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雑感記録(245)

【読書ヤンキーに僕はなりたい】


最近、新年度を迎えてということもあるだろう。「私の読書論」だったり、「私の本紹介」など様々な記事が溢れる。僕も1読者であるから愉しく読ませて貰っている訳だが、しかし何だかどうも書いてあること全てが僕にはキラキラしすぎていて付いていけない。言い方は些か悪くなるが「ザ・優等生の読書」みたいな、お手本のような感じで眩しすぎて途中で読むのが苦しくなってしまう。

僕はこれまで散々あること無いことを延々と書いている訳だけど、こんな僕の文章と比べたら…いや、比べることですら烏滸がましくも感じる。それぐらい清廉潔白みたいな感じだ。例えて言うならば、僕は庭で襤褸切れを着て木の棒をブンブン振り回して1人で遊んでいる。その対極に優雅にドレスなんかめかし込んで窓際のテーブルに座り、紅茶を飲みながら一息入れているのが所謂「キラキラ読書論」を語る人たちである。

僕は純粋にそうやって「キラキラ読書論」を語れることが羨ましい。

まず以て彼らは幼少期から本を読むことが好きだというではないか。僕からしたら本当に尊敬すべきことだ。何故なら、僕はそもそも本を読むことが苦手だったからだ。いや、もっと言ってしまえば本なんて読むのが好きじゃなかった。文字を追っかけて一体何が愉しいのかと思っていた人間の1人である訳で、僕は申し訳ないが読書をする人間の感性がその当時はよく分からなかった。

とここまで書いたが、この先は実際に過去に記録を付けている。

実際僕が本格的に本を読み始めたのは大学に入ってからで、しかも最初なんかは右も左も分からずという状態だった。細かいことは読んで貰うとして、僕の場合は「キラキラ読書論」を語る人たちとは異なり、何だか泥水を啜るような読書経験を積んできたと言っても過言ではない。事実、今もそんな感じで毎日貪るようにして本を読み続けている訳だが…。

だから、僕はある意味で「読書が苦手だ」という人の気持ちが分からなくもない。完全に分かるということは無いが、ある程度は寄り添えるはずである。しかし、僕が経験から言えることは「文学を読むと世界が変わる」とか「心が豊かになる」とかってことよりも、「いいか、とにかく読め!読んで読んで読みまくれ!!」としか言えない。

ここまで雑感記録と称して240個ほどの記録を残してきている訳だが、中には「いやいや、お前の言う「キラキラ読書論」語ってんじゃねえか!」と言うものも事実ある。しかし、そもそもそこに辿り着くまでの過程が違う。例えて言うならば…落第生が寄り道して何とかそこに辿り着いたという感じだ。だが、「キラキラ読書論」を書く人たちというのは素晴らしい。そんな紆余曲折をせずとも、ストレートにその読書の素晴らしさに辿り着いた訳だ。つまり、彼らは一直線に「読書は素晴らしい!」という結論に無傷で辿り着けたからである。

何だかそういうある種の清廉潔白さみたいなものに出会うと、条件反射的に避けてしまう傾向にあるらしい。これは要するに、めちゃくちゃ美人な人は条件反射で避けるみたいなものだ。何か僕は多分、こういう人たちと仲良くなれないんだろうなと思いながら途中までその記事を愉しく読ませてもらっている。というよりも、「ああ、僕が触れちゃいけない領域なんだな」と思って諦めている節もある。

しかし、今更「キラキラ読書論」などがオススメしている本を読めるかと言われれば、読めることには読めるかもしれないが、どこか物足りなさを感じてしまうだろう。僕は意外と「こういうことを書くからには検証せねば」系の人間なので、試しに1冊読んでみたことがある。何だっけな…。もうタイトルも思い出せないくらいに忘れてしまった訳だが、要するにこういうことだ。実際文章というか話の内容も思い出せないのだから、あまりガツンと来なかったんだろう。

僕は馬鹿なので時たまこういうことをしてみて、毎回自己嫌悪に陥っている。その「うわ…」っていう気持ちだけは残る。「やってしまったな…」という気持ちである。だが、やはり何でもかんでも「やりもしないのに嫌いだって言い張るのは良くない」と思っている質の人間なので、色々挑戦するんだ。「今回のはなんか色んな人が良いって書いてたしな…」と。それで買って読んで、1人イライラして悶々として自己嫌悪に至る。というのが僕の毎回のお決まりである。これを何回もしているのだから僕は馬鹿である。

「キラキラ読書論」を語る人は僕にとって「雲の上の存在」である。僕には到底およぶべくもない、そういう方々なのだ。そもそもこんな文章を書くことすら烏滸がましいのかもしれない。だが!しかし!書かずにはいられなかった!甘い蜜を吸いたい瞬間だってあるだろう?時には夢を見たいことだってあるでしょう?僕だって夢を見たい。

だが、僕には泥水しかなかった。

でも「住めば都」って言葉があるように、もはやそこで満足してきている自分も居るのね。それに少数だけれども、僕と同じような雰囲気というか匂いを醸し出している記事もあるのね。そこに安住し続けるつもりは更々ないけど、「キラキラ読書論」を語る人にもなりたくないんだな。まあ、そもそもなれないけれども。

読書ヤンキーに僕はなりたい。

よしなに。



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