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落ち込んだ売上を取り戻せ

短期間で太った場合、短期間で以前の体型に戻すことができます。
ですが、数年かけて少しずつ太った体型を以前の体型に戻すには、やはり数年かかってしまいます。
この法則は、いろいろなことに当てはめることができます。
憶えておいて損はありません。


さて、新型コロナウイスルによって落ち込んだ売上を取り戻す方法のひとつとして・・・

客単価を上げる

方法があります。
消費マインドが冷え込んでいるので、そう簡単にはいかないと思っている人がほとんどでしょう。
その通りなのですが、消費マインドが冷え込んでいるということは、何かを購入するのに慎重になっているだけです。
このような時は、コストパフォーマンスが重視されます。

つまり、

費用対効果の高い商品、サービス、技術が選ばれる

だけのことです。


たとえば「ライザップ」。
結果にコミットすることをウリにしています。
料金は基本プログラムで

2ヶ月16回で34.8万円
3ヶ月24回で48.2万円
4ヶ月32回で61.0万円

です。

ちなみに目標にフルコミットするプログラムは、

2ヶ月16回で74.8万円
3ヶ月24回で104.0万円
4ヶ月32回で131.6万円

です。
そのほか、30日間全額返金保証制度もあります。
30日やってみて気に入らなければ、お金は全額お返ししますという嬉しい制度です。

このように、顧客のリスクをできるだけ取り除く、結果にコミットするなど
安心感を与えることが重要となります。
この価格で、理想のボディが手に入るのなら安いものです。
マーケティングの視点で考えれば、当たり前のことをやっているに過ぎないライザップですが、ほとんどの競合はこれすらやっていません。

これが、客単価を上げる方法のひとつです。
まだまだ、客単価を上げる方法はあります!


どこで購入しても同じ規格品でなければ、客単価を上げるのは超簡単です!
たとえば、あなたが今まで10万円で販売していたサービスがあったとします。
これを100万円にするのはいたって簡単です。
あなたが「これは100万円です!」と言えばいいだけです。

客単価だけは完全に売り手に決定権があります

ただし、顧客がこのサービスには、100万円の価値があると思わなければ取り引きは成立しません。
ですから、商品のスペックや売り方を再構築する必要があります。
いいですか、もう一回言います!
客単価は完全に売り手に決定権があります!


自動車例に考えてみましょう。
自動車は新車であれば、ダイハツの「ミライース」が85万8千円、これが国産メーカーで最安値の新車です。
では、最高値の自動車は?

フランスのスポーツカーメーカー・ブガッティの「ラ・ヴォワチュール・ノワール」が何と14億円です。
これが世界で一番高額な新車と言われています。
ですが上には上がいます!
フェラーリのヴィンテージモデル「フェラーリ250 GTO」は2018年にサザビーズに出品され、史上最高額の約54億円で落札されました。


ミライースという自動車の価値は単なる移動手段です。ところが、
ラ・ヴォワチュール・ノワールやフェラーリは、移動手段としての価値もありますが、所有することによる富裕層ブランディング、所有することによる
優越感と喜び・・・
要は

お金では買えない、目に見えないものを提供している

のです。
これが、85万8千円と54億円の差です。
つまり、単なる機能や作業を提供しているうちは、客単価を上げることは
不可能です。
客単価を上げたければ、目には見えない感情を揺さぶるものが必要だということです。
これが、客単価を上げる方法のふたつめです。


さて、法人営業で顧客が求めていニーズは、「利益のアップ」「コストダウン」のいずれかです。
すべての企業活動は、このふたつに集約されます。
もっと突き詰めると、コストダウンも利益のアップためにやっているのです。
ですから、究極の目的は利益のアップです!
商品開発、マーケティング、セールス、人材育成、組織開発etc...
すべて「利益アップ」のためです。

残念ながら2018年に後継者がおらず廃業しましたが、「岡野工業株式会社」
をご存知でしょうか?
ひとことで言えば、金属加工のプレス屋です。
穴の直径が90ミクロン、外径が200ミクロン、蚊の針と同サイズの驚異的な細さを実現した「痛くない注射針」を開発したのが岡野工業です!

この仕事を発注したテルモは、100社近くの企業に痛くない注射針の開発打診をしましたが、すべて断られたそうです。
その際、最後の駆け込み寺となったのが岡野工業です。

岡野工業の代表・岡野雅行さんは、ステンレスの板金を巻いて加工するという発想の転換で実現させました。
そのほか、「精密深絞り技術」を駆使したリチウムイオン電池とアルミニウムを一体成形した電池ケースの生産に成功して、ハイブリッド車用電池の小型・軽量化にも貢献しました。

岡野工業は、付加価値の高い仕事しかしませんでした。
たとえば、

安くて競合がしないような仕事

です。
このような場合、人手をかけないように製造を自動化して、徹底的なコストダウンを図って安価で製造できるようにしました。
その一方で、

難しくて競合ができない仕事

も得意としていました。
これが、先程紹介したテルモの痛くない注射針です。

岡野工業が引き受ける仕事は、顧客のニーズが非常に高い極端なコストダウンと利益アップに特化していたということです。
これも、商品単価を上げる方法のひとつです。
業績を伸ばすには客単価を上げること!
中小企業はこれに尽きます。

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