【おいしくて面白いイタリア実習】~ケラスコ編~
前回からのつづき
私の学部のモデルになった学校
9/15 朝4時起床。ケラスコへ移動するため過酷スケジュール。
サービスエリアで買った水は2.5ユーロ(日本円にすると400円)。
そして大学入学前から来たかった念願の食科学大学に来た。
ここでスローフードの講義を受けた。
夢~!!!やっと叶った待っていたよこの日を。
スローフードは、おいしく健康的で(GOOD)、環境に負荷を与えず(CLEAN)、生産者が正当に評価される(FAIR)食文化を目指す。 “食べる”ことは私たちの生命に直接関わり、人間の歴史を築いてきた。そこには、あらゆる地域の伝統・叡智・喜びなどが込められている。料理を味わって楽しみつつ、料理の皿の外にあるその見えない味付けを考えるのが大切だ。 地球や社会の環境が大きく変わろうとしている今、様々な分野や世代を越えて多様性に満ちた持続可能な暮らしを考えていかなければならない。
貴重な味、エコノミー、アイデンティティ、コミュニティが失われないように正しい価値を与え再評価したい。
そして広い視野を持って点と点をつなぐガストロノモになりたい。
講義を聞いて強くそう思った。
metha yamな学食
学食は表参道にあるようなレストラン。
ナイフとフォークを使って優雅にゆっくりと楽しめる心温まるような空間。現地の学生たちは外のベンチでワインとか飲んだりご飯食べていた。ほわぁっと力が抜けちゃう。サラダ、フルーツ、オムレツ、ニョッキ、ケーキの味と言ったらもう!美味しすぎてガッツポーズしてた。
ドリンクは贅沢に2つも頼んだ。マキアートはアーモンドミルク、カプチーノはソイミルクで飲んだ。ミルクの変更は何も特別なことではなく、一つの選択肢として存在していた。
イタリアの先生とクッキング
ロシア風サラダ、前菜(アンチョビ的な)、酢の物(ズッキーニを上げて酢漬けセージ入り)、ほうれん草入りラビオリを作って食べた。ドルチェは桃にチョコクッキーをのせたもの。みんなで協力して、先生にコツを教わりながら料理をした。厳密なグラムを測ってやるわけでもなく、だいたいこれくらいの感覚よ~みたいな感じ。
私はアンチョビの担当をしたから鰯の匂いが手の細胞に浸透したよ!!
姫の朝食会場で王様みたいに食べた思い出
9/16 朝7時から朝食会場でお姫様みたいになれそうなところで王様みたいにもりもり食べた。
持続性ありタンパク質豊富な昆虫食の講義
バスを二本乗り継いで学校に。
授業前に豆乳のカプチーノを飲んで食と環境について、昆虫食について講義を受けた。
驚いたことに、生物の種類を数えると半分が昆虫(30万種類)で哺乳類は5000種類。しかもその中の3000種類がコウモリらしい。
昆虫はなんでも食べるし、死骸を元にして生きている昆虫だっている。生態系が循環するためには菌類と昆虫が必要で、食べ物のチェーンの中で昆虫がいなければ繋がらないらしい。
熱帯雨林地方は昆虫食が盛んで薬のように使われたり、ある種族にとっては文化的に使われたりしていたそう。アフリカの種族ではカマキリが地球を救ったと思われていて(手をスリスリするから)、北アメリカでは蜘蛛の巣が太陽をからめて持ってきてくれ明かりをくれたと信じられている。ある種族はタマムシの羽のイヤリングがあったり。このようなアクセサリーはスタンカーメン王の墓からも出ているらしい。
聞けば聞くほど面白かった。
昆虫さん、いつもありがとう。
スローなカタツムリの講義
午後はカタツムリを野菜畑で丹念に育て、そしてカタツムリは幸せに粘液を放出したり、オゾンガスで気絶させてから様々なレシピで調理され冷凍食品となる工場へ見学しに行った。
カタツムリは循環型で効率も良いらしい。あと、カタツムリの丸い殻は黄金比らしい。
カタツムリの粘液の美容液をサンプルでもらって使ってみたら次の日お肌が潤って喜んでた。わーい!
大学ラストの日
9/17 次の日もしっかり10分前の7時20分に朝ごはん会場へ。本当に、劇場みたいな部屋で、フルーツもりもりで、特に桃と焼き茄子、チョコクロワッサンが美味しかった。チョコラータとかも頼んだ。ディップしたら最高なのよ。。前日の夜はもう次の日の朝ごはんが楽しみすぎて、会場に行く時間を決めて何を食べようか友達と想像しながらお話してはしゃいでた(笑)
午前中、食科学大学の地下でワインを飲む講義があり(講義と言っていいのか?笑)、チーズと一緒にグラスを渡されて飲んだ。
ワインは生産者から直接購入していて、その数5万5千本。地域のワインを守る、ワインバンクと呼ばれている。
沢山飲んだ中で印象に残っているのはバローロのワイン。バローロは深いのに旨味とまろやかがバランス良くて青カビチーズとの相性も抜群で幸せだった。水牛のモッツァレラは白ワインと合う。学校の地下にワインの学び場があって楽しめるのは本当に幸せ。日本にもあったらいいなぁ。
チーズチーズチーズ!
午後はバスに乗ってスローフード協会の発祥の地、イタリア・ピエモンテ州の小さな町ブラにて開催される、ナチュラルチーズの祭典「Cheese」イベントへ向かった。
始めは自由行動だったので、先生おすすめの生のソーセージ(サルシッチャ)が食べられる店に行って食べた。柔らかなお肉の甘味と香辛料のパンチが効いていて美味しかった。
その後は世界一美味しいと先生方が絶賛するパンナコッタを食べに行った。とろっと口の中に入れた瞬間トロケて広がってまとわりついて消えていく感じで初めて食べた感覚。おい、きみどうやってその形を保っているんだい。やわらかとろとろでほっぺた落ちちゃったじゃないかああ。
イッツアスモールワールド
その時偶然インスタのストーリーを見ていたら、バイト先(レストラン)で会って仲良くなり、数日後エースホテルのバーで会ったローマに住んでいる方がチーズ祭りに来ていることが判明しすぐにストーリーに返信をした。するとちょうど400メートル先にいたそうで、パンナコッタの店の前まで来てくれた!ハグをして話が出来た。嬉しかったなあああ!
イタリアでチーズのプロになった(気分)
その後、チーズ専門家の方と合流して、3種類くらいチーズを食べ比べた。スローフードが大切にしたいチーズは
・生乳=高温殺菌していない 本来、乳にいる菌と共に作られている
・自然な微生物が豊富
・動物の環境がアニマルウェルフェアに配慮されている
もちろん添加物は一切使われず、昔からの方法で作られたもの。
高原で作られたチーズや干し草などを食べて育った牛のパルメザンチーズがすごく美味しかった。
その後、街でチーズが集まる店の最後の生き残りの店にお邪魔した。そこではピエモンテのチーズはもちろん、イタリアのチーズが集まっていた。地下では20センチほどの大きな丸いパルメザンチーズや、様々なチーズがクラシック音楽を聴かされていた。これは日本の論文を読んで始めたことだと言っていた。
帰った後に調べてみたら、小松(1991)が「音楽振動の酒類への利用」で発酵あるいは熟成を好条件に導くことが出来ると明らかにしていた。
ほほう!
チーズの講義が終わった後はお待ちかねの試食タイム。6種類のチーズを食べた。
・マスカルポーネ、ゴルゴンゾーラ、秘密のチーズミックス
・ロビオラ 牛乳 羊乳
・トーマピエモンテーぜ 牛乳
・タシーナカプラ ヤギ
・シチリアペコリーノ コショウ
・ランゲ地方のブルーチーズ 牛乳 羊乳 ヤギ
薄いものは白と合うし、ブルーチーズになると赤が合う。幸せだった。
つづく、、、
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