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zephyrの詩

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#眠れない夜に

薄明のとき、それは泡沫

薄明のとき、それは泡沫

薄明に魅せた花は青白く

その照らされた様は水中花の如く

永遠に幻のまま

すみれから翡翠へ流れゆく

無色から派生した白昼夢

胸の内に秘めたまま

微かに、髪がなびいた

清い風は素知らぬふりをして

一粒の、ちいさな青をおとした

青白い光は瞼に触れる

それは泡沫(うたかた)

崇高なる美しさよ

崇高なる美しさよ

セピアの記憶と重なり

懐かしさをおもい

暮れていく空を眺めていた あの時間

浮世絵のように趣のある 山々達

色は薄れど

遠ざかるほど輝く金色の造形

崇高なる大地の美しさは

頭を空っぽにさせて

心だけを 満たしてしまって

それらを前にして

何もできることはなかった

うたたねして私、

うたたねして私、

うたたねして私、

目が覚めたら夢の中

ゆらゆらと時折

差し込む光が一筋

白は時間を掛けて

白銀へと変わって

ゆっくりと弧を描く様に

夜の手前、夕暮れの先の色の下で

泡となって、

それから消えました

そのまま体を預けて

浮かんでいれたらいいのに、

と願ってしまう程に。

溶けた蝋が

溶けた蝋が

溶けた蝋がゆっくりと流れていくのが好き
ぼんやりと照らされた追憶の光は
睫毛の影をなぞっている、安堵と空虚
相反する心の鼓動を知っているように
ゆらゆらと灯った

天使の気まぐれな声音が

天使の気まぐれな声音が

天使の気まぐれな声音がくすぐったい
ながれる雲と風がどこまでも柔いなんてね、
ひかり、
ひかりがすぐ側にまできたのは秘密にしていて
色を忘れないで、香りを覚えていて、
かさねて、どうかそのままで

美の象徴を見てしまったの
何ものにも代え難い
星々とラピスラズリの夜
且つそれは一筋の天使の光であり
おとぎ話のヴィーナスであり
ロマンチスムに溺れるポエムの様
終わりの果てには背を向けて
私は神秘に誘われたまま
消える月を惜しむように
それを見つめた
#私の作品紹介

私は星の下で聴く

私は星の下で聴く

生きている

私は今日

この時間を生きている

私の肌をみれば

透けた管を伝いとくとくと流れているのを感じる

陽を浴びれば

じんわりと体が温まるのを感じる

風が吹けば

花々や木々の命の香りを感じる

空を仰げば

青い朝から 紫の夕暮れへの色づきを

真っ白な雲が

視界の端から 端へ流れるのを

揺れる薄水色の水面

足元には咲いたばかりの蒲公英

幸せを祈る鈴蘭を胸に抱いて

大地

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白昼夢の女神よ、

白昼夢の女神よ、

朧げなまま遠くで聴こえました

音は粒となって

くっきりと影を孕んだ弧は

記憶を辿るようにして消えると

この世のものであって

この世のものではない

幻想であって幻想ではない

それなら私は片目を瞑ろうと誓いました

こころ

心が鼓動します

雲が風がどこかへ

空が開けたのです

空には底があると信じたむかしはいつ?

歓びおよび哀しみが

私に囁くのです

息をするのも忘れて

私は

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