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夢のおはなし

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夢か夢想か、たしかにそこに存在してたそんな、風景達
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shirabe

shirabe

眼に映る視界は 朝露

空の底は 菫色

薔薇は 貴方の愛しい頬

流れる曲線を描けば 風

小鳥の囀りは 朝の調べ

木々のざわめきは 貴方を呼ぶ 声

ひと息

ひと息

褐色の アールグレイの 湯気は

やさしく 私の頬に 触れたあと

肌へと 消える

テーブルの木目には 淡い影が

うっすらと 浮かんでいる

遠くから聴こえた 雨音

窓の方へ 目を移す

一瞬だけ顔を覗かせた 午後二時の光が

ぼんやりと 部屋を照らしていた

私とこの世界を 曖昧にする 優しい雨が 好き

今日の雨は そんな優しさに 溢れていた

情緒的な景色が 記憶を呼び起こす

曖昧っ

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harunomegami

harunomegami

春風をまえに少しの秘密

虜 それはとけるような髪

瞳 それは檸檬の光の粒

それから

それからね

曖昧な淡紅色 それは私と貴方

瞼にのせた花弁 それは空想の窓

春風には少しの秘密を

仄かに香る魅惑には心からの愛を

これは私だけの秘密

私の想いをのせて運ぶ 

それは 曖昧な春風

それは 微笑む春の女神

夢想の船出

夢想の船出

瑞々しい

初夏の風の香りがしました

春の暮れを

惜しんでいる間に

その切ない気持ちを

消し去るようにして

新しい季節を

知らせてくれたのでしょうか

青々とした植物達が

うれしそうに

枝を広げた あの時から

夏ははじまっていたのでしょうか

あの日も同じ様

私に触れるものは

すべて初夏のものでした

足元には

乙女の頬のように真っ赤な

バレエシューズ

曇りのない 透き

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Ranunculus

Ranunculus

言葉を自分の為に綴るのはいつぶりだろうか

文章を書きたい

言葉を頭の中から解放させたい

自分の心の内に秘めておくべきこと

秘めておきたいと思うことも

以前よりも増えたからなのか

アウトプットする感覚が

いつのまにか

薄れてしまっていたのだろうか

このまま何となく流れる様にして

2020年を終えていくのだろう

漠然と考えていた

しかしある経験をして

私は

言葉を

頭の中

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