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雑感記録(202)

【贈る言葉】


人は嬉しくなると自分自身が分からなくなる

「高揚感」という言葉で片付けられるものでもないし、「嬉しい」という単調な言葉で表現できるものではない。昨日から僕はどう表現していいのか分からぬ、得も言われぬ感情が心の中をぐるぐるぐるぐる渦巻いている。言葉に出来ない感情なのだけれども、でも、どうしてもこの嬉しさを表現せずにはいられない。こういう時、本当にもどかしいと思う。

本当なら心のうちに留めて「僕だけの喜び」としておけばいいのだけれども、何故だろう、言葉にしたいという欲望が僕を襲う。でも、こうして書き出してみてどう書けばいいのか分からない。人間というものはいつももどかしい。この葛藤といつも向き合わなければならないのだから。

だから今日は敢えてあまり文量を書かない。

昨日も!そして今日も!!こんなに嬉しいことが立て続けにあっていいのか。もうこの喜びをどうしていいか分からない。頭がおかしくなりそうだ。特に今日の午後は何故か身体がずっと震えていた。これは恐れか?いや、そういう訳でもない。人は言葉に出来ないと身体に現れるのかもしれない。抑えきれない感情というのはきっと身体に現れる。きっとそうなのだ。

僕はこの詩を送ろうと思う。大好きな詩だ。

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

谷川俊太郎「生きる」『うつむく青年』
(サンリオ 1989年)P.117~120


大好きな人たちの幸せよ永遠に。

そして、これからの人生に幸あれ。

僕は今日、叔父さんになった。

よしなに。




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