knifeの「k」を発音しない理由
「knife (ナイフ)」の「k」、「doubt (ダウト)」の「b」。
なぜ発音しない文字が入っているのでしょうか?
その秘密はヨーロッパの歴史的背景に隠されています。
16世紀のヨーロッパはルネッサンス時代。
当時の人々は「1000年以上前の古代ローマやローマ帝国のものは素晴らしい!」と盛り上がっていました。
英語の発祥とされるイギリスでも「英語よりもラテン語の方が良いらしいぞ」と、庶民の間でも噂されるようになりました。
日本で言うと、「日本語よりも古文・漢文の方がかっこいい!」っていうのと同じです。
当時のヨーロッパは教育水準が低く、文字を書くことができるのは学者や僧侶のような特権階級の人たちぐらいで、庶民が文字を使う機会はほとんどありませんでした。
私たちがよく使う現代英語の「debt」という単語は、ラテン語の「dēbitum (デービトゥム)」という単語から来ています。
ラテン語からフランス語を経由し、やがて英語にも使われるようになった単語です。
ラテン語の「dēbitum」が他の言語にも借用される過程で「b」が抜け落ちていきました。
当時の英語の書物では「dette (デット)」と綴られています。
そこで、ラテン語を知る学者たちは「dette (デット)」の中に「b」を戻そうとしました。
ルネッサンス時代ですから、当時の人はラテン語に近い形で言語を使いたかったのです。
やがて、「dette (デット)」は「debt (デット)」に変化していきます。
しかし、庶民は文字を見たことが無いので、音だけ聞いて「デット」と言い続けます。
このように、当時の英語は文字として使わず、発音して使う言語でした。
一方、英語の綴りはラテン語に近い形へ変化していきました。
「knife (ナイフ)」も古代英語に由来する単語で、元々は「k」を発音していました。
「doubt」も「debt」と同様の理由で「b」を発音しなくなりました。
英語の「綴り」と「発音」のギャップはこうした歴史的背景から生じていったのです。
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