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●迷走の棺 太陽が沈みかけた水平線から再び月が登ろうとしていた。 気がついたのは大気が凍…
第一之章 孵化 酷い雨だった。 強い風に煽られて人抱えもある太い幹の木がみしみしと音を立…
第二之章 白騎士 オヴナの蹄の音が硬い石畳に響き渡っていた。白い甲冑をつけた近衛兵が隊列…
第三之章 港町エルバニア 朝霧に濡れて石畳は湿った光を放っていた。 海沿いの街エルバニア…
第四之章 漆黒の王 その日、王宮では盛大な宴が開かれていた。 エギロンドの王妃エレメが第…
第五之章 写し身 アルフェスの山々に囲まれたエグラスの村に異変が起こったのは春になってヤ…
第六之章 再会 ミザリとエグナスの姉弟はジャドルに戻りボルゴ海の沿岸にあるジェリテで母と静かに暮らしていた。 キュエルに貰ったべランシュラの花は花瓶の中でもう数年も経つのに一向に枯れる気配がない。 「私、大きくなったらキュエル様の妃にしてもらうの」 「平民が妃になんかなれないよ。でも僕はいつかブリュラスの軍に入って出世してエル・ゾデスになってキュエル様に仕えるんだ」 「二人ともキュエル様のファンなのね」 「母さま。もちろんよ。あの方、私たちを助けてくれたの。ブロン
第七之章 伝説 「トレス・ユネス?三合の期?」 「そうでございます」 サラムの問いかけに…
第八之章 魔軍 目覚めた時、そこは四角い箱の中のように思えた。 ガタガタと揺れる箱の底に…
第九之章 対峙 ベーリアスは西のジェリアス、南のエルバニアに並んで称される東のポルデール…
第十之章 選択 誰よりも早くジュリアの神殿に辿り着かねばならなかった。 そこにトレス・ユ…
第十一之章 終焉 サラムの言葉が世界の命運を握っていた。 意を決したようにサラムはその言…
最終之章 調和 山は緑に溢れ、空はどこまでも青く澄んでいた。 「あんたたち、遠くまで行く…