。この式は、力を加え続ければ、加速し続けるという意味です。また、重たい物体は加速しにくいことも分かりますね。
 これが、物理の根本的な方程式になっており、力(Force)の種類を変えていくことになります。熱による空気の膨張に着目した”熱力学”や電気、磁石の力に着目した”電磁気学”など分野が発展していきます。この電磁気学の発展が問題を呼び、「相対性理論」に繋がっていきます。

②電磁気学を進めて行った先に…

 まず、電磁気学とは、電気による力と磁石による力について学ぼうという学問です。理系大学生が、難しすぎて、泣きながら勉強するで有名な電磁気学です。私的になぜ難しいかを分析してみると、「運動と違い、見えない電気や磁力はイメージができない」からではないかと思います。中学生、高校生でもつまづきやすい分野です。そこに大学生は、激ムズ計算が出てきます。
 電磁気学のルールをまとめた方が、マクスウェルという科学者です。難しいので記述はしませんが、電流を流すと、磁力が発生し、磁力を変化と電流が流れるなど電気と磁石はどうやら周辺にも影響を及ぼすから、電場と磁場という「場」の理論も含めて、4つの方程式をマクスウェル方程式とまとめてくれました(まとめちゃいまいした)。つまり、電磁石や発電などの技術に繋がっていきます。
 マクスウェル方程式から何が分かったか(わかっちゃった)というと、「光の正体は、電磁波であること」と「光速が30万km/sであること」でした。
 そもそも電磁波とは、電場によって、磁場が生じ、その磁場によって電場が生じながら伝わる波動のことです。以下の図からわかる通り、電磁波の人間の見える可視光線の部分を光と呼んでいただけだったということが判明しました。


 光(電磁波)の速さを研究していたところ、「光速が30万km/sであること」が判明しました。この記事をきちんと呼んでいただけていたら、こんな疑問が出てきたら最高です。

「どこから見た?」

 
正解は、「どこから見ても」です。なんだ良かったじゃんと思った方へ
当時の天才たちは、ガクブルだったと思いますよ。

「あれ、絶対に間違いのなかったニュートンの第1法則が成り立たない…」

いやーこれは血の気が引きますねー
「まだ理論だけだからね」などと余裕をかましていてたら、1887年のマイケルソン・モーリーの実験によって、「光速が30万km/sであること」が証明されてしまいました。


まとめ

 いかがでしたでしょうか?今回は、「相対性理論」を理解しやすくするための伏線回でした。物理学をニュートンの時代まで遡り、アインシュタインが「特殊相対性理論」をつくるまでの背景をまとめさせてもらいました。少しでも理科が面白いと思っていただけると幸いです。
 次回、「特殊相対性理論」ってなに?続報をお待ちください。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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